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例えば男女比1:30の世界で、例えばそんな世界だからこそ免罪符で女の子に……とかないんだがっ!  作者: √宮ハルヒ
第一部

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第1話 この世界にログインをしました。

 朝、目が覚めると妹の部屋だった。

 いや、違う。言いたいのはこれじゃない。朝目覚め開口一番の驚きはこれだったけれど、もっと驚くべきことがある。

 

 仕切り直し。


 朝、目覚めると男女比が1:30だった。

 何を言っているのだろう。自分でもよく分からない。


 いや、だって、違うの。別に俺の妄想という訳でもなく…。いや確かにそういった妄想は度々するのだけれど、それで、女子にモテモテになるというハーレムものを思い描くのであるけれど、(陰キャという訳ではないよ。友達いないという訳でもないよ)殊、現実になれば、これは洒落にならない。


 こんなくだらないことに気がついたのは、けたたましい目覚まし時計の音で目を擦り、リビングでパン一切れの簡単な朝食をつまむ。歯を磨く。お手洗いも済ます。

 ここまできっちりとルーティンをこなして、景気良くドアを開け高校入学早々の登校を軽やかに決めようとした。


 ああ。特に一緒に登校する奴とかいないからねっ。

 俺友達皆無なんだ。

 だから高校に入ったら友達沢山作るのが理想だな。あわよくばカノジョだったり。


 電車で人を待つ。

 ふと見ると並んでいるのは女の子ばかりだった。あまり人もまばらな鉄道駅なので特段気にするべくもないことだろう。珍しくもない。


 まあ。と、適当にスマホを眺めては、電車が来るのを待ちぼうけする。


 しばらくすれば、ゴオー。という効果音と、駅構内のアナウンスで電車が近づいて来ることがわかったので、ホームに滑り込んできた電車を見てしまう。鉄道オタクではないが見惚れるのだ。


 今日は小中となかった電車通学であるので、意外とウキウキなのである。そんな感情を持ってても、どうせ車内でするのはスマホゲーム一択ではあった。


 そそくさと人と隣にならないドア横の席を確保して、熱心にそれに取り組むだけだった。



 えーと。それでなんだろう。二駅、三駅進んだ所だろう。そこから混んでくるのだけれども、その混み具合が尋常じゃない。


 ああ。めっちゃ混んでいるという訳ではなくて、えっと。女しかいないんだが?

 右を見ても左を見ても女。老婆も高校生も幼児も全て女。


 あーれ?足元全く確認していなかったから女性専用車両でも乗り込んでしまったのだろうか。だとしたらすっごくものすっごく気まずい。これを後一駅分か。


 どうも俺は入学早々やらかしたなあという思いでその一駅分を待った。


 そして、数分後、俺と同じような制服を纏う女の子達と一緒にホームへ踊り出る。こうしても別にどこにも女性専用車両などという表記はない。あら?摩訶不思議だ。摩訶不思議アドベンチャー過ぎる。


 俺がモタモタと駅で彷徨っていると、乗ってきた電車は俺のことなど三百十数円の価値しかないと言わんばかり、流れていった。待ってくれといっても待つことはない。いや、本当に待ってほしい。え、待って?男性専用車両とかなんとか書かれていませんでした?


 俺は随分と衝撃を受けた。まあ。常日頃から確かに女性専用車両だけでは差別になるだろうと思っていた所だ。

 ついに男性専用車両とか作ってくれた訳だな。俺が見ない間世界は進化し続けるのものだな。関心関心。だからこそ普通車に男性がいなかったのか。納得もした。


 さて、一応の世の中の変化をこの目で確認して、俺は駅の階段を登った。

 だとするとどうだろう。


「あ…れ…」


 駅構内。見渡す限り酒池肉林、違う。女ばかり。ああ。それでも男の人はちらほらいるよ。俺がただ誇張表現として言っているだけだし。


 それでもよ。それでもよ。この世界がどうかしてしまったのは一目瞭然。

 俺はどこの異世界の迷い込んだんだ?

 仮定するならば、男女比の崩壊した世界。ウェブ小説で散々擦られまくった作家自身のオナニーのような作品の中に俺が、俺が?まじで?モテチャンス到来?


 いや、いやいや。信じられませんけれどお。どんだけ童貞拗こじらせていると思ってらっしゃっている?こちとら15年女の子と触れ合っていない女の子の存在自体疑っている男やぞ。

 これ。壮大なドッキリとかなんとか言って欲しいのだけれど。でも俺にドッキリしったってリアクションは薄いは、知名度はないは、でお蔵入り映像まっしぐらだぞ。ターゲットにしていたらセンスのかけらもねえ。


 万が一、億が一の可能性にしてその節があったならということで、当たりを見回せど、誰も何もいない。


「なんしてーんの。あの男の子」

「えー。なんしてるんだろうね。出口わからないとかー」

「出口なんて二つしかないのにねーw w w」

「私の穴は二つだよおwww」

「私の穴はanarchy」

 

 通りすがりの女子高生にただ滑稽こっけいな人であると認識された。

 あー。思った通りだ。おいおい通行人の作りこみが甘いぞ?ただの一般人どもじゃん。


 ははは。期待しただけ無駄だった。そろそろドッキリ大成功とかされるんだろう。

 人生そんなものだ。と俺は随分と落胆したまま高校へと向かった。

 入学早々最悪である。

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