挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
殴りマジ?いいえ、ゼロ距離魔法使いです。 作者:夢・風魔

バーション0.00【オープンベータテスト】

しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

9/103

9:マジ、再び勘違いされる。

「俺はケン。見ての通り、剣使いの前衛タイプだ」
「俺も技能は『剣術』だけど、使ってるのは短剣だ。ってことで名前はシフス。AGI前衛型の盗賊系を目指してる」
「俺は槍だ。タンカーを目指してる。VIT先行なんで攻撃力はお察しなんだ。ごめんな。あ、名前はランスな」
「僕はロビン。もちろんロビンフットから取った名前で、弓使いだよ」
「アコです。アコは純支援なので、神聖魔法しか戦闘技能は取ってません。でもでもヒールは任せてくださいっ」
「おぉぉ。支援女子か。ここまでポーション結構使っちまってるから、助かるぜ」
「純ヒラだとレベル上げも大変だろ。よかったらこの後もパーティー組まない?」
「うんうん。協力するよ」
「本当ですか? ありがとうございますっ。『ライト』の魔法も弱くって、ソロだとモンスター一匹倒すのも大変で。パーティーに誘ってもらえて良かったです」

 MO洞窟に入る前、それぞれの名前とメインの戦闘技能を紹介。お互いどの役割になるのか、把握しておくのは大事だよな。
 六人パーティー唯一の女の子であるアコさんは、既に大人気だ。
 うーん、パーティーの需要で考えるなら、支援ってのもよかったなぁ。けど、本人も言ってるように、ソロでのレベル上げ効率は悪そうだ。
 何故かこちらをチラチラ見ているが、同職だとでも思われてんのかな。確かに同じローブ装備だし、同職だと自分の存在需要が危ぶまれるとでも思ってるんだろう。まぁ気持ちは解る。

 自己紹介のトリを飾るのは俺。

「技能は雷を取ってるマジ系の彗星マジックです。すいせいは水性ペンのそれじゃなく、ハレー彗星のほうね」

 神聖魔法も持ってるが、アコさんの為にここは内密にしておこう。

「ハレー彗星の方? でも水性マジックペンがネタなんだろ」
「え? 水属性の魔法は?」

 ……ありません。

「なんで水性マジックなんだよ。噴くわっ」
「え? え? でもでも、可愛い名前だと思います」

 ……可愛いか?

「いやいや、アコちゃんが可愛いから」
「アコさんのいう可愛いって、水性マジックのペンの事なの? それともマジ君の名前のセンスなの?」
「え? ……えーっと、両方!」

 女子のセンスは良く解らない。

「まぁ名前はアレとして――」
「アレってなんだよ」
「雷の属性魔法ってのはなかなか珍しいよな。普通は火属性を真っ先に取りたがるもんだけど」
「だよね。火のほうが何かと便利だし」
「でもさ、ここのクエストに関しては、雷で大当たりじゃね?」
「「うんうん」」

 ふふふ。そうだろうそうだろう。解ってて雷魔法を取ったんだぜ。
 とかは当然嘘だけどな。





「こっちよっ。助けてぇー」
「こっちだー。早く助けてくれー」

 おぉ、生きてる生きてる。しかも最初の位置に戻ってるじゃないか。またここからスタートかよ。
 クエストが再び開始されると、ロビンとアコさん以外が迫り来る蟹の前に立ちはだかる。
 うおぉ。やっぱ前衛職はこうだよな。仲間の後衛を守る為に、身を挺して敵に立ち向かう。
 俺も以前やったゲームではそうだった。AGI型だったからひらりひらひと躱し、結構かっこよかったと思うんだけどな。

「蟹は引き受けるから、ロビンとマジが後ろから攻撃してくれっ。アコちゃんは臨機応変にヒールを頼む」
「はいっ」
「ヒールヘイトには気をつけてね」
「は、はいっ」

 連携か。
 これぞパーティープレイ!
 俺も貢献しねえとな。

「よしっ。行くぜっ」

 まずは防御力も低そうなシフスに援護するべく彼に駆け寄る。
 レベルの低い今だと、AGIだってそんなに高くないだろうし、回避率も雀の涙だ。ここは早々に蟹を片付けないとな。

「え? ちょ、マジ? なんで前に出てんだよ?」
「ふっ。俺の戦い方はこうだからさ。『サンダーッ』」

 甲羅に手を付き、ゼロ距離で魔法が放たれる。
 うーん、ちょっとまだ倒しきれないか。魔法二発で倒せるといっても、こっちは属性の相性がいいからなぁ。
 短剣で数回切り付けてても、ダメージは魔法一発分にも満たない、か。
 やっぱ魔法の火力は半端ねえな。

 蟹の姿勢が俺に向けられたってことは、ダメージヘイトだよな。
 ハサミを振り上げられる前に後ろに回り込もう。その為にも蟹の足が邪魔だ。

「ぼき折って鍋に入れてやろうか?」

 なんて冗談を言いながら、周りこむのに邪魔な足を鷲掴みして――
 掴んだ足がぼきっという音を立てて本当に折れてしまった。

「お、折れたよ……」

 足を握ったまま皆のほうを振り返る。やたらとドン引きされてるんですけど、どうしよう。
 いや、別に本気で鍋にしようとか思ってないからね。
 たまたまさ。そう、たまたま偶然折れてたんだよ。
 ほ、ほら。ひ弱なマジが素手でモンスター倒せたりとか、しないって。

 甲羅を鷲掴み――
 蟹が光の粒子となって消えた。
 そういや、ダメージエフェクト出てたな。このゲームって、自分のダメージは出て、他人のダメージエフェクトは見えない設定なのか?

「うあっ――だよ」
「なぐ――かよ」
「さ――だ――ぎ」
「まぁ属性乗ってるっぽいし、ここでは最強なんじゃ?」
「「それもそうか」」

 なんかぼそぼそ言われてるけど、甲羅を素手で破壊する奴みたらそりゃあ驚くよな。俺も驚いた。
 まぁ既に瀕死だったんだろう。でなきゃ俺みたいなSTR1が素手で鷲掴みした程度で倒せるはずが無い。
 そもそも鷲掴みもダメージ判定があるのか。そういや技能取ってたしな、あれも関係してるのかも?





「かれっしたーっ」
「おつー」
「ソロだとあんだけ苦戦してたのに、パーティーだと案外あっさりだったね」
「そりゃあシークラブを一人で十匹相手にするのと、六人で十匹だと全然違うしなぁ」
「雷マジさん強かったですもんねぇ」

 キラキラした目でアコさんが俺を見つめてくる。
 いやぁ、雷取ってて良かった。

「あの乗客達、なんで洞窟に入ったんだろうな」

 ささやかな問いに、全員が「さぁ?」というような顔で答える。

「ほんと、迷惑だよな」
「まぁこれでギルドに報告すれば、経験値貰えるんだし、いいんじゃないかな?」
「連続クエだったしな。レベル1上がるぐらいくれるといいな」

 じゃあ皆はこのあと、町に戻って報告に向うのかな?
 さっきこのままパーティーでもって話し出てたし、俺はウェルカムだぜ。

 ……ん?
 なんかジェスチャー大会が始まったみたいだな。
 あぁ、ステータス画面を弄ってるのか。
 ステータスだけじゃなく、UIユーザーインターフェイスは他人には見えない仕様だもんな。この辺りはほとんどのVRがそうらしいし、この『IFO』でもそのシステムを採用している。

 シークラブ戦でレベルアップしてるし、俺もステ振りしておくかな。

◆◇◆◇

名前:彗星マジック / 種族:ダークエルフ
レベル:4 / 
Ht:177 / Wt:66

HP:395(395) / MP:1295(1295)
STR:1
VIT:1
DEX:1
AGI:1
INT:46+4
LUK:1

SP:0

【セット技能】
『雷属性魔法:LV4』|(1up) / 『神聖魔法:LV1』
『格闘術:LV2』 / 『敏捷向上:LV2』
『魔力向上:LV4』|(1up) / 『鷲掴み:LV3』|(1up)

【獲得スキル】
『サンダー:LV2』 / 『ヒール:LV1』 / 『ライト:LV1』

IMP:12

【称号】
『少女の勇者』

【装備】
『初心者用ローブ』|(HP+100) / 『初心者用ズボン』|(HP+100)
『初心者用のシューズ』|(HP+20)
『初心者用の杖』

◆◇◆◇


 今はまだINT全振りでいいが、ある程度魔法攻撃力が確保できたら、次は何を上げるかな。
 IMPも10超えたし、新しいスキルを作ってみたいな。これは時間掛かりそうだから、町に戻ってからにするか。

「よし。ステ振り完了っと。皆はこれからどうする?」

 狩りに行くよな?
 行くいく。皆で行こうぜっ。

 そんな返事が返ってくるのを期待して、きっときらきらした目になってるよな、俺。

「あー、いや。他のクエストあるし、俺はここで抜けるわ」
「俺も。ちょっと知り合いに呼ばれたんで」
「すみません、アコも呼ばれましたです」
「ボクは町に戻って観光するんだ」
「俺は……とりあえず抜けるよ」

 あ、あれ?
 ここで解散になってしまうのか……うーむ。残念だ。
 仕方ない。それじゃあ……

「じゃあ解散ってことで。またどこかで縁が合ったらよろしく」

 パーティー解散時の定番セリフだが、本当に縁があったらいいなぁと思いつつ手を振る。

「あ、ああ……じゃ」
「おつさーん」

 五人は揃って岩場を離れていく。
 じゃあ俺は……ボートの残骸を拾ってさっきのNPCの所に持って行くか。
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ