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殴りマジ?いいえ、ゼロ距離魔法使いです。  作者: 夢・風魔
バーション0.00【オープンベータテスト】
9/268

9:マジ、再び勘違いされる。

「俺はケン。見ての通り、剣使いの前衛タイプだ」

「俺も技能は『剣術』だけど、使ってるのは短剣だ。ってことで名前はシフス。AGI前衛型の盗賊系を目指してる」

「俺は槍だ。タンカーを目指してる。VIT先行なんで攻撃力はお察しなんだ。ごめんな。あ、名前はランスな」

「僕はロビン。もちろんロビンフットから取った名前で、弓使いだよ」

「アコです。アコは純支援なので、神聖魔法しか戦闘技能は取ってません。でもでもヒールは任せてくださいっ」

「おぉぉ。支援女子か。ここまでポーション結構使っちまってるから、助かるぜ」

「純ヒラだとレベル上げも大変だろ。よかったらこの後もパーティー組まない?」

「うんうん。協力するよ」

「本当ですか? ありがとうございますっ。『ライト』の魔法も弱くって、ソロだとモンスター一匹倒すのも大変で。パーティーに誘ってもらえて良かったです」


 MO洞窟に入る前、それぞれの名前とメインの戦闘技能を紹介。お互いどの役割になるのか、把握しておくのは大事だよな。

 六人パーティー唯一の女の子であるアコさんは、既に大人気だ。

 うーん、パーティーの需要で考えるなら、支援ってのもよかったなぁ。けど、本人も言ってるように、ソロでのレベル上げ効率は悪そうだ。

 何故かこちらをチラチラ見ているが、同職だとでも思われてんのかな。確かに同じローブ装備だし、同職だと自分の存在需要が危ぶまれるとでも思ってるんだろう。まぁ気持ちは解る。


 自己紹介のトリを飾るのは俺。


「技能は雷を取ってるマジ系の彗星マジックです。すいせいは水性ペンのそれじゃなく、ハレー彗星のほうね」


 神聖魔法も持ってるが、アコさんの為にここは内密にしておこう。


「ハレー彗星の方? でも水性マジックペンがネタなんだろ」

「え? 水属性の魔法は?」


 ……ありません。


「なんで水性マジックなんだよ。噴くわっ」

「え? え? でもでも、可愛い名前だと思います」


 ……可愛いか?


「いやいや、アコちゃんが可愛いから」

「アコさんのいう可愛いって、水性マジックのペンの事なの? それともマジ君の名前のセンスなの?」

「え? ……えーっと、両方!」


 女子のセンスは良く解らない。


「まぁ名前はアレとして――」

「アレってなんだよ」

「雷の属性魔法ってのはなかなか珍しいよな。普通は火属性を真っ先に取りたがるもんだけど」

「だよね。火のほうが何かと便利だし」

「でもさ、ここのクエストに関しては、雷で大当たりじゃね?」

「「うんうん」」


 ふふふ。そうだろうそうだろう。解ってて雷魔法を取ったんだぜ。

 とかは当然嘘だけどな。






「こっちよっ。助けてぇー」

「こっちだー。早く助けてくれー」


 おぉ、生きてる生きてる。しかも最初の位置に戻ってるじゃないか。またここからスタートかよ。

 クエストが再び開始されると、ロビンとアコさん以外が迫り来る蟹の前に立ちはだかる。

 うおぉ。やっぱ前衛職はこうだよな。仲間の後衛を守る為に、身を挺して敵に立ち向かう。

 俺も以前やったゲームではそうだった。AGI型だったからひらりひらひと躱し、結構かっこよかったと思うんだけどな。


「蟹は引き受けるから、ロビンとマジが後ろから攻撃してくれっ。アコちゃんは臨機応変にヒールを頼む」

「はいっ」

「ヒールヘイトには気をつけてね」

「は、はいっ」


 連携か。

 これぞパーティープレイ!

 俺も貢献しねえとな。


「よしっ。行くぜっ」


 まずは防御力も低そうなシフスに援護するべく彼に駆け寄る。

 レベルの低い今だと、AGIだってそんなに高くないだろうし、回避率も雀の涙だ。ここは早々に蟹を片付けないとな。


「え? ちょ、マジ? なんで前に出てんだよ?」

「ふっ。俺の戦い方はこうだからさ。『サンダーッ』」


 甲羅に手を付き、ゼロ距離で魔法が放たれる。

 うーん、ちょっとまだ倒しきれないか。魔法二発で倒せるといっても、こっちは属性の相性がいいからなぁ。

 短剣で数回切り付けてても、ダメージは魔法一発分にも満たない、か。

 やっぱ魔法の火力は半端ねえな。


 蟹の姿勢が俺に向けられたってことは、ダメージヘイトだよな。

 ハサミを振り上げられる前に後ろに回り込もう。その為にも蟹の足が邪魔だ。


「ぼき折って鍋に入れてやろうか?」


 なんて冗談を言いながら、周りこむのに邪魔な足を鷲掴みして――

 掴んだ足がぼきっという音を立てて本当に折れてしまった。


「お、折れたよ……」


 足を握ったまま皆のほうを振り返る。やたらとドン引きされてるんですけど、どうしよう。

 いや、別に本気で鍋にしようとか思ってないからね。

 たまたまさ。そう、たまたま偶然折れてたんだよ。

 ほ、ほら。ひ弱なマジが素手でモンスター倒せたりとか、しないって。


 甲羅を鷲掴み――

 蟹が光の粒子となって消えた。

 そういや、ダメージエフェクト出てたな。このゲームって、自分のダメージは出て、他人のダメージエフェクトは見えない設定なのか?


「うあっ――だよ」

「なぐ――かよ」

「さ――だ――ぎ」

「まぁ属性乗ってるっぽいし、ここでは最強なんじゃ?」

「「それもそうか」」


 なんかぼそぼそ言われてるけど、甲羅を素手で破壊する奴みたらそりゃあ驚くよな。俺も驚いた。

 まぁ既に瀕死だったんだろう。でなきゃ俺みたいなSTR1が素手で鷲掴みした程度で倒せるはずが無い。

 そもそも鷲掴みもダメージ判定があるのか。そういや技能取ってたしな、あれも関係してるのかも?






「かれっしたーっ」

「おつー」

「ソロだとあんだけ苦戦してたのに、パーティーだと案外あっさりだったね」

「そりゃあシークラブを一人で十匹相手にするのと、六人で十匹だと全然違うしなぁ」

「雷マジさん強かったですもんねぇ」


 キラキラした目でアコさんが俺を見つめてくる。

 いやぁ、雷取ってて良かった。


「あの乗客達、なんで洞窟に入ったんだろうな」


 ささやかな問いに、全員が「さぁ?」というような顔で答える。


「ほんと、迷惑だよな」

「まぁこれでギルドに報告すれば、経験値貰えるんだし、いいんじゃないかな?」

「連続クエだったしな。レベル1上がるぐらいくれるといいな」


 じゃあ皆はこのあと、町に戻って報告に向うのかな?

 さっきこのままパーティーでもって話し出てたし、俺はウェルカムだぜ。


 ……ん?

 なんかジェスチャー大会が始まったみたいだな。

 あぁ、ステータス画面を弄ってるのか。

 ステータスだけじゃなく、UIユーザーインターフェイスは他人には見えない仕様だもんな。この辺りはほとんどのVRがそうらしいし、この『IFO』でもそのシステムを採用している。


 シークラブ戦でレベルアップしてるし、俺もステ振りしておくかな。


◆◇◆◇


名前:彗星マジック / 種族:ダークエルフ

レベル:4 / 

Ht:177 / Wt:66


HP:395(395) / MP:1295(1295)

STR:1

VIT:1

DEX:1

AGI:1

INT:46+4

LUK:1


SP:0


【セット技能】

『雷属性魔法:LV4』|(1up) / 『神聖魔法:LV1』

『格闘術:LV2』 / 『敏捷向上:LV2』

『魔力向上:LV4』|(1up) / 『鷲掴み:LV3』|(1up)


【獲得スキル】

『サンダー:LV2』 / 『ヒール:LV1』 / 『ライト:LV1』


IMP:12


【称号】

『少女の勇者』


【装備】

『初心者用ローブ』|(HP+100) / 『初心者用ズボン』|(HP+100)

『初心者用のシューズ』|(HP+20)

『初心者用の杖』


◆◇◆◇



 今はまだINT全振りでいいが、ある程度魔法攻撃力が確保できたら、次は何を上げるかな。

 IMPも10超えたし、新しいスキルを作ってみたいな。これは時間掛かりそうだから、町に戻ってからにするか。


「よし。ステ振り完了っと。皆はこれからどうする?」


 狩りに行くよな?

 行くいく。皆で行こうぜっ。


 そんな返事が返ってくるのを期待して、きっときらきらした目になってるよな、俺。


「あー、いや。他のクエストあるし、俺はここで抜けるわ」

「俺も。ちょっと知り合いに呼ばれたんで」

「すみません、アコも呼ばれましたです」

「ボクは町に戻って観光するんだ」

「俺は……とりあえず抜けるよ」


 あ、あれ?

 ここで解散になってしまうのか……うーむ。残念だ。

 仕方ない。それじゃあ……


「じゃあ解散ってことで。またどこかで縁が合ったらよろしく」


 パーティー解散時の定番セリフだが、本当に縁があったらいいなぁと思いつつ手を振る。


「あ、ああ……じゃ」

「おつさーん」


 五人は揃って岩場を離れていく。

 じゃあ俺は……ボートの残骸を拾ってさっきのNPCの所に持って行くか。

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