9.お外
かなり短めで。
よ~く考えたら、リュカはこの屋敷に連れ去られるように迎えられたので、周りの状況をよく知らなかった。だから、ロランの申し出をありがたく受けることにした。当然な気もする。
「お家王都から離れてたんですね。」
離れているといっても、足で来れない事も無い距離ではあるが。
行商や貴族の馬車が決まった場所にそれぞれ止まる馬車溜りに降り立ちそう言うと、ロランは何も答えてくれない。
ここは、リュカも知らない地区だ。王都は広くて、リュカは平民が暮らす商人街しか知らない。
国は、王都を囲んで放射線状に栄えている。最外は簡易砦があり内に行くほど高級な住まいが立ち並んでいる。少し小高い場所に王城があるため、皆それを基準にして動く。多分ここは南の中央街近く、交易を盛んにしている地域で、主に貴族が買い付けに来る場所だ。
「人通りが多い、迷子にならないように。」
ロランが人の問いかけは無視してそう言った。不機嫌な顔をしていたのが解ったのか、彼は手を出してきた。
「不安なら手をつないでおくか?」
「大丈夫です。(違うわッ!)」
顔は平常心を保った。筈。
日用品買い足しの外歩き。ロランさんの指示ありきだが、なかなかな品が手に入る。しかし、リュカが自分で買うといったのに、ロランさんは勝手にお金を出してしまった。リュカでも買いやすい値の所だといったくせに。
「まだ、そんなに買い込むほど給金は与えてないからな。」
と、そう言ってくれる。なんかずるい。優しいのか、勝手なのか。
「ちょっと、休憩しよう。」
そう言ってまた先に行く。
「おおっ!」
思わず声の出る店構え。
可愛らしいオープンテラスのある店。リュカでも気後れしないで済む女の子に人気のありそうなお茶とケーキの供されるお店だ。
「何してる?」
一度入ってみたかった。と感動していると声をかけられた。
「はいはい。ロランさん今行きます。」
現金な返事にロランさんが首を傾げた。
こんなお店を知ってるなんて、ロランさん意外とやり手ですね。




