エンディング
数日後。王都を望む小高い丘の上。
そこには、私が大金を投じて新しく立て直した、両親の立派な墓石があった。
「お父さん、お母さん。理不尽を強いる奴らは全員叩き潰したよ。もう誰も、私たちのような悲しい思いはしない」
朝焼けの光が、王都の街並みを黄金色に染め上げていく。
侯爵たちの派閥が消滅したことで、長年滞っていた平民による技術革新と自由な商取引が爆発的に進み始めていた。
私たちのシンジケートは巨大な投資銀行へと形を変え、能力ある平民や孤児たちに資金を貸し出し、新たな産業を育てるための心臓部として機能していく予定だ。
「行くぞ、クロエ。シンジケートの連中が、新しい商会の立ち上げパーティーで君を待っている。今日は君が主役だ」
後ろで待っていたノアが、眩しそうに目を細めて私に手を差し出した。
「ええ、すぐに行くわ」
私は前世の冷徹な投資家としての顔でもなく、復讐の鬼でもなく、ただ一人の人間としての温かい笑顔を向け、彼の手をしっかりと握り返した。
私たちがこれから構築するのは、血統や身分ではなく、能力と公正なルールに基づく新たな自由市場だ。
前世で信じられなかった「絆」と「愛」を胸に抱き、私は仲間たちと共に、光の射す新しい時代へと歩み出した。




