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日常VR生活!  作者: 秋白眼
無属性精霊の本領
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いたずら精霊

精霊語を話す時は《》で表示されます。

他者に聞こえる(不特定多数)場合は「《》」で表示しますが、特定の人のみに聞こえる場合《》だけです。

「ふぅ......詳細は聞いたものの、どうするべきかな」


わたしは迷っていた。この調査を続けるか否か......ではなく、どう報告するかを。

外へと出て、夜を待とうと思っていたからラルフ君を探した訳なんだけど......その時に見かけたんだ。

そんな事無いだろ、有り得ないんじゃないか? なんて正当化しようと思ったけど、無理だった。


一縷の希望を掛けて夜中、見回りしてみれば......居た。


《うーん......ここでしゅぼっと! ふぁいあー! やっと付いた。......これで......うん?》


事件の犯人と目が合う。

ゆらゆらふわふわと浮き、燃えるような赤い髪と赤い目をした......口調からして、男の子。


《にんげん? あまり見ない顔だな......? まぁいいや。どうせ僕の事なんか見え......し......あ、火消されちゃう?......仕方ない他の......着けて行こう》


直ぐに目を逸らし飛んでいくけど、途中でわたしに火を消される事に気づいた様。

......ここまで聞いてればなんとなく察する事が出来ると思うけど、 目の前には火精霊。それも言葉を話せるってことは、大精霊。

懲りずに他の場所に行こうとする火精霊を見つつ、水精霊達にさり気なく消してもらう。


正直ここまで目の前で見せつけられてイライラしてる。

何時だと思ってんの? 二時だよ? 丑三つ時ですよ?

MPを消費して魔力を手に纏う。スキル外行動だけど問題なく出来る。スキルは必要の無い行動らしい。もしかしたら精霊だから出来るのかな?


精霊は通常、触れない。体は魔力の塊で出来ていて、まるで幽霊のようになっている。小精霊達も同じ。

幽霊系のモンスターも物理攻撃無効らしいしね。

でもそれが魔力で包まれてる物なら触れられるし、倒せる。ならこの手に纏えば......今わたしの横を通り抜けようとしてるコイツを掴むことが出来る。


「つかまーえた」


《ふぁ!? な、なになに? 何が起こったの!? まさか、にんげんお前みえっきゅああああ!?》


ギリギリと両手で掴んでる顔面に力を入れていく。


「ココ最近の火事は君のせいだよね?」


《な、なんのことかわからなっああああ!? ぼぼ、僕ですぅ! だから離してえええええ!?》


「ダーメ。何でこんな事やったのか言わないと離してあげない。ほーらキリキリ吐いちゃって〜」


《あうあうあー!? 痛い痛い痛い!? 話す!話すから離して!》


ううん......このままだと埒があかない。


「仕方ないな〜......ほら、ちゃんと話を」


《先手必勝! 逃げるが勝ち!》


離した途端に足元から大量の火を撒き散らしながらロケットの様に全力で逃げる火精霊くん。

本当に逃げるとは......


全力でいけば追いつくかもしれないけど......いや、やめておこう。また明日見にきてみよう。

ふぅ、長くなりそうだね。三日しか猶予が無いって......うん? 時計壊れてない? まだあっちで2時間しか経ってない?

昼過ぎくらいに来て、今は3時になった所。合計で12時間以上は経ってるのに2時間しか経ってないのはおかしい......よね?


もしかして、このクエスト中は一日三日の所を引き伸ばされてる? この調子だったら......一週間位まで引き伸ばされてる可能性がある。一応フレンにメールを送って確認を取ろう。




翌日、間借りした部屋で目を覚ます。

メールを開き返信を確認してみれば......


『イベントクエスト中の時間はそのイベント毎に時間が変動する。どのくらい加速されてるかは分からないけど、返信がどうしても遅くなるからイベント中は外部のプレイヤーに頼れない事が殆ど。姉様なら出来るよ。頑張って』


予想が当たったみたいだね。助けは来ない......か。

何が起こるんだろう?





階段を降りて、村長......ラブリさんに報告する為に昨日通されたリビングに入る。


「おはよう、アスカ。よく眠れたかしら?」


テーブルに二人分の食事を並べてから席に促される。

あ、ご飯ってわたしのも用意してくれたんだ。


「うん、遅くまで活動してたから直ぐに眠れたよ」


「早速報告お願いしてもいい?」


「おーけー。とりあえず、今分かってる事はーーーー」




「ご馳走さまでした」


「はい、お粗末様。それにしても......精霊様がね......本当に精霊様だったの?」


精霊様。この世界の住人、主に獣人族と天属は精霊信仰が盛んらしい。

だから精霊は崇める......とまではいかないものの、敬うのが常識らしい。


「間違いないよ。この眼で見れるんだから精霊だよ。それも言葉を話せる大精霊クラス」


下げられる食器を目で追い掛けて、台所に立つラブリさんに向き、背もたれを前にして椅子に座り直し、続ける。


「う〜ん......精霊様が悪戯をするなんて、とてもじゃないけど信じられないわね。何か理由があるんじゃないかしら?」


「......そうかな? 楽しんでる風には見えなかったけど、命令されてやってる様にも見えなかったからね」


「それは......はぁ......アスカも精霊なのよね?」


「気付いたらこの体だからね、精霊なのは認めるけど同族意識みたいのは無いよ。......それよりラブリさんの方からは何か分かったこと無いの?」


「そうね......最近変わった事と言えばここら辺の魔獣が増えてるっていう報告を受け取った位かしら......はぁ、また依頼を貼ってもらわなきゃ」


「大変だね〜.....とりあえず今日も調べてくるね」


「ええ、お願い。無理は、しないでね?」


扉を開けてから、その言葉に手を軽く上げるだけで答えて、作戦を開始する。

精霊について。


精霊は大きく分けて下位、中位、上位の三つに分けられます。そして少し細かくそれぞれ小、中、大精霊に分けられて.....出てきた精霊は後々出てきますが下位の大精霊と位置付けられてます。



これぞイベント空間! ログアウトしてる内にクエスト失敗してました.....なんてならない様にする為の処置です。大体のクリア時間などが計算され引き伸ばす時間が変わる画期的なシステム!

これぞご都合主義。

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