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転生した元魔王様の非日常的な学生生活  作者: haimret
第三章 海だ‼ 孤島だ‼ 異能者だ‼ 後編
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仮面の男の正体

更新しました。

仮面の男との戦闘です。短いですが見ごたえある感じになっていればなと思います。

「――――。――――」


 先程までは何か言っているのか分かっていたのだがもはや今では何を言っているのかは分からない仮面の男の詠唱に馬皇は問いかけた。


「なあ? 1ついいか?」

「何よ? 正直急がないと間に合わないのよ? ちなみにあれ受けたらあんたなら即死ね。即死」


 いざ作業に取り掛かろうとした真央は馬皇の問いかけに邪魔しないでと言う様に言葉に棘をつけて返す。いつの間にか範囲が広がりあと少しで真央たちもその中に入ろうとしていた時である。


「あの光って魔力に反応するんだよな?」

「? ええ。基本的に魔力さえあればどんなものにだって吸収されるわ。生き物には魔力は多かれ少なかれ宿ってるものだし……」


 何を言いたいのか分からない様子で真央は質問に答える。


「ならこんなのはどうだ?」


 馬皇は顔を近づけて真央に何かを言う。すると真央も納得したのかニヤリと笑って言い返した。


「……それだったら試してみる価値はあるかもね。あの光も最後の完成した攻撃魔法を放った後は確か1~2時間くらいしたら効果は切れるはずだし。でもいいの?あれ相当希少よね?」

「大丈夫だ。あれと契約してからかなりの時間が経つが壊れた所は見たことないし仮に壊れてもお前のせいじゃないよ。それにお前がそう言うんだったら問題ないだろ」

「やめなさいよ。恥ずかしい」

「なんでだよ‼」


 馬皇の疑いのないまなざしに真央は顔を逸らす。いきなりの真央の反応に馬皇も思わずツッコミを入れるが反応に困ってしまった。


「まぁ。それはいいとしてそれならさっさと行きなさい‼ 馬皇‼」

「俺はお前の手下じゃねえ‼」


 真央が命令すると馬皇は軽口をたたきながらも行動を開始する。


「クラウ。何度もスマンが今回は囮頼むぜ」

『旦那様のためならばたとえ火の中でも化け物の口の中でも、そして、夜のお布団の中でも‼ ぽっ‼』

「お前の忠誠心は有りがたいが出来れば布団の中は勘弁してくれ……」

『そんなご無体な‼ 今日はたくさん頑張ったんですよ‼ ご褒美‼ ご褒美を所望します‼ 無ければ今日はもう協力いたしません‼』


 駄剣(クラウ)の空気を読まないおねだりに馬皇は溜息をつくと言った。


「仕方ないねぇなあ。無茶な要求以外は聞いてやるよ」

『み・な・ぎ・っ・て・きたぁぁぁ‼ デートや添い寝‼ いやいや、子作りを前提に……ムフフフフ‼』


 不穏な空気を発生させるクラウに馬皇は動揺する。


「本当に無茶な要求だけはすんなよ……」

『……わ、分かってますよ。ええ。私だって良妻を名乗ってますから無茶な要求なんてしませんよ。それにあなたの奥さんとも約束していますからねぇ。ええ』

「本当に無茶すんなよ。って‼ 危ねぇ‼」


 クラウの妙な間に不安になった馬皇は遠い目をして一瞬思考が止まった。しかし、まだ戦闘中だという事を思い出すと直ぐそこには光の雨が迫って来ていた。クラウとのやり取りの間の最中に範囲が拡大していたのか咄嗟に躱し真央の方へ行こうとしていた光をクラウで振り払う。切り払った刀身に光が集まりクラウは炎とは別に光を纏う。


『っちょ‼ 何ですか‼ なんか触れた瞬間に魔力吸われたんですけど‼ 旦那様から頂いた魔力が‼ ってか‼ 私輝いてる‼ 今、輝いてますよ‼』

「話は聞いてただろ。詳しい原理は分からんが魔法の威力を増幅するもんらしいからお前には苦労かけるがこの光の玉の囮になってもらうぞ。攻撃に関しては迎撃せずにすぐに元の空間に戻ってもらうからな」

『……旦那様がそうおっしゃるのであれば。旦那様が心配して下さってる。それだけだけでも私は幸せです。はっ‼ でも、これならばもうちょっと頑張ればより良いご褒美を用意して下さるのでは……。グフフフ』

「さぁて。あいつに当たらないようにさっさと数減らすか‼」


 最初は渋々であったクラウが妄想を膨らませる中でよりヤバい方向に向かっているの見て見なかったフリをする。


『さぁ‼ どんどんかかってきなさい‼ このクラウ様が旦那様と共にお相手いたしましょう‼』


 やる気満々な声と共に炎は煌々と燃え広がって天体となった星の光を一気に取り込んでいく。


「っく‼ やっぱ結構魔力喰うな‼」


 すさまじい勢いで魔力を吸われていく馬皇は真央の視界を遮らないように炎を纏ったクラウを使って時には切り伏せ時には炎の壁を作り出してまとめて吸収される。


「気が滅入るな。こりゃ……」


 一向に減る気配のない星の光を相手にして馬皇はつぶやき動き続けた。極度に張りつめた空気の中でどれくらいの時間がったのだろうか。短い時間かもしれないが後ろにいる真央を守りながらという条件は馬皇にとってはとてつもなく長く感じられた。


「待たせたわね」

「やっとか‼」


 真央の言葉に馬皇はすぐさま反応する。


「突き抜けなさい‼」


 指先に集めた魔力をピストルのように仮面の男の方へと突きつけると魔力の弾はまっすぐに男の方へと走り出す。その途中で光の玉に触れそうになるが「おっと危ねえ」と馬皇が触れる前にクラウで払う。そしてそのままクラウを地面に刺した。


『旦那様のために‼ 行きますよ~‼』


 気合の入ったクラウの声と同時に炎が仮面の男へと向かって走る。そして、男の前で爆発した。その衝撃によってつくられた空間の壁が崩れる。馬皇はクラウを引き抜くと全速力で炎の道を駆け出した。


「行くぜ‼ 喰らえぇぇぇぇぇぇ‼」


 炎の道を駆け抜けて馬皇は仮面の男に拳を振った。


「カタストロフ」


 仮面の男も今この瞬間に完成したのか凝縮したエネルギーの塊を馬皇が殴るの当時に放つ。馬皇の振り上げられた拳と光の塊がぶつかり合う。馬皇に触れた瞬間に相手の光の塊が大きく膨れ上がるが馬皇は雄たけびを上げた。


「っ‼ うおおおぉぉぉぉぉ‼」


 その雄叫びと同時に馬皇が殴りかかった手と逆に持ったクラウの刀身から炎がすさまじい速度で広がり連鎖的に爆発を起こす。それははた目から見たら炎の翼が羽ばたいているかのようでもあった。馬皇はそれによって生まれた推進力を光の塊すらも貫き仮面の男の顔へと突き刺さった。


 仮面の男は錐もみするように殴り飛ばされ観客席に大きなクレーターを作り出した。


「ちょっと吹っ飛ばしすぎよ‼」

「仕方ねぇだろ‼ こっちも必死だったんだよ‼」


 吹き飛ばしすぎだということを真央は馬皇に抗議する。馬皇も完成された魔法を至近距離で受けたために全力で力が抜けなかったのだ。そんな中でも言い争っていると仮面の男は足がふらついてはいるがゆっくりと立ち上がる。


「……タフね」

「……だな」


 馬皇と真央はあれを受けて立ち上がった男に驚嘆する。そして、崩していた戦闘状態をすぐに元に戻して構える。


「……」


 仮面の男は無言のまま馬皇たちを見る。お互いににらみ合っている最中変化は起こった。仮面は音を立ててヒビが入る。そして、そのヒビは音と共に広がっていき仮面は砕け散った。


「……やっぱり」

「マジかよ……」

「…………」


 真央は予想はしていたのか苦味無を噛む潰した顔で仮面の男を見る。その相手は表情を消したまま馬皇たちを見つめている。


「なにをやってるの‼ ケイスケ‼」

「…………」

「答えなさいよ‼」


 真央は名前を叫ぶがケイスケはしゃべらない。ケイスケは服の中から無造作に通信機を取り出すと通信機に向かってしゃべりだす。


「敵勢力の足止め任務完了。実験動物の死亡も確認した。これより帰投する」

「早く答えなさい‼」


 仮面の男。真央の側近のはずであったケイスケは真央と馬皇から背を向ける。ケイスケは一瞬のうちに消え去り真央の叫び声だけが木霊した。

仮面の男の正体はあの時あったケイスケだった。呆然としている間に屋久島たちがいる組織WCAは撤退して異能者たちの存在を世界に公表された。そして、異能者を作り出す謎の薬の事も。とんでもないことが起きているはずなのにケイスケのことが頭によぎって何も思い浮かばないわ。裏切られることになるなんて……。私はどうしたらいいの‼ 誰を何を信じればいいの‼

次回「エピローグ 真央の選択」


次回予告風の練習です。あまり関係なかったりすることもあるので読み流すくらいで大丈夫です。

いつも読んで下さりありがとうございます。

感想、批評、指摘、ブックマークしてくれるとうれしいです。

これからもよろしくお願いします。

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