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転生した元魔王様の非日常的な学生生活  作者: haimret
第二章 異世界からの来訪者
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帰宅 馬皇

なかなか、書くのが進まない……

 公園での会話が終わった後馬皇たちは何事もなく家に帰宅した。


「ただいま~」

「お帰り」


 馬皇の声が聞こえたのか台所から母である負毛アリアの声がした。お菓子を作っている最中なのか甘い匂いがした。2人は靴を脱ぎリビングへと向かう。リビングに着くと後は焼きあがるのを待つだけなのか洗い物をしていた。


 サライラと一緒にリビングに入ると馬皇の母である負毛アリアは少し驚いた顔をするがいつものようにニコニコとしたまま出迎えた。


「あらあら。馬皇ちゃんも隅に置けないわねぇ。この前とは違う女の子連れてきて。モテ期なのかしら」


 アリアの笑顔は変わらないが周囲の温度は下がった気がした。馬皇は慌てて母の言葉を否定する。


「いや、母さんは何言ってるんだ‼ こいつは少し事情があって連れて帰って来たんだ」

「そう。いつから息子は誘拐なんて犯罪を犯してきたのかしら」


 アリアはお怒りのようで馬皇は焦っていた。笑顔なのに圧迫感がすごい。サライラはというと丁寧に馬皇の母であるアリアに挨拶し始めた。


「お義母様。初めまして。馬皇様の妻のサライラと申します」

「お前も何言っちゃってんの‼ 違うからな‼ そういう関係じゃないからな‼ 娘だからな‼」


 サライラもサライラなのだが、気づいてないのか馬皇も似たレベルのことを言っていた。アリアは馬皇に対して心配そうな顔をする。アリアはサライラの方に顔を向けて聞いた。


「そうなの。最近の子は進んでいるのね。サライラちゃん。馬皇ちゃんのどこに惚れたの?」

「それは、その……。いつも私のわがままを聞いてくれたんです。その私のことを大事にしてくれて……」

「うんうん。分かるわ‼ その気持ち‼ 私もお父さんっていても分かりづらいから旦那様のさりげない気づかいや優しさに触れてここまで着いてきて結婚したんだから」


 サライラの思いをアリアは自分と旦那様の関係似ていると感じたのだろう。特に、好きな人に会うために異世界を渡ってきたというところが自分と似ていて話に食いついていた。


「そうなんですか‼ あの? これからもお義母様と呼んでも?」


 サライラはアリアのことを尊敬した、思い人のためにここまで行動できることに。サライラの中で彼女は馬皇の次くらいにすごい人だと目を輝かせた。


 その眼差しが気持ちいいのかアリアも機嫌よく言った。


「いいわ。馬皇ちゃんをよろしくね。最近はモテてる感じだから気を付けるのよ」

「はいっ‼ お義母様‼ 敵はサーチ・アンド・デストロイ」

「そう‼ 絶対に奪われないようにね」


 元気よく返事をするサライラ。アリアもノリノリで答える。


「おかしい……。なんか話をする前に別の話が進んでる」


 別の方向で身の危険を感じる馬皇。ひと段落ついたのかアリアは息子の方に顔を向ける。


「それで、馬皇ちゃんこの娘を連れてきた理由は?」

「だから、ちゃん付けは止めてって言っただろ」

「いやよ。理由があったのよね」


 いつものやり取りが繰り返される親子の会話である。アリアが理由を聞くと馬皇は皮肉気味に答えた。


「ああ。サライラと母さんが2人して別の話に盛り上がってたけどな」

「あら? さびしかったの? いいじゃない。未来のお嫁さん候補なんだから」

「いや……。違うからな、母さん」


 とりあえず、否定する馬皇。


「いやん」


 アリアの発言にサライラはクネクネと動いて馬皇に抱き着く。


「なんか、どんどん泥沼にはまっているような気がするが……。だから違うって‼ 真面目な話だよ‼」


 サライラを優しく引きはがして、馬皇はアリアに突っ込みを入れる。


「それでどんな話? この娘が馬皇ちゃんの前世の娘で馬皇ちゃんのことが大好きすぎるファザコンで転生した馬皇ちゃんを見つけたからわざわざここまで来た。だから、家に住ませてもいいかって話以外で」


 言おうとしたことほとんどを先回りして言われる馬皇。もはや、未来予知に近いレベルである。思わず馬皇は言った。


「ほとんど知ってる‼ ってか、なんで知ってんの‼」

「お母さんが知っているのはお父さんの事と馬皇ちゃんの事だけよ」


 アリアはウインクをして馬皇に言った。


「もはや、超能力だろ‼」


 父と馬皇の事なら何でも分かるという風な言い方に馬皇は再度突っ込みを入れた。アリアは先程と打って変わって真剣な顔をして馬皇に言った。


「それで馬皇ちゃんはこの娘を家に置いておきたいのね」

「ああ」


 元からそのつもりだったのか、真剣な表情をして馬皇も答える。


「面倒はきちんと見るのよ」


 アリアはあっさりと許可を出した。そのことについて馬皇は聞いた。


「いいのか?」

「いいのよ。あなたは言ったことにきちんと責任を持てる子だから。せっかくこんな馬皇ちゃんに好意を抱いてくれている娘だもん。その思いを無下にしたくはないわ。それに、実は娘も欲しかったのよねぇ」


 さらっとアリアは最後に本音が漏らす。


「そっちが本音か‼」

「あら、ヤダ‼ もちろん馬皇ちゃんも愛しているわよ」


 アリアは馬皇を抱き抱える。


「離れてくれ‼ 暑苦しい」


 必死に引きはがそうとするがアリアをはがせない馬皇。サライラに助けを求めようとするがアリアに先回りされた。


「だ~め。ほら、サライラちゃんも」


 アリアはサライラを呼ぶ。こっちに来て一緒に馬皇を抱きましょうと。サライラは嬉しそうな笑顔で言って一緒に抱き着き始めた。


「私もですか? えへへ……」


 勢いよくサライラが抱き着いてきた。身長差があるせいか2人を支える感じになる馬皇。


 そのせいかアリアの腕が馬皇の首を絞める。


「ちょっ‼ ぶっ‼」


 馬皇は2人を支える。馬皇は喋ることが出来ない。更に、首が閉まって息が出来なくなる。首にかかった手をタップするが喜びで気が付いていないのか力は強くなる一方である。


 そしてそのまま馬皇の視界は暗くなった。

次回は真央編

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