三章第六話 パワー・パワー・パワー
「ここが最初の町、『スターヌ』です。ポンプさんは来るの初めてですか?」
「いや、一回だけ来たよー。でも、ここまで荒れてた気はしないんだけどなあ」
ナチュア、ポンプ、ラムネは最初の町『スターヌ』に辿り着く。しかし、そこは木が枯れ果て、地面がデコボコで、道も抉れていた。
「えー?これ本当に町?ウチはもう少し、質素だけどザ・村みたいなの考えてたんだけど」
「いやぁ。昔はもうちょいお嬢の想像してる感じだったけどなぁ。隕石でも落ちたのかな?」
「こんなときは『取材』ですよ!つうことで行ってきまーす!クソ勇者とポンプさんはそこらへんでソーラン節でも踊っといてくださーい!」
ラムネが満面の笑みを浮かべ、新聞記事にするため四方八方に右往左往した。ナチュアとポンプは呆れながらそれを見ている。
「なんていうか、マジこれ何があったのって感じなんだけど」
「知らない。魔王かなんかがしたんじゃあないかな?」
「そうなると近くに魔王がいる可能性があったりなかったり…。あったら不意打ちで潰せば…」
「こわー。お嬢こわー。」
すると家の影から人影がふらりと現れた。ナチュアとポンプはそれに気づくとすぐにそちらを警戒した。ナチュアはヨーヨーをいつでも構えて放てるようにしている。
「そこから動いたり動かなかったりしたら潰すよ!」
「どっちだよ!」
人影は動かない。いや。動かないんじゃあない、すでに動いているのだった。いつのまにかナチュアの背後に立っていた。遅れて衝撃波が来る。ナチュアは圧力で衝撃波を押し返し、ポンプは躱した。そいつはこちらに話しかけてきた。
「オマエ、ナニモノ、ダ」
「しがない一般勇者よ。動いたから潰すわ!」
ソイツの頭に圧力を加えて破壊しようとした。しかし、力が加わっているのにも関わらず、こちらに向かって頭をぶつけに来た。
「オマエコロスオマエコロスオマエコロスオマエコロス」
「お嬢躱して!『フォーユー・レクイエム』!」
白銀の翼からオーラを放ち、それに触れたモノは魂が崩壊し石化していく。しかし、ソイツは寸前のところで躱した。ポンプの背後に立つ。
「オマエコロスオマエコロスオマエコロスオマエコロスオマエコロス」
「マジになんだコイツッ!無敵かッ!?」
「ポンプ!良い感じに防いで!!『圧力砲』!!!」
局所に高圧区域と低圧区域を作り、圧倒的な強風を作る。その強風は全てを削り、破壊していく。高圧区域すら低圧区域に向かい、それに触れれば最後、破壊エネルギーで潰されるのだ!
しかしソイツはその破壊エネルギーすら半身破壊で済ませた。すぐに半身が復活していく。
「ホントに何コイツッ!?折角作った新技がッ!」
「分かんない!私もこんな魔物聞いたことない!それに、奴の身体再生も、身体強度も、魔力が感じられない!シンプルな生物としてのパワーだ!奴は生物として私達を凌駕しているッ!」
「じゃあもう!加減なしで行くよッ!」
圧力を四方八方から加えてソイツを圧縮し始めた。しかし対抗している。内側から耐えているッ!物理的な方法で!ソイツを倒すことはできないッ!
「『フォーユー・レクイエム』ッ!効いて頂戴ッ!!」
ソイツの魂に触れて崩壊させようとする。しかし、魂の強度が高すぎる。崩壊はし始めているが完全崩壊させるには時間がかかりすぎるのだ。
「やはりコイツッ!無敵だッ!生物としての格が違うッ!お嬢!逃げるよッ!私らじゃあコイツに勝てないッ!」
「クソッ!覚えてなさいよー!!」
ナチュアとポンプはすたこらさっさと逃げた。ソイツは追いかけてこなかった。まるで土地神のような、地縛霊のような、異質な存在だった。
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「あれ?クソ勇者とポンプさんじゃあありませんか!2人でいるのが怖くなって探しにきたんですかー?愚かですね」
ラムネは会ってそうそうそんなことを自信満々に言った。きっと、『ヤツ』をまだ見ていないのだと、ナチュアとポンプは察した。
「そんなことより、早く次の町行かない?気味悪いよここの村。ウチ、マジこういう辛気臭い場所嫌いなんだけど」
「そんなことって何ですかッ!?」
「早く出るのは本当にアリ。ここは良くないよ。ラムネも別に『取材』することないでしょ」
「むむむ…。そうですが、。」
ラムネは、異様な雰囲気に呑まれて、諦めることにした。しかし、ナチュアとポンプが見たモノをどうにかしてみたいと、考えていたッ!
「はい。それじゃあ次の町へ行きましょうか。『Seen Simply Shots』!」
可動式ショットを使い、ナチュアとポンプが走ってきた道を辿り、『ヤツ』の姿を見つけて撮った。
「やった、撮りましたッ!」
「オマエコロスオマエコロスオマエコロス」
いつのまにか『ヤツ』はラムネの背後に立っていた。腕をラムネの頭に振り下ろそうとしている。ポンプが叫んだ!
「ラムネッ!その写真を放せッ!」
「確かにこのままではまずいですね。しかし、ラムネの前で物理攻撃とは、命知らずですね」
写真の『ヤツ』の腕をハサミで切った。すると『ヤツ』本当の腕も切れた。しかし、すぐにぐにょーんと再生した。
「な!?」
「ラムネしゃがんで!」
ナチュアは圧力を使ってエレベーターのように『ヤツ』を打ち上げた。宇宙へと、どんどん上がって行っている。
「花火のように儚く散れ!」
『ヤツ』は宇宙へと辿りついた。以前死ぬ事はないが、この世界に戻ってくる事も、決してないッ!
「それじゃあ、次の町へ向かおっか!」




