11ー2
僕はその言葉に押し黙った。
そうだ。丸山さんがここにいるんだ。カエラちゃんが白な訳がない。
どうする?陽希は返してほしい、だけど石も渡したくない。
「兄ちゃんっ!!」
頭を打つような衝撃がした。
今まで考えていたことがどうでも良くなった。
僕は声が聞こえた方を急いで見る。
「陽希っ!!」
そこには確かに陽希がいた。
陽希は僕の方へと駆け寄ってくると抱きつき、糸が切れたように泣き出した。
ごめんな…怖かったよな。
僕は陽希の頭をそっと撫でた。
ーー
「良かったぁ。渡す前で!」
その女は陽希の後ろから歩いてきた。髪はロングでふんわりとして、ピンクのメッシュがはいっている。全体的にギャルで姉御感のある女性だ。
そんな彼女に対して浅草はジトーとした視線を送って言う。
「セレナ…」
その続きは言わずとも「後で分ってるよね」と浅草が怒っていることが彼女…セレナには伝わった。
そして、それを誤魔化すようにセレナは話しきりだした。
「そうそう!!マル!陽希くんとは監禁されていた部屋じゃなくて廊下であったんだよ?すごいくない?」
「…そんなことあるの?」
呆れながらマルは返答をした。
あそこの設備が初めてあの場所に入って間もない子どもに解けるとは思えない。
「本当よ!信じて!マル!!」
そんな浅草とセレナの会話を呆然と丸山は聞いていた。
そして、一人呟いた。
「なんで…」
なんで、と言ったその言語はもう日本語ではなかった。
その声に気付いた彼女等は同時に丸山の方を向いた。
丸山にとって陽希がここにいることに対してはまだ良かった。問題なのは、
「セレナ、あなた、こんなところで何してるの?」
彼女がいた事。
それが一番信じられない事だった。
遅くなりました。本当にすいません。




