3ー2
あけましておめでとうございます。
ーぐうぅぅぅう
僕の腹が盛大に鳴った。
電車の中で弁当を食べようとしたら、「友達とお店やさんごっこしてみんな食べたっ!!」と陽希に笑顔でサラッと言われた。
つまり僕は朝から何も食べていない。
今、目の前にホクホクと湯気を立てるおいしそうな飯を見て、我慢していた腹の音も耐えられなくなったんだろう。
僕は陽希になめられてるんじゃないだろうか?
結局あの後、母さんには怒られるし、仕事から早めに家に帰っていた父さんには元気でいいなぁと笑われるし、ほんとろくなことが無い。
食卓で今日の出来事を楽しそうに話す陽希の横顔を見ながら僕はため息をついた。
家族がその話を微笑ましく聞いているため、あまり母さんからのおとがめは無さそうだ。そこは陽希に感謝しないといけない…いや…やはり納得できない…。
僕は肘をついてその光景をムスッとした顔で見ていた。
陽希の話を聞き終えた後、母さんはそう言えば…と言い出した。
「宇宙人は見つかった?」と。
「「「宇宙人?」」」
陽希と僕、父さんの声がハモった。
「お前ら宇宙人を探しに行ってたのか。」
そのことを聞き、ニタァと笑みを浮かべた父は「お父さんも小さい時はなぁ…」と今にも喜々として思い出話を語りだしそうだ。
陽希と僕は顔を見渡せる。
陽希は「へ?」という顔をしている。多分僕もそうかもしれない。
しばらく二人の間で沈黙が続く…そして、
「「宇宙人っ!!」」
二人で顔を見合わせたまま「あっ!!」と声をあげ立ち上がった。その様子を見た両親二人は驚き固まっている。
「そうだよっ!宇宙人っ!!」
陽希が目を輝かせて僕に言う。
「だよなっ!!いたよなっ!」
僕も子どもの様にはしゃぐ。
その様子を取り残された両親は見ている。
「なんだ?」
父さんは怪訝そうな顔をして母さんに問う。
「さぁっ?きっと二人にしかわからない話よ。」
母さんはそう言って微笑んだ。
父さんもずっと楽しそうに話し続ける息子たちをジーと見つめ、「そうなのかもしれないな。」と微笑んでいた。




