第三章 証
会える時は、毎日のように会って…
どこにでも、ある普通の恋愛をしてた。
それだけで、今はとっても、幸せだった。
この幸せがいつまでも続きますように。
「ゴメン―遅れた。」
「15分遅刻だぞ!!」
「ゴメン↓↓」
お詫びの印にりかこから、健にキスをした。
「許してくれた―??」
「仕方ないなぁ―」
今日は、日曜日…朝から、健とデート!!
でも、行く場所は健しか知らない。
「健〜どこ行くの??」
「内緒!!」
「じゃあ、何をする所??」
「ん―内緒!!」
「もう良いもん!!」
新幹線に乗って、りかこが寝ている間に着いた場所は、
湘南の海
「わぁ―海だ―」
「気持ちいいなぁ」
「うん。でも、11月だから…まだ、水冷たい。」
「当たり前や!!来たくなかったかぁー??」
「ここには、利佳子と健しか…居ないんだょ。
利佳子とっても、嬉しい!!」
砂浜に座っている健の隣に座った。
健が砂浜寝っころがった…。
健の腕に頭をのせて、二人で空を見上げる。
「空きれい」
「だな!!」
「喧嘩しても、2人でここに来て、仲直りしようね」
「おぅ!!約束な」
「うん。約束」
「あっ!!そうだ!!手出して」
「はい」
「目閉じて、絶対開けんなよ」
「うん。分かった」
ゆっくり目を閉じた。
健が手の上に、何かを置いた。
「目開けてもいい―??」
「えぇよ!!コレな―プレゼントや!!」
「えっ!!プレゼント??」
手のあったのは…指輪だった。
「俺の彼女の印や」
泣きそうになった。悲しいからじゃない…。
とっても、とっても、嬉しかったから…。
「泣いてんのか??」
「泣いてないし!!」
「嘘や!!」
「だって…。け…んが…指輪…な…んて…くれる…と思わ…なかっ…たもん…」
健の優しさに泣いてしまった。
「健…ありがとう…ね」
「おぅ!!」
「じゃあ、そろそろ帰るか!!」
「また2人で来ようね!!」
「約束な」
「うん!!」
手をつないで、駅に向かった…。
電車に揺られながら、今日のことそして、健のことを考えていた。
りかこの右手には、たった今もらった指輪が光っている。
健が大好き。
こんなにも、誰かの事を好きになったのは…初めて。
初恋。
渋谷駅に着いたのは6時ぐらいだった。
「俺は今から…たまり場行くけど、一緒に行くか??」
今日は塾もないし、適当に理由を付ければ、親もごまかせる。
「行く↑↑」
たまり場に行くのは、これで、三回目だ。
ピンポーン
「はいょ―今、開ける!!」
いつもの祐の声だ。
「りかこと祐で〜す」
「よっ!!」
「見てみて―!!」
手を広げて、自慢げに指輪を見せた。
「健からもらったの―↑↑」
「良かったなぁ―」
祐がうやらましそうに言った。
「こんばんは」
中に入って、みんなに挨拶をする。初めは喋れなかったけど、今はとっても仲がいい。
「りかこじゃん!!」
「みんな見て―健から指輪をもらいました!!」
「安もんだけどな↓↓」
「すげぇ―!!」
「よっし!!二人の記念日ということで、乾杯でもするか??」
「うん」
「「乾杯」」
あの日、酔ってみんなに迷惑をかけちゃってから…。
みんなと飲む時は、一人だけ、ジュースにしている。それに、健とも約束したから…。
「ねぇーねぇー今度みんなで遊びたい―!!」
「あ―そうやなぁ―俺らもたまには外に出なきゃな!!」
そう言って、賛成してくれたのは、海斗だ。
「りかこの提案なら、俺はOK」
健は、もちろん賛成してくれた。
みんなも賛成してくれて、
今度の日曜日に読売ランドに行くことになった。
日曜日の朝。
みんながハチ公前に集まった、
遅刻は祐と優雅と智毅と隆だった。
電車を2回ぐらい、乗り換えて読売ランドに着いた。
みんなで乗ったのは一番怖いジェットコースタだけだった…。
それでも、みんなで過ごした、時間はとっても、楽しかった。
歩いていると、パンジージャンプがあった。
「じゃんけんで負けた、3人が上から飛ぼうぜ」
そんな提案をしたのは、盛り上げ役の優雅だった…。
「やろうぜ!!」
みんながのった。
「じゃあ、いくぞ―」
と、海斗が言った。
結局、負けたのは、言い出しっぺの優雅と、健と、海斗だった。
「大丈夫??」
健が、心配だった。
さっき、ジェットコースターに乗った時に何となく、
無理していたような気がしたから…。
「当たり前だろ!!ちゃんと見とけょ」
「頑張ってね」
3人が上に上がった。
最初に飛び降りるのは、優雅だ。
「行くぞ―」
大きい声で叫んで、かっこよく飛び降りた。
「すごぃ―」
思わず、声に出てしまった。
2番目は、海斗だ。
海斗はみんなに「見とけよ」って、言って…。すぐに飛び降りた。
3番目は、健だ。
「健先輩大丈夫かなぁ、確か、パンジージャンプとか、そういうの無理じゃなかったけ―??」
下で見ていた龍雅が言った。
「えっ!!そうなの??」
どうしよう―??
さっきは、大丈夫とか言って、大丈夫じゃないじゃん!!
「健〜頑張れ〜!!」
頑張れ!!頑張れ!!心のなかで何回も何回も繰り返した。
「りかこのこと好きや〜」
健が飛び降りた。
とっても、とっても、かっこ良かったよ。
3人が下に降りて来た。
「け〜ん」
健に飛びついた。
「ちゃんと、見てたか??」
「うん。かっこ良かったよ」
「あー緊張したから…お腹すいたゎ」
「俺も―」
お昼時だし、近くにあったラーメン屋でご飯を食べた。
「8時やで!!大丈夫かぁ??」
健が時計を見ながら、言った。
今日も塾ないし、適当に親に理由を付ければ、余裕だった。
でも、遅くなって、グチグチ言われるのが、面倒くさかった。
「大丈夫だょ。でも、8時かぁ〜じゃあ、ご飯食べたら、帰ろっかなぁ〜??」
「じゃあ、送るわ」
「サンキュー」
ご飯も食べ終わり、みんなはまた、たまり場に戻るらしい。
「じゃあなぁ!!」
りかこ達はみんなと違う方面だった。
「バイバーイ」
「今日楽しかったね」
「おぅ」
「今度は、ディズニーランドに行きたい」
「お姫様は大変だなぁ」
「そんな事ないし」
そんな話をしながら、家まで送ってくれた。
「ありがとうね」
「じゃあな」
世界中のみんながりかこの敵になっても、健だけは、りかこの見方だから…。
いつまでも、いつまでも、そう思って居たかった。