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護衛戦

  扉の向こうにあったのは何も無い部屋、体育館ぐらいの広さの真っ白な部屋だった。

  神守さんの父さんは戦いを見るために上に上がった。

  正しくは浮いたのだが。

「カウントダウンを開始します」

  どこからかアナウンスが流れてカウントを始めた。



「3……2……1……開始」

  合図と同時に兄弟が左右に、神守さんは俺を抱えて後ろにそれぞれ凄まじい速さで動いた。

「しばらくお待ち下さい」


  神守さんは俺を降ろして両手で棍棒を構える

  右から来た光希の槍を簡単に弾いて左から来た夜希の鎌を受ける。

  夜希と押し合ってる間に後ろから突き出された槍を見ずにしゃがんでよけてバックステップをとる。


  二人を相手にしても互角な神守さん、神守兄弟からは疲れが見え始めた。


  夜希がいきなり鎌を捨ててどこからか棍棒を出した、神守さんのより相当大きい。

  両手で思いっきり振り下ろされたそれを神守さんが膝をつきながら受け止める、しかし光希を気にする余裕はあるようで目だけで周りを確認している。


  その時、光希が神守さんの後ろの方に現れた、槍を構えて凄いスピードで……

  こっちに向かってきた

「なっ……」

「奏樹様!!」

  神守さんが叫んだ声を聞いて光希が笑いながら

「甘いよ姉ちゃん! これは護衛戦なんだからしっかり守らなきゃ!」

  反射てきに避けようとしたが光希の槍は俺の横腹を的確に捉えた。

「ぐがぁ」

  そのまま壁に叩きつけられて肺の空気が抜ける、槍が刺さってる所がとてつもなく痛い。

  そんな俺の姿を舐め回すように見た光希は槍を抜いて俺の首元に向けて……横に吹っ飛んだ。


  神守さんが投げた棍棒が命中したのだ。

  神守さんが駆け寄って来て

「奏樹様! すいません……私が不甲斐ないばかりに……」

  そんな俺達の様子をみて神守さんの父さんが口を開く

「ご子息行動不能により、この試合は」

  そこ声を掻き消すような大声で俺は叫んだ。

「行動不能じゃねぇ!!」

  腹の痛みを堪えて俺は立ち上がって無理に笑顔をつくる

「俺はなんともねぇ、少し腹の調子がおかしいだけだ!」

「そ……奏樹様」

  弱々しい声を出す神守さんに笑みを見せる

「俺は神守さんといたいんだ、これぐらいなんともねぇ」


  神守さんの父さんは少し口を閉じて

「いいだろう、ご子息を健康体とみなす、続行しろ」

  その言葉と共に俺は膝から崩れ落ちた。

  しかし俺は一言を忘れない

「腹が痛いな……牛乳を飲みすぎたかな」

 

  仰向けに倒れた俺の頬に涙が落ちる。

  神守さんは肩を震わせて

「すみません……ありがとう」

  始めて俺に対して敬語をやめて呟いた。

「大丈夫だから、頑張って」

「…………はい」


  遠くにいた夜希が溜息をつく

「別れの挨拶は終わった? まあいいや、光希!」

「わかってるよ夜希」

  これまた遠くにいた光希が投げられた棍棒を拾った、二人は棍棒を構えてそれぞれ逆方向に走り出した、挟みうちにするのだろう。


  神守さんは立ち上がって二人を見る、どんな表情なのかは見えないが肩を震わせている。

  次に発した言葉でその仕草がさっき俺に見せたものとは違う感情の物だとわかった。


「よくも……よくも奏樹様を!」

  どこからか出したのは棍棒ではなく鎌、体と魂を分離する白銀の鎌、時止だった。


 神守さんがそれを構えた瞬間、兄弟の表情が見るからに強張った。


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