神守兄弟
「父上、ただいま戻りました」
「……報告が足らん」
神守さんは今までに無い真剣な目つきで
「任務は終わっていませんので報告すべき事はありません」
「……ほう」
「私はまだ奏樹様……閻魔大王代理ご子息の護衛を続けます」
「続けたいじゃなく続けると……偉くなったものだな」
張り詰めた空気に怖気付いていた俺はなんとか声を絞り出す
「俺のせいです、神守さんに休息を命じたのは俺です、この怪我は俺の過失です」
「閻魔大王代理子息といえど口出しは無用……しかし子息に非があったという事実は認めよう」
「はい、俺の過失です」
神守さんの父さんは顎を撫でて
「如何なる状態であろうと護衛するのが守鬼の仕事だ、それが出来ない事が今回で証明されたはずだ」
「じゃあ今一度証明したらどうだい? 笹江姉ちゃん」
扉を開けて入ってきたのはツンツン頭の双角と肩まであるロングヘアの単角の二人組の鬼だった。
「……夜希、光希」
二人の鬼を見て俺は神守さんに聞く
「弟?」
「はい、双角が夜希で単角が光希で双子の弟です」
神守さんの紹介が終わったのを見計らい夜希が神守さんの父さんに向かって
「父さん、姉ちゃんにチャンスをあげてはどうですか?」
「……チャンスか」
夜希の言葉を聞いた俺は喜んで神守さんを見た、しかし神守さんは二人の弟を睨んで
「二人の言う事を良いように捉えてはいけません、二人が私に有利な事を言う筈がありません」
「ひどいや姉ちゃん」
不満気にぼやく光希に神守さんの父さんが話かける
「夜希、行希……考えがあるのだろう」
行希は得意気に
「守鬼としての力を試すにはやっぱり護衛ですよ父さん」
「ほう……護衛か、方法は考えてるか」
「もちろんです、閻魔大王代理御子息の護衛です」
夜希が言葉をつなぐ
「僕達二人が御子息を倒しにいきます、姉ちゃんが守り切れたら守鬼を続ける、もしも僕達が勝ったら」
二人の兄弟はイタズラな笑みで声を揃えて言った
「僕達二人が御子息の護衛をします」




