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日本を未来へと導く者 ~陸上自衛官、江戸に立つ  作者: はぐれ火星人
江戸、成り上がりの章

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20/89

念願の寝床完成!

翌朝、7時には江戸川に着いた。集まった職人たちに、本日老中の秋元氏が来られることを説明する。


皆には、「それに影響されることなく、普段通り安全に気をつけながら作業して欲しい」と告げた。

幹部組も揃い、本日の幹部棟建設の段取りを確認し、作業割り当てを振り分ける。翔馬は力仕事のグループに率先して参加し、ツーバイフォーパネルを引き上げる作業に加わった。


午前中には、番号がついた壁パネルが所定の位置にばら撒かれ、内側に一階部品、外側に二階部品、屋根材もまとめて移動させた。一階床部分はすでに完成しており、壁パネルの取り付けは昼食後に行う予定だ。


昼前、秋元氏が工場に到着した。幹部や職人たちは一瞬身をかがめるが、翔馬は平常通りに対応した。

「今日は普段通りでよい。そなたらの仕事を見に来たのだから、恥ずかしいところは見せるな」と声をかけ、秋元氏を工場の片隅に案内する。


「御覧のありさまですので、お茶もご用意できておりませんが、工場はご自由に見学ください。尚、本日は全員建物の方にかかっておりますので、機械は作動の準備ができておりませぬ。ご了承ください。」


「うぬ。無理を言って押し掛けたのはワシじゃ。重々承知しておる。それにしてもまた興味深いものを作ったもんじゃな。」


秋元氏は並んでいる鉄製の機械に興味津々で、何度も手元をのぞき込む。翔馬は遠目に気にかけていたが、いかんせん手が離せず、昼の食事のときに説明することにした。


昼食は、喜八さんの出張蕎麦屋台を手配していた。

出汁の香りが工場の片隅に広がる。翔馬は職人と幹部、秋元氏を日陰に集めた。


「おい、皆。この蕎麦は江戸で一番美味い。友達の喜八さんの二八蕎麦だ。みんなの頑張りに報いるつもりだ。ぜひ味わってくれ。」


箸を進める秋元氏も満足げにうなずきながら、

「きつね蕎麦というのか。初めて食べたがお世辞抜きに美味かった。これは一世を風靡するぞ」と笑った。


職人らも、別で用意していた握り飯を頬張りながら出汁でかき込む。そして麺をすすり、揚げを齧る。いたるところで「うめぇ!うめぇ!」と聞こえていた。

喜八さんに店の場所を尋ねるなどちょっとした人だかりができていた。


ーーー


昼食後、午後の作業に入る。10人ひと組のグループに分かれ、太鼓のリズムに合わせてパネルユニットを起こす。

床材に金具で固定し、ぐらつかないように連結。隣のパネルも同様に起こし、連結していく。


幅60メートル以上の学校の校舎ほどの建物の外壁と内壁、すべてを起こして連結するまで、5時間とかからなかった。

その一部始終を秋元氏は離れた位置からじっと見守り、

「ほう、本当に柱を用いぬのか… この大きさの建物を一日で作るとは、これが小さな一軒家なら一日に何軒建てられるか……」と驚きを口にした。

後日、この件を綱吉公に報告したら、そのパネル工法というものにいたく感心を示したそうだ。


翔馬は出来栄えに頷き、次の工程に取りかかる準備を整え、その日は解散した。


ーーー


一番の大忙しの日に厄介な視察はあったが、何分順調に工程は進んでいる。翌日も、午前中は二階床部分のパネルを貼り、壁を立ち上げ連結して終了。三日目で屋根と階段をとりつけ終了、四日目で、周囲を竹の足場で囲い、内部は入り口のドアや窓などの造作に入る。そして漆喰でコーティング…屋根瓦葺まで含めると、トータル半月でこの大きな建物が完成した。


岡部「見た目のっぺりな感じやけど、これはこれでアリやな。」


翔馬「今回は速度重視だったので、細かい造作までは手が回せないが、そのうち驚くようなものを作ってみせるよ。」


岡部「翔馬はんが言うのだから、ホンマにやりおるんやろな。それでな、肝心な話なんやけどこの工場というか土地の名前はまだ決めてへんやんか?この際、ちゃんと決めといた方がええと思うねん。」


高野「うぬ…同意。わしでは語彙が少ないがゆえ、ここは翔馬どのに決めてもらいたい。」


吉村「そうだな…なんだか夢のある名前がいいでござるな。」


俺に振られたわけだが、いくつか候補はあったんだ。大江戸工房とか江戸川発明工房とか。

けど、なんか決め手に欠ける部分があり、ズルズル持ち越してきたのが本音だ。


吉村の「夢」という言葉でピンときた。


「大江戸未来館はどうだ?未来に夢を見ない人はいないだろ?」


「おお、未来館か。それいいな。」

みな賛成して、ここは大江戸未来館として案内の看板を作ることにする。


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