奈央子とユージのデートに乱入?した女子高生(最終章)
お互いを意識するようになり、ユージと奈央子の初デート。
二人の目が合う。同じ高さの視線だ。
ユージの心臓が、ドクンと鳴った。
「ユーちゃん、そういうこと大人の女性に言っちゃダメよ。」
そう言って、人差し指の先で、ユージの唇をそっと押さえた。
ドックン ドックン ドックン
ユージの心臓が大きく振動し、またたく間に身体中へ伝わった。
「あ、お店はあそこね」
あれ?いまユーちゃんって、言わなかったか?いつも大体ユージ君だよな、とユージは心でつぶやいた。
奈央子に話しかけようと、おばさんと言おうとした瞬間、脳がおばさんという言葉を否定した。
ユージの頭の中は、おばさん、違う、奈央子、いや違うとぐるぐる回り、整理がつかないまま出た言葉が、
「奈央ちゃん?」
奈央子「!」
リコ「!」
カナ「!」
3人の女性が目を丸くした。2人は女子高生らしき人物。
「あ、何で!なんでリコがいるんだよ!」ユージが叫ぶ。
「ユージ、おばさんのこと、奈央ちゃんって、呼んだ?」とリコ。
そのまま間髪入れずにご挨拶。
「おばさん、こんにちは!」
「あらー、リコちゃん!こんにちは。そちらの方はお友達?」
「は、はい!カナと言います!よ、よろしくお願いします。わ、私、ア、アキラ先輩のファンです!応援しています!」
頭を深々と下げる。
「まあ。ありがとう。アキラの母です。」
「何しに来たんだよ、リコ。」
リコとは、2つ下の妹。もう1人はリコの親友のカナ。リコは兄をユージと名前で呼ぶ。
「ユージ、奈央ちゃんって、誰?」
「奈央子ちゃんだよ」
頭が混乱しているユージ。
リコ「は?」
そこはおばさんだろと心でツッコミをいれる。
奈央子が吹き出しながら、「どうしたの?ユーちゃん」
リコ「は?ユーちゃん?」
奈央子がユージくんと呼ぶのに聞き慣れたリコが光速のツッコミ。リコは頭の回転が早く、とにかく鋭い。
ユーちゃんと言い、しまったと思った瞬間のツッコミだったので、奈央子は一瞬やられたと思ったが、
「最近、ユーちゃんと呼ぶことも多いわね。」
と、その場を取り繕った。
「リコ何しに来た?」
「ママがラーメン半額券あるから、期限切れる前にカナと食べてきなさいって。」
勘弁してよ、ママ。よりによって。リコに見られたじゃん、と心が叫ぶ。
「ストッキング買いに行きましょう。」
「リコ、お前らあっちに行って好きなもの買え。」
「はーい」
ついてくる、リコ。
リコから離れようと、ユージは奈央子の手を繋ぐ。
「ふーん、なるほどねぇ」とリコ。
「なんだよ!ついてくるな!」
リコが切り返す。
「わたし、ふたりを応援するね!だって、ふたりともさっきから、ちゃん付けで呼びあったり、キスしたり、手を繋いでるもの」
「お似合いです!」
「は!なんでだよ。キスしてねえよ!カナも何がお似合いだよ!」
「おばさんがユージの唇を。キャー」
奈央子は少し動揺したが、ユージが慌てているのが可愛いかった。
本当は、ほっぺに指をあてるつもりが、唇にあててしまった、つい。
でも、奈央子は嬉しかった。
「冷やかされるのって、こんなに嬉しいものなのね。」
うしろからユージに抱き着けばよかったかなと思ったが、
いやいや、それは絶対だめよ、と思い直した。
冷やかされてちょっと舞い上がった奈央子だった。
結局、ワイワイ言いながら、ストッキングを無事買った。
奈央子が、もうお昼食べようかしらと提案する。
リコとカナが、「ラーメン食べたい」と言う。
「じゃあ、奈央ちゃん、俺たちは牛丼。リコたちはあっちに行け!」
と、ユージが言いかけて、リコが、
「おい、そこの筋肉だらけのおっさん。牛丼食いたきゃ1人で食え。デートで牛丼食う奴がいるか。だから、彼女ができないんだ。」
「誰が筋肉だらけだ!ラーメンも牛丼も似たようなもんだろ!」
確かに!と奈央子は思った。
ユージに彼女が出来ないのは、ユージ、ユージとリコがまとわりつくので、見た目可愛いリコを彼女と勘違いする女子もいて、これが彼女が出来ない要因の一つになっている。ユージはそれを自覚している。
結局、みんなでラーメン食べた。半額だった。
そして、この出会いがアキラの運命を変えることになる。
「今日、アキラがいるから、これから3人で家に遊びに来ればいいわ。カナさんのこと、アキラに言っておくわね。」
「キャー、ホントですか?お母様!行きます!」とカナが絶叫する。
今、ユージとの恋の始まりの予感にトキメク奈央子。
カナとアキラを応援したいと思ったのかも知れない。




