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幼馴染がいろいろおかしい  作者: てんまる99


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9/30

お眠な妹もいろいろおかしい

帰宅した俺が見たのは、オンラインRPGゲーム、“ファンタズム・ワールド”でカウンター技を駆使して急成長した妹の姿だった。

帰宅した俺が見たのは、オンラインRPGゲーム、“ファンタズム・ワールド”でカウンター技を駆使して急成長した妹の姿だった。

美月はクエストを一緒に解いて欲しいと、夕食後に俺の部屋に来る。


「リビングでやるんじゃないの‥か‥?」

最後の言葉が曖昧になったのは美月の服装が普段と違ったからだった。


美月はいつもなら風呂の後はトレーナーだったりTシャツだったり、ラフな格好で過ごしている。

兄ながら、もう少し女の子らしくした方が良いのじゃないかと心配していたりした。


それが今日は薄いピンクのパジャマを着て、軽くコロンの香りをさせている。

客観的に見て、可愛い女の子の姿だった。


「えへへ、これ」

その美月が見せたのは真新しい携帯ゲーム機だった。

もちろんその機種でも“ファンタズム・ワールド”はプレイ可能だ。


「え、これ‥買ったのか?」

「えへへ、お年玉の残りで買っちゃった」

嬉しそうにゲーム機を見せる。


俺はそれで美月の急速なレベルアップの秘密が分かった気がした。

さては学校でもずっとこれで遊んでたな‥。


その間に美月はベッドに腰を掛け、俺を促した。

「早く、始めようよ〜」

パタパタと足を振り、俺を呼ぶ。

こういう所は昔遊んだ時と同じだ。


「あ、ああ。んじゃ、軽くな」

俺はそう言いながら机の上の携帯ゲーム機を取ってゲームを起動、美月と通信協力プレイを開始した。


「とりあえず、詰まっているって言うクエストはどれだ?」

「これ、天神の剣ってやつ」

美月は自分のゲーム機のクエスト選択画面を見せる。


クエストの難易度は中級の上のほう。

敵が多く対処に手間取るが、俺達なら今晩中にクリア出来るかも知れない。


「始めるね!」

「ん、おけ」

画面にクエストの開始情報が表示され、

俺達はゲームロビーからスタート地点へと転送された。


比較的重武装の俺のキャラと、機動力の高い美月のキャラは相性が良かった。

美月が雑魚キャラを倒している間に、俺がボスキャラを片付ける事で効率よくダンジョンを攻略してゆく。


「あっ、そっちに一匹行った」

「おけ、足止めしとくよ」

「えっ、こんな所掘るの?」

「そう。そこでスコップ使うと‥」

「あっ、これだ、これだ! やった!」


ベッドに隣あわせで座り、時にはお互いのゲーム画面を見たり、わいわいとしながらゲームを進める。


俺達は遂にダンジョンの最奥に進んだ。

と、目前に魔法陣が描かれた巨大な岩の扉が立ち塞がる。


「ここ。いつもここで進めなくなる」

美月は画面の岩の扉を指さす。

‥なるほどここか。


「この扉は、鍵を決まった順に使わないと開かないんだぞ」

「え?」

初耳と言う顔の美月。


「おいおい、途中の村で鍵をもらう時に言われただろ」

「‥忘れちゃった」

美月は頭をかく。

‥こいつ、あんな凄いカウンター使うクセに‥。


「仕方ないなぁ」

おれは手持ちの鍵を順に使った。

閉ざされた扉が重々しく開く。


「す、凄い‥もう一回やって、やって!」

美月は後ろから俺にのしかかり、俺の手元の画面を覗き込む。

美月の温かさと重さが背中に掛かった。


「お、重いって」

「早く、早く〜」

「はいはい」

催促され、もう一度鍵を使ってみせる。


「おお〜!」

美月は目をキラキラさせながら自分も同じ様に操作する。

もちろん、俺の背中に乗ったままだ。

重々しく扉が開くと、歓声を上げた。

「やった、凄い凄い!」


美月は喜びの余り、俺の首を抱えて後ろに倒れ込む。俺も重なる様に後方に引かれ倒れた。

「ぐえっ。やめれ〜」

声を上げるも、美月は全く気にして無い様子。


「続き、行こっ」

寝転んだまま、美月はゲームを再開する。

仕方なく俺もそのまま寝転んでゲームを続ける事にした。


それからも‥

「ちょっと、やだトラップに引っ掛かった」

「あー、助けるからちょっと待ってて」

「あ、カウンター失敗したっ! ギャー」

「ほらっ、回復薬」

「た、助かった」

そんな事を繰り返しながら敵を倒し、アイテムを入手して次々ダンジョンを攻略してゆく。


2時間程してようやくクエストをクリアした。

画面にクエストクリアの表示がファンファーレと共に表示される。


「やれやれ、何とかクリアしたな」

「うん、ありがと‥」

さすがに美月も疲れたようだ。

ゲーム機を脇に置くと、目を閉じた。


いつの間にか俺の胸に美月が頭を乗せる体勢に成っていた。

目前の髪からシャンプーとコロンの甘い香りがする。

少し高い美月の体温が胸に温かい。

美月は目を閉じたまま、まるで猫の様に頬を俺の胸にすりすりと擦り寄せた。


「くすぐったいぞ‥」

「ん‥」

更にすりすり。

「甘えん坊め」

「うん‥」

美月はぼうっとした表情で半ば寝入りながら答えた。


「おい、寝るなら部屋に戻れよ」

言いながらも先程の夢を思い出し、鼓動が速くなる。

いや、あれは夢だし、俺は美月にはそんな気持ちを持ってる訳じゃ‥。


「一緒に‥寝‥る」

言いながら俺を軽く抱き寄せる美月。

小柄な割にグラマーな美月の身体が俺に預けられた。

思わず更に鼓動が速くなる。


「それはマズいだろ、さすがに‥」

「兄妹‥だ‥から‥」

それっきり美月はすうすうと寝息をたてはじめた。


美月は何と言いたかったのだろう‥。

“兄弟だから平気?”

“兄弟だから信じてる?”

それとも、

“兄妹だから一緒に居たい?”

だろうか。


「‥‥仕方ないなぁ」

あの様子だと夢中でプレイして、昨日は徹夜してしまったに違いない。


寝入った美月をすぐ起こすのも可哀想な気がした。

‥1時間程休ませて、部屋に戻らせよう。

そう考えて、少しの間そのままの体勢でいることにした。


だが、これでは身体を起こす事も出来ない。

手持ち無沙汰の俺は、美月の柔らかい髪をコショコショと指先でいじってみる。


「んにゃん」

まるで猫のような寝声でむずがる美月。

「可愛いな‥こいつ」

思わず呟いていた。

言った後で自分で恥ずかしくなり、目を閉じる。


今の気持は。

今の言葉は嘘じゃない。

でも誰にも言ってはいけない。


いや‥妹を可愛いと思うのは、別に変じゃないよな?


そんな事を考えながら、美月の温かさを感じていると‥俺もいつの間にか寝てしまっていた。


モチベーション維持のためにもぜひぜひ感想とか教えて下さいませ。

気に入った部分だけでは無く、ここが“読みにくかった”“分かりにくかった”も、とても参考に成ります。

感想書いて下さる人には本当に感謝です。


また、連載形式で数日ごとアップしますので、読み逃し無いようお気に入り登録も宜しくです。


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