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幼馴染がいろいろおかしい  作者: てんまる99


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10/30

校内放送もいろいろおかしい

ついうっかり妹の美月とゲーム中に眠り込んでしまった主人公。

そこで‥

俺は温かい海の様な場所を漂っていた。

暗く、辺りは見渡せない。

それでも、恐怖感は無かった。

ただ、全身を包み込む、その温もりに身を任せていれば幸せだった‥。


どれ位そうして居ただろう。

ふと見ると、遥か彼方から一筋の眩しい光が差し込んで来る。

あまりの眩しさに思わず光を手で遮ろうとして、それがカーテンの隙間から差し込む、朝の日差しだと気がついた。


「あれ‥ここ‥」

見渡せば、ここは自分の部屋だった。

傍らに自分の携帯ゲーム機が有り‥‥。


俺はガバッと起きた。

そうだ! 美月を部屋に‥って、居ない。

美月のコロンの香りだけがシーツに残っている。


机の上の時計を見れば、時刻は午前6時。

いつも起きる時刻よりは少し早い。

昨晩はいつの間にか俺も眠ってしまったようだった。


少し伸びをして立ち上がる。

昨日は身体を動かすとあちこちに鈍痛が走ったが、今はほとんど無い。

ほぼ回復しようだ。


寝汗をかいた様なので、シャワーを浴びることにした。


階下に降りると、廊下で風呂場から出た美月とばったり会った。

シャワーを浴びた直後なのか、Tシャツから覗く肌が微かに紅潮していた。



「あ、あ兄ぃ‥おはよ」

タオルで髪を拭きながら、少し照れくさそうに美月は言った。

「ああ、いつの間にか部屋に戻ったんだな‥」

俺が起こすまでも無かったか。

うんうん、関心な妹だ。


「え? あ、う、うん、そう。あのさ、途中で起きたりしなかった?」

何故か美月は動揺したような言い方をした。

「ん‥さっきまで完全に寝てたよ‥」

俺は瞼を擦りながら言う。


「なら良かった」

何故か安堵の表情を浮かべる美月。

「ん? なぜ?」

「あ、いや‥その‥起こしちゃったかと思って」

「それは、全然大丈夫」

「そ、そう? んじゃ先行くね」

そそくさと部屋へ戻る美月。

どうも、よそよそしい気がする。


普段だったら、

“あ兄ぃのイビキで全然寝れなかった!”

くらい言いそうだが。

‥俺の部屋で寝てしまったこと、照れているのかも知れない。


入れ替わりに風呂場でシャワーを浴びた。

腕に昨日の痣がいくつか薄っすらと残っているが‥あと1日有れば消えそうだ。


と、肩に一つだけ随分くっきりとした痣が残っていた。

が、痛みもなく服に隠れる場所なので気にしない事にした。



そのまま、朝食を済ませ登校する。

美月は先に登校し、今日は宏にも会わなかったので、何事もなく教室に到着した。


だが、どうも教室の様子がおかしい。

昨日とはまた違う視線を感じた。

何か期待の様な困惑の様な‥?

何か有ったのだろうか?


そこへ、教室のスピーカーが校内放送のメロディーを鳴らした。

教室の始業前のざわめきが一斉に収まる。


“皆さん、生徒会長の藍染春香です。始業前のお時間を少しだけ使わせて頂きました”

流れて来たのは藍染の声だった。

緊張しているのか、トーンが固い。


“一昨日から私のお友達に関して、良くない噂が流れて居ると聞きました”


“まず断言しておきますが、私は誰かから脅迫や要求を受けている事は一切有りません”


どうやら藍染は俺に関する誤解を解いてくれようとしている様だ。


“悪い噂を流された律斗君‥いえ須藤君は昔からの友人です。いわゆる幼馴染と言う事ですから、交際するとか、しないとかの関係では無いのです”


うん‥幼馴染とバレるのは気まずいが‥これで皆も納得をするだろう。


“むしろ、個人的期待としては、それ以上と言いますか、 その、将来も考えて‥”


ん?

藍染は何を言っているんだ??


“バタバタ”


“‥お待ちください、お嬢様! それ以上はいけません!”

あれ、これは藤原さんの声では?


“ドタ、ガタン”

“いえ、ですが‥”

“駄目です駄目です!”

“春香ちゃん‥ちゃえ”

“あなたは一体どちらの‥は、早‥確認も‥”

“ドカン! ザーーー”


突然、放送はノイズ音になった。

な、なんだ今のカオスな放送は‥。


暫くして‥。

“あーあー、校内放送、終了致します”

今のは宏?

‥そう言えばあいつは放送委員だったな。

一体、放送室で何が起こっているんだ‥。


気になったので藍染にメッセージしてみたが、返信は無かった。


その後、宏は始業ギリギリに教室に戻ってきた。

後ろの席に座る宏に声をかける。


「おい、さっきの放送は一体なんだ?」

「あー、昼休みに説明するよ。藍染さんも一緒に」

「いや、しかし」

「まぁまぁ、落ち着けって。悪い話じゃ無いんだからさ」

「? なんだそれ?」

宏は話は終わりだとばかりに、大げさに手をすくめて見せる。

そこで授業が始まったので、話は打ち切りになった。


昼休み。

俺は宏と共に放送準備室に向かった。

準備室と名前は付いているが、要は放送委員の使う打ち合わせスペースだ。


準備室のドアを開け入ると、正面の席、椅子に座った藍染と傍らに立つ藤原さんが居た。

藍染は珍しく落ち込んで居るようで、俯いている。


「お待ちどうさま!」

宏が重い空気を和ませようと明るく声をかける。


藍染が顔を上げ、答える。

「あ、大前君、須藤君‥その、今朝は‥」


そこへ宏が声をかける。

「その前に、俺は律斗に謝る事がある」

「宏? なんだ?」

「律斗、今まですまん! あのな、俺は‥俺は藍染のスパイなんだ」


宏は真剣な表情で俺に頭を下げた。


モチベーション維持のためにもぜひぜひ感想とか教えて下さいませ。

気に入った部分だけでは無く、ここが“読みにくかった”“分かりにくかった”も、とても参考に成ります。

感想書いて下さる人には本当に感謝です。


また、連載形式で数日ごとアップしますので、読み逃し無いようお気に入り登録も宜しくです。


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