表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
幼馴染がいろいろおかしい 【ファンタジックラブコメ】全編完結  作者: てんまる99
えくすとらラプソディ:番外編のお話。短いのでお手軽に読めます

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
52/56

えくすとら みすずDays

今回のえくすとらは藤原さんのお話です

こういう、本編は完結してるけど外伝描きたい時、いちいち連載中に設定しないと駄目なのが面倒ですね(汗)

泊りがけでの海水浴。

台風のため延泊する事になったが、夕方には嵐が収まり雨も上がった。

何とか明日は帰れそうだ。


ホテルのエントランスから出て空を見ると、綺麗な虹が出ていた。


「おお、虹なんてひさしぶりだな」

「ええ、綺麗ですね」

柔らかな声が答えた。

「え?」


見ると藤原さんが隣に立っていた。

「あ、おかえりなさい」

「はい、ただいま帰りました」

にこやかに微笑む藤原さん。


どうやら道路が復旧してホテルに戻って来れたようだ。


「大変でしたね」

「はい、急に雨が激しくなって…」

話しながら荷物を持って部屋へと向かう。



2人で一階の大浴場の脇の廊下を通った時だった。


『ピヨピヨピヨピヨ』


ヒヨコの鳴き声の様な音が聞こえた。

俺は一瞬耳を疑った。

え、まさか⋯?


「ちょ、ちょっと待ってて下さい」

藤原さんを押し留めて、廊下の曲がり角から先を見る。



日が傾き、少し薄暗いホテルの廊下。

そこをヒヨコの人形が列を作って歩いていた。


『ピヨピヨピヨピヨ』


もちろん誰も操作したりはしていない。

ヒヨコ人形が勝手に動いて列を作って歩いている。

あれは、七海があの時に使った人形だ。

⋯⋯つまり、本物の怪異。


七海がバッグに付けて管理していたはずなのだが、逃げ出した?

ま、マズい⋯。

あれは藤原さんには見せられない。



「律斗さん? どうかしましたか?」

「あ、いや⋯ちょっと⋯」

「廊下の先になにか?」


藤原さんは俺の肩越しに先を見ようとした。


「ち、ちょっと、待って」

俺は必死に藤原さんを押し留める。

何か理由を考えないと⋯。


「藤原さん、こっち⋯」

「え?」

俺は反射的に廊下に有った扉を開き、藤原さんと入った。


「えっえっ?」

藤原さんは戸惑いながら一緒に部屋に入り、後ろ手に扉を閉めた。


『カチャン』

扉の鍵が落ちる音がした。

すこしの間、藤原さんは戸惑った様な表情を浮かべていた。


「あの、律斗さん、本気⋯ですか?」

「え?」

「その、ここに入ったと言う事は⋯その⋯そういう?」


俺はその時に成って初めて周囲を見渡した。


幾つもの棚に積まれた布団、枕、シーツ⋯。

ここは⋯布団部屋?


「あの、布団部屋に女性を連れ込むのは⋯その、男性が女性を求めて⋯」

もじもじとしながら俺の顔をちらりと見る。


「ち、違いますっ、えと、あの⋯」

俺は何とか言い訳を考える。


「な、何か立ちくらみが⋯あー、少し横に成りたい。成りたいなー」

「だ、大丈夫ですか、律斗さん! こ、こちらへ⋯」

藤原さんは俺を慌てて抱きとめ、広げた布団の上に寝かせた。



「す、すみません、何か急に⋯」

「いえ、少し休んで下さい⋯あ」


藤原さんは一瞬驚いた表情をした。


「? 藤原さん?」

「い、いえ、そういう事でしたら」

「??」


何か藤原さんの挙動がおかしい気がする。

落ち着きが無いと言うか⋯。

もうそろそろ廊下に出ても良い頃合いなんだが、引っ込みがつかなくなってしまった。


「疲れが出たのかも知れませんね⋯少しほぐしましょう」

「ほぐす?」

「はい。うつ伏せに成って下さい」

俺は藤原さんに言われるまま、布団にうつ伏せになった。


その、俺の背中を藤原さんは指先でゆっくりと押し始める。

背中の張っていた筋肉がゆっくりとほぐれていく。


「おお、気持ち良い⋯これは指圧?」

「はい⋯我流なんですが」

「十分ですよ」

そうしてゆっくりと背中を押して貰う。

段々と体の緊張が解けてゆく。


「もう、痛くは無いのですか?」

暫くして藤原さんはシャツの上から優しく俺の脇腹に触れた。


数ヶ月前に暴漢に刺された場所だ。

今は縫合跡が赤くミミズ腫れの様に残っている。


「あ、はい。強く押したりしなければ⋯」

「話を聞いた時は⋯驚きました」

藤原さんは背中を押しながら言った。


「心配をかけてすみません」

「いえ、もちろん、怪我をされた事にも驚きましたが⋯」

「?」


「まさかナイフを持った暴漢に挑むとは」

「はは、あの時は夢中で⋯」

「聞いています。美月さんを守ろうとしたのですよね」


「まぁ、結局、刺されてしまいましたが⋯」

「いえ、律斗さんらしいなと」

「え、そうですか?」

「はい、体育館の時も、スマホを必死に奪ってくれて」


言われて、藤原さんと初めてあった時の事を思い出した。


と、藤原さんが俺のうなじを優しく撫でる。

「嬉しかった⋯です」

「藤原さん」

「今までお嬢様を守る事はあっても、誰かが私の為に戦ってくれるなんて⋯」

「大げさですよ」

「それなのに、あの時はちゃんとお礼も言わず、申し訳ありません。驚いてしまって⋯お恥ずかしいです」

藤原さんはうなだれていた。



「今更、気にしなくても」

「いえ、ずっと気になっていました⋯あの、何かお礼をさせて下さい」

「そんな、これまでも度々助けて貰ったのは俺の方ですし」


一瞬、戸惑った様な空気が流れた。


「で、では、お互いに相手の希望を一つ聞くと言うことでどうでしょう?」

「はい、それなら」

俺はそう答えた。

こんなの、意地を張るような事じゃない。



「では律斗さんのご希望は⋯?」

藤原さんは俺の背中をゆっくりと撫でながら聞いた。

緊張がほぐれ、体がポカポカと温かくなってきた。



「えと⋯護身術を教えて貰えませんか?」

「護身術?」

「はい、本格的な武道とかでなくて良いので⋯何かあった時に、自分や周りの人を守れる位の」

「律斗さん⋯貴方はそんな怪我をしてもまだ⋯?」

「まぁ、次は怪我しない程度に成りたくて」


それを聞いた藤原さんはゆっくりと俺の背中に頬を寄せた。

「そんなの⋯いつでも⋯お願いじゃなくても教えます」

「ありがとうございます」

「私も律斗さんに怪我してほしくないですから。だからこれは⋯お願いに成りません」

「え?」

「どんな事でも⋯良いです⋯よ」


背中越しに藤原さんの体温が伝わった。

あれほどの武道の達人⋯でもやっぱり一つしか違わない女の子。

もっと⋯知りたい。

好きな事や今までの思い出とか、もっと。



「えとそれじゃ⋯」

俺は体を起こして藤原さんと布団に向き合って座る。

「はい⋯」


「みすずって呼んで良いですか。その、藤原さんって、他人行儀だなって。2人だけの時とかでも良いので⋯」

「!」

「だ、駄目ですか?」


みすずはゆっくりと何度も首を振った。

「良いに決まってるじゃないですか⋯」

瞳が潤んでいた。

やっぱり、可愛い。


「あ、私からのお願い⋯決まりました」

そう言って俺の方に身体を寄せる。


「どんな事?」

「キス、教えて下さい。まだ⋯したこと無いので」

そう言いながら、潤んだ瞳で俺を見た。


「俺が初めて⋯で良いの?」

「律斗が⋯いい」


そう言って更に少し顔を近づける。

「ゆっくりで大丈夫⋯」

「うん」

そう答えて、また少し。


少し唇が触れて、驚いた様に少し離れて、また近づいて。

そうやって少しづつ、時間をかけてキスをした。


それが俺達らしいと、みすずの背中に手を回しながら思った。



その後、部屋に戻ってから⋯。


『今日お礼をしないと2度とチャンスが無い』と七海に言われた事をみすずが教えてくれた。


作者のやる気は イイね や 感想 で出来てます(笑)

ここまで読んだらもうひと手間、評価をポチっと!

宜しくお願いします。


ぜひぜひ御意見、お聞かせ下さいませ。

気に入った部分だけでは無く、ここが“読みにくかった”“分かりにくかった”も、とても参考に成ります。

感想書いて下さる人には本当に感謝です。


また、連載形式で数日ごとアップしますので、読み逃し無いようお気に入り登録も宜しくです。


他にも小説家になろうに色々作品アップしてますので、良かったら見てみて下さい。

ファンタジーからSFまで色々揃えてます。


ちょっと不思議なラブコメ「幼馴染がいろいろおかしい」

https://ncode.syosetu.com/n2628lw/


ドタバタ異世界転生「社畜リタイア求職中が異世界転生はしたいけど条件が厳しくて転生先が見つからない」

https://ncode.syosetu.com/n2774mh/


ミステリー探偵物語「ファインド・アイズ」

https://ncode.syosetu.com/n3869lm/


ファンタジーラブコメ「ウチの弟が弟じゃない」

https://ncode.syosetu.com/n4758lk/


近未来アイドル「えれくとろんあーく」

https://ncode.syosetu.com/n6524ld/


近未来アイドル第二弾「神崎涼花の逆襲 〜えれくとろんあーく2〜」

https://ncode.syosetu.com/n7959li/


ファンタジーバトル「リサイクルショップで手に入れた杖がとんでもない魔道具だったせいで魔導争奪戦に巻き込まれた(冥界送人改題)」

https://ncode.syosetu.com/n1995lg/

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ