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幼馴染がいろいろおかしい  作者: てんまる99


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親衛隊はいろいろおかしい

俺は、図書室で美少女、藍染春香に家へ招待された。

だが、俺が藍染を脅迫しているという、噂が流れる。

妹の美月の誤解は何とか解いたが‥

翌日、俺は宏と登校する間も昨日の事が気になり、会話も上の空だった。

昨日と同じ様に上り坂を歩き、登校する。

周囲の生徒もいつもの顔ぶれ。

ありふれた登校風景だが、校門前にさしかかるとやけに生徒が集まっていた。


「お、なんだなんだ‥」

さっそく宏が野次馬根性で覗きに行く。

一方、そんな気分になれない俺は、無視して校舎に向かおうとした。


が、宏が慌てて呼び止める。


「おい、律斗、律斗!」

「なんだ?」

「こっち、来いよ」

「んー、どうし‥」

宏に催促され、しぶしぶ様子を見に行った俺は途中で言葉を失った。


「藍染‥さん?」

そこには校門を背に真剣な面持ちで立つ藍染が居た。


藍染は俺の声を聞くと、ばっと顔を上げ俺を呼んだ。

「“りっくん”、待ってたよ! ‥あ、律斗君‥違った、須藤君」


突然、子供の頃のあだ名で呼ばれ、きょとんとする俺。

周囲の視線が一斉に突き刺さる。


「え、俺? を待ってた‥の?」

「うん、昨日の事‥その‥謝りたくて」

真剣に俺を見つめる藍染。

「え、謝る??」

事情を飲み込めないでいる俺の耳に、生徒の囁きあう声が聞こえた。


“あだ名で呼ぶとか‥もう交際してるよね??”

“やっぱり須藤君が藍染さんを脅迫‥?”

“普段から目つき悪いし”

“許さん須藤”

“俺達のアイドルに何をした‥”


その時になって、俺は美月の誤解こそ解いたものの、学校内では噂の脅迫犯のままだった事を思い出した。


「いやいや、俺が藍染を脅迫とか、絶対無いから!」

周囲に向かって言ってみるものの、状況は完全にクロ。

しかも当の藍染はその噂を知らないらしく、俺に聞き返して来た。


「え? 違いますよね? 須藤君が脅迫なんてするはず無いですし」

「だよなぁ‥すまん、変な噂が‥」

「だって‥私からお付き合いして、とお願いしたんですから!」


「「「「ええーーーーっ!」」」」

周囲から驚愕とも絶叫とも取れる声が上がった。

もちろん、俺もそのなかの一人。

俺、いつの間に藍染から交際申し込まれてた??


「あ、でも謝罪したいのはその事で‥須藤君が迷惑かもって思い返して」

「い、いや、迷惑とかは‥」

「その‥お願いするばかりで返事を貰えなかったから‥友達に“そういうの一番嫌われるよ”って言われて」

申し訳なさそうにうなだれる藍染。


「すまん、沢山メッセージ貰ったから今日まとめて返事しようかと」

「なら良かったです‥昨日話したら、両親も会うのとても楽しみだって‥」

「え、そ、そうなの? そんな‥もし期待を裏切ったら悪い‥」

えと‥藍染のお父さんって藍染グルーブの会長じゃ‥?


「きっと大丈夫ですよ。‥あの、昔みたいに“りっくん”って呼んでも?」

「か、構わないけど‥昔?」

「覚えてませんか‥ほら、病気に入院していた時‥」


俺が入院したことが有るのは‥6歳の頃、木から落ちて足を骨折した時だけだ‥。

そんな頃に藍染と会っていた?


うーん‥‥そう言えば同じ年頃の女の子が居たな。

内科に入院していて‥あまり身体が良くないのかベッドに居ることが多かった。

同じ年頃の子は他に居なかったから、何度か遊んだ覚えがある。

‥あれが藍染?


そう思って藍染の顔を見直すと‥確かに面影がある様な‥。

あの時は確かこう呼んでたな‥。


「はる‥ちゃん?」

「うんっ! 覚えててくれたっ」

藍染は満面の笑顔で俺の胸に飛び込んできた。

そのまま全く躊躇なく俺の事を抱きしめる。

制服越しにも藍染の体温が伝わった。


「「「「えうあーー??」」」」


今度は怒号とも歓声とも悲鳴ともつかない、言葉にならない叫びが周囲を取り巻いた。


その声に藍染ははっと自分の行動に気が付き、身を引く。

そのまま真っ赤に照れた顔で俺を見た。

「あ、ご、ごめんなさい‥その‥思わず」

「い、いや、大丈夫」



藍染は半歩下がると、片手で赤面した顔を隠しながら‥

「後でメッセージするね‥りっくん」

そう言い残し、小走りに校舎へと駆けて行った。


俺と、唖然とした生徒達が校門前に残された。


「おいおい、律斗、どうなってるんだ?」

宏が呆れ顔で駆け寄り、俺を小突く。

「いや、俺もよく分からん‥藍染が幼馴染だったらしいが‥」

やれやれと言った雰囲気の宏。


「ちょっと、詳しく事情を聞こうか‥」

俺の腕を引っ張ると、校舎内に引っ張って行く。

「お、おいっ?」

「いいから、ついて来い!」

そのまま無人の教室に俺を連れ込むと、ようやく溜め息をつく。


「何とか窮地は脱したな‥」

「え? 宏?」

「このまま、始業ギリギリまでやり過ごそう」

「??」

相変わらず事態が飲み込めないでいる俺に宏は呆れ顔で言った。


「お前、あのままあそこに居たら、藍染親衛隊に袋叩きだったぞ」


「え‥藍染親衛隊? なにそれ? 怖っ!」

一体、俺はどうなるのだろう。

不安がつのる一日の始まりだった。


モチベーション維持のためにもぜひぜひ感想とか教えて下さいませ。

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