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幼馴染がいろいろおかしい 【ファンタジックラブコメ】全編完結  作者: てんまる99
えくすとらラプソディ:番外編のお話。短いのでお手軽に読めます

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えくすとら1

エクストラストーリーその1、お届けします。

エピローグ後の新たなラプソディ、お楽しみ下さい。

爽やかに晴れ上がった青空。

綿菓子の様な入道雲。

サファイヤブルーの海。

ゆっくりとさざめく波音。

白く輝く砂浜。


ヤシの木が海風にさわさわと葉を揺らす。

照りつける真夏の日差しをビーチパラソルがカクテルの影に変えていた。


「本当にここ日本?」

そう思ったのは何度目だろう。

なにせ藍染の完全プライベートビーチだから、他に観光客すら居ない。



きっかけは数日前。

夏休みの補習授業を終えたタイミングで藍染からお誘いの連絡が有った。


「ね、りっくん、海行こうよ」

「いいね。他には誰か行く?」

「藤原と美月ちゃんには声掛けた。 七海ちゃんと大前君はお願い」

「お、了解」

「お泊りするから着替え持ってきてね」

「一泊?」

「一応、2泊、かな。泊まる所はこっちで手配するから任せて」

「助かる」


早速、隣の席に座る、補習友の宏に声をかける。

「宏、明日、藍染が海に行こうって」

「お、お前には血も涙もないのか‥‥?」

宏が胸をかきむしりながら応じた。


「一応あるぞ。最近不足気味だが」

「お前は今日で釈放だが、こっちは‥」

「すまん、そうだったな」

宏は明日から数学と物理の補習が始まるのだった。


「しかし、なぜあれだけのノートが取れて、テストで補習?」


入院中、宏が2日おきに授業のノートを持ってきてくれたおかげで、俺は補習も最低限で助かった。

宏のノートは的確かつ整っていて、とても見やすい。


「律斗、ノートを取る能力と、理解する能力は別物なんだ」

「嘘だろ‥」

理解せずにあれだけのノートが書けたら、それはもう特殊能力では?


「俺だってミツキちゃんの水着は見たい‥」

「それは神になっても無理だが」

宏は俺と藍染の婚約を知って、潔くミツキに宗旨変えをしていた。

だが、仮想の存在であるミツキは現実の海水浴には来れない。


「うう、律斗〜、俺の分まで楽しんで来て‥くれ‥ガク」

宏は机に突っ伏した。

既に屍のようだ。

「お前の分は知らないが、概ね了解」

そう言って明日の準備のため、早々に教室を後にした。



翌朝、着替えを持って、美月、七海と共に駅前で待ち合わせ。

てっきり電車で行くのかと思ったら、黒いリムジンが来た。

さすが藍染は海水浴に行くのも違うな、と思っていたら、妙に開けた場所に着く。

「あれ、ここ海?」

「乗り換えです」


そこで真っ白なプライベートジェットに乗せられ、小一時間。

感嘆符を10個ほど浮かべている間に空港に着き、そこから別のリムジンで‥いまここ。

現実感、どこ行った。

逃げるんじゃない。



「あ、居た居た。 あ兄ぃ〜〜」

ビーチサンダルを物ともせず、快足を飛ばして美月がパラソルまで走ってきた。


「お、ようやく来たな‥‥わぷっ」

最後の音は美月がビーチパラソルの下で寝転んでいた俺に抱きついて来たから。


美月の柔らかく温かい重みがのしかかる。

爽やかな柑橘系コロンの香り。


「どう? おニューの水着!」

「近すぎて青の縞しか見えん」

ついでに言うと呼吸も止まりそう。


「あ、しまった」

言いつつ、美月は身体を起こした。

立ち上がり、その場でクルッとターンして見せる。

「どう?」


「えと、何というか‥成長‥したな‥」

これは兄としての本音だった。

数ヶ月前、長野に行った時よりも少し背も伸びているし、最近髪を伸ばし始めたせいか、雰囲気が大人っぽくなった。

そしてそこに映えるストライプのビキニ。

青の描く曲線が嫌が応にも柔らかなボディーラインを意識させる。


「え、ど、どこ見てるの‥?」

「美月だけど‥」

「エッチな所見てない?」

「そりゃ、水着を見れば必然的に」

「いやん」

と、言いつつ再び抱きついて来るのは何故だ‥。


『いいなー、私もお兄ちゃんに抱きつきたい』

突然、どこからともなくミツキの声が聞こえた。


「えっ、ミツキ??」

「あ兄ぃ、これこれ」

「?」

キョロキョロする俺に、美月が肩に乗せた茶色の熊のぬいぐるみを見せた。

海水浴に合わせたのか、ピンクの水着を着ている。


と、ぬいぐるみは自ら飛び降り、地面に立つ。

‥地面に立つ。

大事な事なので2度言ってしまった。


「う、うごいた?!」

「そりゃ、動くよ。自動人形ドールだもん」

ミツキの声でぬいぐるみが話す。

「こ、これは‥?」

「梅澤さんの所で作ったんだって。これ、ミツキが動かせるし、見たものをミツキも見えるって」

「おお、いわゆるマテリアルボディって奴か‥」


つまり逆アバター、仮想人格が現実で行動可能になる訳だ。

ある意味、仮想と現実の狭間を超える凄い技術だ‥‥熊だけど。


「動きが鈍いのが欠点‥」

ミツキが不満そうに言った。

「所詮は熊のぬいぐるみだからなぁ」

搭載できるバッテリーや動力の制限だろう。


「どう、私の水着姿!」

熊のぬいぐるみがポーズを決める。

「‥毛がふわふわだな」

「ちょ、お兄ちゃん、変な所見ないで」

「いや、どこ見てもふわふわだぞ」

「もしかして褒めてるの?」

「まぁ」

「なら、良いか」

良いらしかった。


ミツキの水着を見たがっていた宏を思い出した。

良かったな、宏。念願のミツキの水着だぞ‥熊だけど。



「あー、美月ちゃん、ずるい〜」

と、パラソルの外から声が掛かった。

言われて声の方を見ると、藍染と藤原さんが日傘を手に、立っていた。

それぞれ白と黒、対照的なワンピースの水着姿だ。


ふわふわとしたフリルが存分にあしらわれた純白の水着姿の藍染。

シンプルなワンピース故、よりしなやかなラインが際立つ黒い水着の藤原さん。

どちらもそれぞれ、とても似合っていた。


「早いもの勝ちだよー」

言いながら美月は俺の腕を取り、体を寄せる。

「じゃぁ、私はこっち」

反対側の腕を藍染が取る。

「じゃぁ、私はここ」

熊のぬいぐるみが頭の上に乗った。

バッテリーが発熱しているのか、ぬいぐるみは妙に生暖かい‥。

ミツキ、本当にそこで良いのか?



「ね、あ兄ぃ、少し目を閉じてよ」

戸惑っている俺に美月が言った。

「え、なんだ?」

「良いから‥」


言われて仕方なく目を閉じる。

何かガサゴソと音がする。


「美月ちゃん、それはっ‥」

これは藍染の声だ。

「誰も居ないから平気だよ」

「でもでも‥」

「えへへ、私は準備オッケー」

「う、それじゃ、私‥も」

「私も〜」

最後のはミツキだな。

最近、美月との微妙な声の違いが分かるようになってきた。


「あ兄ぃ、目開けて良いよ〜」

言われて目を開くと。


俺の左側で美月がレジャーシートにうつ伏せに寝ていた。

傍らには水着のトップが無造作に脱ぎ捨てられている。

つまりトップレスの状態。

うなじから肩口、肩甲骨、ウエストの下までの柔らかな曲線が惜しげも無く晒されていた。

もちろんうつ伏せだから、胸元が見える事は無いが‥。


「な、ななな何??」

動揺して思わず視線を外すと、右側では藍染が同様にワンピースの肩紐を解き、うつ伏せに成っていた。

華奢で触れたら壊れそうな繊細な背中の曲線。

そこから下半身へと繋がる微かな膨らみ‥。

恥ずかしさからか、桜色に上気した肌。


ヤバい、このまま見つめていたら理性が‥。

思わず視線を下に落とす。


「ふ、二人とも‥どうした‥?」

「あ兄ぃ、オイル塗って〜」

「お、お願いぃ」


目前に置かれた、サンオイルのボトルが目についた。

こ、これが伝説の、サンオイル塗り塗りイベントっ?


ま、待て、落ち着け俺。

美月も藍染も日焼けが嫌だからオイルを塗って欲しい、それだけだ。

別に他意はない‥と思う。


「好きなだけ触って良いかんね」

「そっ‥それなら、私も好きなだけ‥触って‥」

‥他意が有りそうなんだが‥。


さすがに藤原さんがとめるだろう‥と見れば、いつの間にか遥か向こうの波打ち際で七海と戯れていた。


‥‥つまり今、ここはノールールって事?


「早く〜」

促されて意を決し、2人の方を見た。

目前に居たのは。



‥熊だった。



両側に美少女、真ん中に熊。


2人の真ん中でミツキ熊もうつ伏せになっていた。

それを見て、少し冷静さを取り戻せた。


「たっぷり、オイル塗ってね」

ミツキ熊が言う。

「いや、熊に塗ったら‥ベタベタだぞ?」

少し呆れて言った。


「うーん、それはそうだよね、どうしよ‥」

会話を聞いていた美月は無防備に上半身を起こした。

「え」

「あ」

一瞬、目前に美月の生姿が‥。


「み、美月ちゃん!」

藍染が驚きの声をあげる。

「あ‥」

美月は反射的に慌てて腕で胸を隠すが‥。

「あ兄ぃなら‥良っか」

再び腕を下ろそうとした。


「ま、待て‥」

慌てて制止しようとすると、何故か足元がふらつく。


「あれ?」

「ちょっ、あ兄ぃ?」

「りっくん!」

駄目だ、目が回る‥。

突然、襲われた虚脱感に抗う暇もなく、俺は地面に倒れた。

作者のやる気は イイね や 感想 で出来てます(笑)

ぜひぜひ御意見、お聞かせ下さいませ。

気に入った部分だけでは無く、ここが“読みにくかった”“分かりにくかった”も、とても参考に成ります。

感想書いて下さる人には本当に感謝です。


もちろん評価とか貰えたら大感謝‥いや、望みすぎは良くないですね、反省。


また、連載形式で数日ごとアップしますので、読み逃し無いようお気に入り登録も宜しくです。


他にも小説家になろうに色々作品アップしてますので、良かったら見てみて下さい。

ファンタジーからSFまで色々揃えてます。


ちょっと不思議なラブコメ「幼馴染がいろいろおかしい」

https://ncode.syosetu.com/n2628lw/


ミステリー探偵物語「ファインド・アイズ」

https://ncode.syosetu.com/n3869lm/


ファンタジーラブコメ「ウチの弟が弟じゃない」

https://ncode.syosetu.com/n4758lk/


SF未来アイドル「えれくとろんあーく」

https://ncode.syosetu.com/n6524ld/


ファンタジーバトル「冥界送人」

https://ncode.syosetu.com/n1995lg/

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