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幼馴染がいろいろおかしい 【ファンタジックラブコメ】全編完結  作者: てんまる99
偽りの花嫁:ラブコメが好きなひとにお勧め

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団体客もいろいろおかしい

お婆ちゃんに花嫁姿を見せると約束した美月。

藤原さんの助けで何とか衣装を手配でき、俺達は夜遅くにホテルに戻ってきた。

俺達は結婚式場での打ち合わせを終えて、ホテルに戻ってきた。

時間が遅いので、ホテルのフロアには人影はない。

両親はまだ寝ているのか、送ったメッセージには未だに返信が無かった。


既にホテルのレストランも閉まっているので、途中のコンビニで弁当等を買ってきた。


部屋に戻り、テーブルで美月と弁当を広げる。


「さすがに腹減ったな‥」

「だねぇ」

言いながら、美月は俺の弁当から唐揚げを一つ取ってゆく。

「この後、どうする?」

言いながら、今度は俺が美月の弁当から卵焼きを一つ貰う。

美月と食事する時にこうしてシェアするのはよくある事だった。


「お風呂行こうかな」

スマホで時間を確認しながら美月は答えた。

「大浴場は11時までか‥急いで行くか」

見るとテーブルの時計は10時30分を差していた。

「うん」


ルームキーは一つしか無いから俺が持つ事にする。

「じゃぁ‥11時に浴場の出口待ち合わせでいいか?」

「? 先に部屋に戻っていても良いよ?」

「いや、念の為一緒に行動しよう。ホテル内で、なんにも無いとは思うけど」

「分かった。えへへ」

美月は妙に嬉しそうに笑った。

「ん? どした?」

「何でもないよ〜」

「? 変なやつ」

話しながら廊下を歩き、大浴場に向かう。


浴場の入り口で美月と別れ、男性浴場へ。

終了時間ギリギリの為か、他には誰も居ないので気楽に入浴できそうだ。


身体を洗い、湯船に浸かっていると、壁の向こうの女風呂が騒がしい。

反響して内容は聞き取れないが、数人がお喋りをしている様だ。

「団体客でも入っているのかな‥」

漠然とそんな事を考えた。


風呂から上がると、浴衣を羽織って浴場入り口に戻る。

温まった体がけだるくも気持ちいい。


入り口で美月を待って立っていると、女性浴場から出てきた高齢の2人が俺の方をチラチラと見る。


浴衣の着付けがおかしいだろうか?

見直したが、特に変な格好では無い‥と思う。

そう言えば、さっき風呂で話していたのはこの人達だろうか。


更にもう一人、風呂から出てきた女性も合流して、3名がこちらを見てひそひそと話をしている。


浴場の前に立っているのを不審がられたのか‥しかし別に覗いている訳でも無いし‥。


と、小柄な女性が話しかけてきた。

「あの、こちらに来たのはご結婚式‥ですか?」

「はいぃ?」

予想外の質問に思わず声が裏返ってしまった。


「あ、やっぱり。貴方、お風呂に入ってるのお連れさんでしょ?」

多分その娘と言うのは美月の事なんだろう。


「ま、まぁ」

「待ち合わせ?」

「あ、はい」

「良いわねぇ、神田川」

「え? 神田川?」

‥神田川とは?


と、女性は身を乗り出して俺の顔を覗き込む。

「あんな良い子、大切にしてあげなきゃ駄目よ?」

「はぁ‥あの、美月とは?」

美月の親類が長野に居るとは聞いたことがない。

この人達は誰なんだろう。


「あの子、私がお風呂でキーを落として困ってたら一緒に探してくれてね」

女性は嬉しそうに身振りを交えて話す。


そこにもう一人、細身の女性が話題に加わる。

「そうそう、私の髪を洗うのも手伝ってくれて、リンスも貸してくれて‥」


更に3人目の女性も話題に加わる。

「聞いたら、彼氏と泊まってるって‥」

「あ、いや、彼氏と言うのは違いまして‥」

どうも美月は得意のコミュニケーションスキルで入浴中にこの女性達と仲良く成ったらしかった。


「そうよ、結婚なんだから、もう旦那さんよ」

細身の女性が訂正する。

「それはその‥」

正しく説明したほうが良いのだろうか?

実は兄妹で、祖母が倒れたので見舞いに来た‥と。


対応に悩んでいるところへ、

「あっ! おばちゃん達!」

浴衣姿の美月が現れた。


「あら、美月ちゃん」

小柄の女性が美月に手を振る。

「旦那さんってこの人でしょ?」

「旦那‥‥。はい、そうでーす」

美月は軽くぴょんと跳ねて答えた。

「ちょ、待て‥」


さすがに訂正しようとしたら、細身の女性が割り込んで来て、小柄の女性を制止した。

「ほら、お邪魔しちゃ駄目よ! 2人は今夜は水入らずで‥ねぇ?」

含むものが有る言い方をされた。

つまり、俺と美月が今夜‥って事?

言われて、脳裏に美月のセクシーな姿が浮かんだ。

「いや、そういうのじゃ‥」

言いながら慌てて想像を打ち消す。


「ああっ! ごめんなさい! 孫みたいで可愛いから、つい」

「いえいえ、大丈夫ですよぉ」

美月は笑いながら手を振り、言った

「今度こっちに来たら、是非ウチにも遊びに来て? 歓迎するわ」

小柄の女性は美月がずいぶん気に入った様だ。


「ほら、いつまで話してるの‥すみませんこの人、孫が居ないもので‥」

細身の女性が小柄の女性の手を引っ張って行った。


「うん、おばちゃん達、手紙送るね〜」

美月は立ち去る女性たちを手を振って見送った。

いつの間にか住所まで聞いているらしかった。


浴衣姿で並んで廊下を歩く。

時間が遅いからか、他に誰も居ない。

美月から、ふんわりと石鹸の香りがした。


「あの人達、風呂で仲良く成ったんだ?」

「うん、鍵を無くして困ってたから、一緒に探してあげた」

「俺達のこと、新婚と勘違いしてたみたいだった」

「んー、花嫁衣装合わせてたら遅くなって、今お風呂入ってるんです‥位しか話してないけどなぁ?」


‥そりゃ勘違いする。

おばちゃん達は悪くない。


エレベーターを降り、部屋に戻った。

ベッドにちょこんと座る美月。


「‥」

微妙に気まずい。


先程、おばちゃんに言われた言葉が頭をよぎってしまう。

「‥‥俺はこっちで寝る」

部屋の隅にあるソファを指差した。

「じゃぁ、私もそっちで」

「いや、それじゃ意味ないだろ」

「なんで? 一緒じゃ駄目なの?」

「そんなの‥分かるだろ‥俺だってその‥男なんだから」


実のところ、浴衣姿の美月は今までと違った、しっとりとした艶めいたものすら漂わせていて、俺は鼓動が勝手に早くなるのを抑えるのに必死だった。


「私は良いって言ってるのに‥」

「そんな事をしたら、俺が自分を許せなくなるんだ。それに明日は朝早いだろ。もう寝ないと」

「うーん、分かった。でもあ兄ぃ、ソファで寝るのは駄目だよ。風邪引くよ?」

「いや、どうしろってんだ‥」

ソファも駄目、ベッドで寝るのも出来ないとすると、もう手がない。


「じゃぁ、あ兄ぃが先にベッドで寝てよ。寝るのを待って私もベッドに入るから。それなら大丈夫でしょ? あ兄ぃは寝るの早いし、一度寝たら朝まで起きないもんね?」

「いや、しかし‥」

「それとも、やっぱり‥する?」

「あーーもう、分かった。出来るだけ早く寝るから少し待ってくれ‥」

「は~い」

何故かその時、美月は少しイタズラっぽい表情をした。


余裕の無かった俺はあまり気にせず、美月に背を向けてベッドに横になった。

美月が灯りを落とし、部屋が暗くなると意外に早く眠気が来た。

考えてみれば今日は朝早くからずっと緊張しっぱなしだった。


「子守唄、歌ってあげるね。 ♪〜」

美月はゆったりとした歌をハミングし始めた。

その声に導かれるように俺は眠りについていた。



翌朝。

ふわりとしたした温かさに気付き、目が覚めた。

身体に柔らかく、温かい物が押し付けられている感覚‥あれ、この感覚は何日か前にも‥。


状況を確認しようと目をひらくと、目前に有ったのは美月の寝顔だった。


更に視線を送ると‥美月の素肌が目に入ってきた。

美月は俺の身体に手を回し、抱きついて眠っていた。


俺と共に布団を被っているので、胸から下は見えないが‥どう考えても浴衣の肌触りではない。


「なぁっ?!」

予想外の事態に思考が混乱する。

起き上がろうとしたが、起きて確認したらマズい事が起こっていそうで、身動きできなかった。

この状況は何だ‥俺は昨晩、美月より先に寝たはず‥。


「ん‥‥おはよ‥」

寝ぼけまなこを擦りながら美月が目を覚ます。


「み、美月、これは一体‥」

「ん? 昨日、一緒に寝るって事にしたよね」

「それは覚えてる‥」

「良かった」

「だけど、この体勢は? まさか美月に‥」

「ううん、あ兄ぃは何もして無いよ、安心して」

美月は手を伸ばし、俺の前髪を優しく撫でた。


「そうか‥だとするとこの状況は‥?」

「えと‥着替えるから‥ちょっと目瞑ってて?」

「お、おう」


目を閉じると美月がベッドを出る気配がした。

『目を閉じると言う事は裸なのか?』

とは、さすがに尋ねられない。

ただ、衣擦れの音が微かに聞こえ、その度に胸が苦しくなる。


駄目だ、このままじゃ‥限界が‥。

目を瞑ったまま部屋を出ようとした時、美月が声を掛けた。


「ん、もう良いよ‥あ、ちょっと待って。もう少し目閉じてて」

「ん?」

急に何かあったのか?


『チュッ』

一瞬、唇に柔らかい感触。

驚いて目を開く。

「な、ななな?」

「モーニングキスだよ。あ兄ぃって、一度寝ちゃうとなかなか起きないから‥目、覚めた?」

「ああ、 覚めた‥」

「んじゃ、準備しよ」


美月は軽く俺をハグをすると、バスルームに行き、朝の準備を始めた。

モチベーション維持のためにもぜひぜひ感想とか教えて下さいませ。

気に入った部分だけでは無く、ここが“読みにくかった”“分かりにくかった”も、とても参考に成ります。

感想書いて下さる人には本当に感謝です。


また、連載形式で数日ごとアップしますので、読み逃し無いようお気に入り登録も宜しくです。


他にも小説家になろうに色々作品アップしてますので、良かったら見てみて下さい。

ファンタジーからSFまで色々揃えてます。


ミステリー探偵物語「ファインド・アイズ」

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ファンタジーラブコメ「ウチの弟が弟じゃない」

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SF未来アイドル「えれくとろんあーく」

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