7.地獄の特訓
「それだけ言いにきました」
「……」
「失礼します!」
そう言って、フランは去っていく。
扉が閉まり、王座の間に残った二人。
しばらくの沈黙を挟んで、国王はため息をもらす。
「はぁ……大した男だな」
「ええ。とっても良い子みたいで良かったですね」
「ふん、その程度では認めん。断じて否だ! ……が、まぁ精々見せもらおうではないか」
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「ただいま」
「お帰りなさい。もう良いの?」
「うん」
「そう、なら行きましょう」
僕は彼女についていく。
覚悟が決まったからなのか、身体も軽い気がする。
手を引かれなくても大丈夫だ。
彼女はまっすぐどこかへ向かっている。
気になった僕は、歩きながら尋ねてみる。
「どこに行くの?」
「つけばわかるわ」
そう返されてからは、黙って彼女についていった。
階段を下る。
ここは一階だったから、地下に向っているとわかった。
城の地下は二階まであるらしい。
地下一階は地上と変わらないくらい明るかった。
続く地下二階は、明らかに雰囲気が違う。
廊下は古く、照明も少ない。
他の階とは比べて変だけど、僕にはこれくらいのほうが落ち着く。
「着いたわ」
「ここ?」
「そうよ」
古い扉の前に立っている。
小さな看板には、つぶれた文字で何とか倉庫と書かれていた。
彼女が扉を開け、中へと入る。
中は暗くて、埃っぽかった。
「ここにはね? この国が出来た頃の道具が保管してあるの」
「そんなに昔の道具が?」
「ええ。それもただの道具じゃなくて、魔道具よ」
魔道具。
魔法の力が込められた道具のことをそう呼ぶ。
簡単に言うと、とても便利な道具だ。
様々種類があり、魔法技術の発展とともに、現代まで進化を続けている。
現代では利便性と簡易性が重要視されているとか。
「これ全部そうなの?」
「ええ」
「す、凄いなぁ」
「と言っても、ここにある物は古すぎて壊れていたり、使い道がわからないものばかりよ」
そう言いながら、彼女は棚から古びた腕輪を手に取る。
「これをつけて」
「腕輪?」
彼女は頷く。
僕は言われるまま、腕輪を受け取り右手に装着した。
次の瞬間、僕は膝から崩れ落ちる。
「お、重い?」
「そうよ。その腕輪を装着すると、自分の体重が三倍になるの」
「なっ、何それ……っ」
何に使うんだ?
と、自分でも突っ込みたくなる。
レミリアは笑いながら、僕に言う。
「よくわからないでしょ? でも、特訓にはうってつけだわ」
「そ、そうだけど……」
「今日からずっと腕輪をつけて生活しなさい」
「えっ……じょ、冗談――」
「出来ないとは言わせないわよ?」
この時の僕は知らなかった。
彼女はびっくりするほどスパルタな性格だったということを……
こうして、地獄の特訓が幕を開ける。




