↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
7/20

7.地獄の特訓

「それだけ言いにきました」

「……」

「失礼します!」


 そう言って、フランは去っていく。

 扉が閉まり、王座の間に残った二人。

 しばらくの沈黙を挟んで、国王はため息をもらす。


「はぁ……大した男だな」

「ええ。とっても良い子みたいで良かったですね」

「ふん、その程度では認めん。断じて否だ! ……が、まぁ精々見せもらおうではないか」


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


「ただいま」

「お帰りなさい。もう良いの?」

「うん」

「そう、なら行きましょう」


 僕は彼女についていく。

 覚悟が決まったからなのか、身体も軽い気がする。

 手を引かれなくても大丈夫だ。


 彼女はまっすぐどこかへ向かっている。

 気になった僕は、歩きながら尋ねてみる。


「どこに行くの?」

「つけばわかるわ」


 そう返されてからは、黙って彼女についていった。

 階段を下る。

 ここは一階だったから、地下に向っているとわかった。

 城の地下は二階まであるらしい。

 地下一階は地上と変わらないくらい明るかった。

 続く地下二階は、明らかに雰囲気が違う。

 廊下は古く、照明も少ない。

 他の階とは比べて変だけど、僕にはこれくらいのほうが落ち着く。


「着いたわ」

「ここ?」

「そうよ」


 古い扉の前に立っている。

 小さな看板には、つぶれた文字で何とか倉庫と書かれていた。

 彼女が扉を開け、中へと入る。

 中は暗くて、埃っぽかった。


「ここにはね? この国が出来た頃の道具が保管してあるの」

「そんなに昔の道具が?」

「ええ。それもただの道具じゃなくて、魔道具よ」


 魔道具。

 魔法の力が込められた道具のことをそう呼ぶ。

 簡単に言うと、とても便利な道具だ。

 様々種類があり、魔法技術の発展とともに、現代まで進化を続けている。

 現代では利便性と簡易性が重要視されているとか。


「これ全部そうなの?」

「ええ」

「す、凄いなぁ」

「と言っても、ここにある物は古すぎて壊れていたり、使い道がわからないものばかりよ」


 そう言いながら、彼女は棚から古びた腕輪を手に取る。


「これをつけて」

「腕輪?」


 彼女は頷く。

 僕は言われるまま、腕輪を受け取り右手に装着した。

 次の瞬間、僕は膝から崩れ落ちる。


「お、重い?」

「そうよ。その腕輪を装着すると、自分の体重が三倍になるの」

「なっ、何それ……っ」


 何に使うんだ?

 と、自分でも突っ込みたくなる。

 レミリアは笑いながら、僕に言う。


「よくわからないでしょ? でも、特訓にはうってつけだわ」

「そ、そうだけど……」

「今日からずっと腕輪をつけて生活しなさい」

「えっ……じょ、冗談――」

「出来ないとは言わせないわよ?」


 この時の僕は知らなかった。

 彼女はびっくりするほどスパルタな性格だったということを……

 

 こうして、地獄の特訓が幕を開ける。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。