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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

選別の園

作者:こうた
最新エピソード掲載日:2026/05/10
長崎県で開催された大規模ライブ会場で、テロにより未知のウイルスが散布される。感染者は血液型B型およびAB型に強い致死的反応を示し、発症後短時間で死亡、その後“徘徊する存在”へと変異する。一方、A型およびO型は一時的な発熱のみで回復するが、ウイルスは体内に残り続けるという不可解な特性を持っていた。感染は接触や体液を介して拡大し、瞬く間に長崎市全域へと広がる。

警部補・神崎は相棒の藤堂らとともに現場に投入され、当初は通常の感染症災害として対応を進める。しかし調査が進むにつれ、感染パターンが偶然ではなく“選別”のような構造を持つことが判明する。やがて自衛隊による長崎封鎖が実施され、都市は外界から完全に隔離される。

同時に、事件の背後には「選別の園」と呼ばれる宗教団体の存在が浮上する。この団体は明治期の学生サークルを起源とし、時代とともに思想を変質させ、最終的に「人間は平等ではなく、適応によって選別される」という理念に到達していた。さらに欧州・東南アジア・南米の研究者ネットワークが関与し、ウイルス設計や理論補強が世界規模で進められていたことが明らかになる。

神崎たちは戦闘や潜入を経て真相に近づくが、組織は単一の悪意ではなく分散した思想と研究の集合体であり、完全な黒幕を特定することはできない。最終的に教団は崩壊し、天城ら中枢も行方不明となるが、長崎の封鎖は継続され、感染の影響も完全には消えない。

事件後の世界では、血液型や体質差への認識が社会に残り、人間の平等性そのものが揺らぐ。神崎はそれを「終わった事件ではなく、形を変えて続く現象」と理解し、長崎を見つめながら物語は幕を閉じる。
第1章「崩壊の開幕」
第1話「開演前」
2026/05/10 09:56
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