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ゾンビの恋人  作者: 鳥原 麻生
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お守り

 放課後、優介と留奈は電車に乗り、魔女の屋敷に向かった。

 応接間に入ると、前もって電話で事情を聞いていた摩耶が心配顔で出てきた。


「大変なことになったようね」

「先生! 助けてください」

 留奈が摩耶の右腕にすがりついた。


「僕も助けてください!」

 優介は左腕にすがりついた。


「まあまあ、落ち着いて。お座りなさい」

 二人は救い主の懐に飛び込んだような安心感を抱き、泣き出した。


 摩耶は彼らの前にティッシュの箱を置き、

「さあ、涙を拭いて。私が何とかしてあげるから、安心してちょうだい」

「ありがとうございます。頼れるのは先生だけなの」

 摩耶はうなずくと、小さな袋から水晶玉を取り出した。


「これを持っていなさい。そうすれば、いかなる悪霊も近づくことはできないわ」

「ありがとうございます!」

 留奈は水晶の入った袋を受け取ると、ゴクッと唾を飲んだ。

「先生、おいくらでしょうか」


「三千円でいいわ」

「えっ、そんなにお安いんですか。私を救ってくれるお守りが」

「私は金儲けのためではなく、人助けのためにこの仕事をしているって言ったでし

ょ。本物はね、学生さんからぼったくるようなまねはしないの」

「先生、ありがとうございます! 先生のような方に巡り合えて、私、本当に運が

良かったです」

「沙織は運が悪かったんだな」


 摩耶がうなずき、

「そうね。苦しい時には自分の欲望を簡単に叶えてくれる人に引っ掛かりやすくな

るのよ。それで苦しみをもっと深めてしまうの」


「私も沙織みたいに苦しい思いをしたら、同じことをしていたかもしれない」

「すまない。みんなイケメンの僕が悪いんだ」

 優介は二人の女性に睨まれ、口をつぐんだ。

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