表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゾンビの恋人  作者: 鳥原 麻生
28/61

ゾンビの落ち着き

「おい、漫才!」

 放課後、佳治がしつこく誘ったが、優介は「塾に行くから」とウソをついて断っ

た。沙織はそれを聞いて満足そうな笑みを浮かべ、美奈子と部活に行ってしまった。


 華道部で、男子生徒は一人もいない。今日も一日、沙織に浮気されずに済んだよ

うだ。優介はホッとして教室を出た。

 校庭に出ると、後ろから美しい声に名前を呼ばれた。

(留奈だ)

 前ならびっくりして跳び上がっていたところだが、ゾンビになった今ではドキッ

とすることもない。今朝のように普通にしゃべれそうだ。


 優介は元気の無いゾンビ・スマイルを浮かべて振り向いた。

 留奈は爽やかなエンジェル・スマイルを浮かべて立っていた。

「一緒に帰らない? 嫌じゃなければ」

「えっ、マジ? もちろん嫌じゃないよ」


「だって、沙織と付き合ってるんでしょ?」

「別に付き合ってるわけじゃない。沙織が誰かと付き合わないように監視している

だけだ」

「意味分かんない」

「だろうな」

「ねえ、優介君、何かあったんじゃないの? だって、普通にしゃべっているもん」


 いつもの優介は留奈の前に来ると、全身を震わせてろくにしゃべれなくなってい

たので、今のほうが異常に見えるのだった。

「どうして普通になったの? 何かあったの?」

「話したいけど、話したって信じてもらえないよ」


「そんなことない! 優介君はウソを言う人じゃないって信じてる」

「マジ? ありがとう!」

 優介は冷たい手で留奈の手を握った。こんな行動は今まで考えられなかったこと

だ。

 ゾンビになって良かった、と初めて思った。


「冷たい」

 留奈は驚いて思わず手を引っ込めた。

(なんでゾンビになんかなったんだ。結局プラマイ0か?) 


 くだらないことを考えていると留奈が心配そうに、

「間違ってたらごめん……もしかして病気?」

「いや、むしろ二度と病気をしない体になったんだ」

「意味分かんない」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ