気持ち
「ここをこうすると……、これがこうなるだろ。という事は……ここをこうして……。って! あぁ!! ダメか! くそ! じゃあ……ここの所を押さえておいて……っと。ここをこう……、あっ! 違っ!! あ〜!! 危ねぇ! だから……、こうしたら……。!! よっしゃあ!! 出来た!」
「何言ってるの?」
姉がノックもせずに突然入って来ては、話し掛けてきた。もういつもの事なので気にならない。
「何?」
何の事だか分からない俺は首だけドアの方に向けて聞いた。
「あのね! 聞いてるのは私なの!」
姉は何かイライラしているようだ。
「だから何?」
全く状況が掴めず、もう一度聞く。すると姉は、
「アンタねぇ! 何を大きな声で言ってるの? って聞いてるの!?」
と言う。
「俺何か言ったか? 何言ってんだアネキ。頭悪くなったのか?」
と考えていると
「ちょっと! 何が言いたいのよ!!」
突然、姉がキレた。全く訳が分からない。
「だから何だって言うんだよ!」
と俺も逆ギレすると、姉は不思議そうな顔をして、
「アンタ。気付いてないの?」
と言ってくる。
「はぁ!? 何アネキ訳分かんねぇ事言ってんだ?」
と思っていると、
「アンタさぁ……。考えている事、全部口から出てるよ……。気付いてないんだね」
と言って部屋から出て行った。
「考えている……事? 口から出てる?」
少し考えていると、
「あ〜!! 俺心の中でしゃべってるつもりで、マジでしゃべってた!」
と自分の行いに気が付き、うなだれた。
『結構、後味の悪ぃ事、俺言ってたな。やべぇ!! 後でアネキ怖ぇぇだろうなぁ……。ハァ』