6-4 会議1
ダンジョンを見に行った次の日、冒険者たちが、強制騒動環境に送還される前にギルドでダンジョンにはものすごい宝がありそれを売ればたくさんの富が得られると騒いだ。
冒険者たちは兵士に連れていかれたがそれを聞いたほかの冒険者たちがどんどんその話を本気、冗談の両方で拡散していき、ダンジョンに行こうとするものが出てきた。
「とまあ、そんな事があったのですが、そのダンジョンに入れた者がいなくて、一度だけ入ったパーティーが依頼として受けていた時の依頼主、シャティさんを探しているとのことです。」
「そうなっていたのですか、」
ダンジョン攻略から一週間経ち、私は大臣たちを集めて、週一の会議を開いていた。
その会議で、攻略をした後のことについて各大臣から報告を受けていた。
「シャティとは女王様ですよね?」
「はい、私が使った偽名です。」
「まあそこはどうでもいいとして、最初は冒険者たちはダンジョンに入ろうとしました。」
「、、でも入れなかった。
それで今の状況である一度だけ入ったパーティーの依頼主を探す、と。」
「はい、それで今回の依頼が王族からというものだったので、この城にいるのではないかと、お城を張っている者がいるのです。」
「ふむ、じゃあまずは全部で30個あるダンジョンのうちの私が調査した一つを解放しますか。」
「まあ、それがいいんですが、これをこの国の資源にしてしまおうという提案があったのです。」
「はあ、よく噂だけでそこまで考えましたね。」
「あくまでも〝そうであったら〟の話なんですよ。」
「でもそれは本当のこと、、ならもう公開してしまいましょう。」
思い切ってしまおう。でもダンジョンを国の資源にするならきっと戦争が起こるかもしれない。
「でもダンジョンを独占したら戦争が起こるかも知れません。
ダンジョンの中のお宝などを他国が黙って見ているとは限りません。いえ、自分の国にいちばん近いダンジョンを自国の領土の資源にするために侵略してくるでしょう。」
「まあ確かにその通りだ。」
「ですので、ダンジョンは一度攻略をして危険がないのを確認してから開放する。
今はダンジョンに結界を貼って私の許可がなければ入れないようにしていますが、開放する時にはその結界を変えようと思います。」
「え?完全に解放するのではないですか?」
やはり分かってないのか。
「ダンジョンはとても入り組んでいて、一度はぐれたりしたらなかなか会えません。」
「まあ、それは分かりますが、」
「つまり、ダンジョンの中で人殺しを行ってもわからない、ということです。
まあ、からないというのは言い過ぎかも知れませんが見つけるまでは時間がかかる。
そして犯人はその時間で逃げることが出来る。
だからダンジョンに行けるようにする人は真剣に見極めないといけません。」
私の言葉を聞いて大臣たちは言葉を失い、少しの時間をかけて納得していった。
「なので私はダンジョンに入るのに特殊なカードを作ろうと思うのです。」
「カード?」
「はい、私の作った結界を通れるもので、結界を通る時にその所有者がカードに魔力を通すと結界を通れるというものです。」
「いや、それではそのカードを使い回したり、売ったりするものが現れるのではないかな?」
いい所をついてくれた。でも、その解決策は既にある。
「私の魔法で所有者を固定します。
そうすることで売って悪い人の手元に行くのを防ぎ、盗難をされてもいいようにします。
まあ、盗まれないようにするのが普通なんですが、」
「確かに、それならダンジョン内での犯罪は起きなさそうですね。」
「でも、そのカードは女王様しか作れないので時間がかかり、一つのパーティーで攻略をしに行くのにも出来上がるまで時間がかかるのではないでしょうか?」
時間の問題。そう思うかもしれないけど、私の魔法でいくらでも時間が取れるから大丈夫。
「それと、この後冒険者ギルドのトップ、グランドマスターに話をしに行きます。」
「え?何でそうなるのですか?」
「ダンジョンに入る人は冒険者から選ぶとして、そのついでに冒険者の中で今まで悪いことをして見つからなかった人もいると思います。
なので悪い冒険者をこの際全員見つけてしまおうと思ったのです。」
私がこの前ギルドに行った理由。
一つは冒険者登録だが、もう一つはダンジョンの開放について、中で悪行をする人がいるかもしれない中で、この国のギルドにどれだけ悪人がいるかを調べるために冒険者に行った。
(まあ、スキルを使って調べてみたら2人いたんだよね。)
「ということは、グランドマスターに冒険者を一人一人罰する許可をもらいに行くのですね?」
「まあ、そんな感じ?」
「それなら今すぐ連絡を取ってきます。」
「うん、お願いね。」
一人の大臣が席を立ちダンジョンについての会議が終わった。
(はあ、もう一つ議題があるなんて、女王って忙しいな。)
今回の会議の本当の目的はこれからだった。
「次の議題に入る前に、一度休憩にしましょう。」
みんな頷き、会議室から出ていった。
時刻は昼頃、昼食時だろう。
私が一つ目の議題で大臣のひとりにまとめてもらっていた紙を回収していると、グラマスに連絡をしに行った大臣が戻ってきた。
「魔導具を使い話をしたところいつでもいいとの事です。」
「ありがとう、それで入ってくるわ。どこの国にいるのかな?」
「テスカトル王国の右側に位置しているアダムスタ帝国です。」
アダムスタ帝国、確かディルシー・アダムスタという女性が支配している国だと子供の頃勉強した。
他国に他国の女王が入るので一様挨拶をしておこうと思う。
(でも、アポとってないし大丈夫かな?
最悪の場合は宣戦布告と受け取って戦争になるかも、、)
私がとった行動。
「助けて!テイナー!」
昔の仲間に助けてもらう。
テイナーに何があったか話して答えを求める。
「それなら多分アポ無しで行っても大丈夫ですよ。」
「ほんと?」
王様同士のアポ無しでの面会は多々あることでそれが魔王を討伐した勇者の仲間ともなれば断る理由がないという。
(思ってたよりも簡単だったんだ。)
早速アダムスタ帝国にむかった。
「風を切る感覚がいいなー。」
空を飛ぶことがあるのはいつも急いでいたり緊急事態で空を飛ぶのを楽しんだことがなかったが今回は時間が充分あるので楽しむことが出来た。
アダムスタ帝国に到着した。
国境は結構前にこえていたが、いちばん立派な城に着くのには少し時間がかかった。
きちんと兵士がたっている正門から入ろうとする。
「お城にどんなご要件でしょうか。」
兵士の2人が持っていた槍を交差させて通れないようにする。
「ディルシー・アダムスタ女王に挨拶をするために面会がしたく、まいりました。」
「挨拶?紹介状をおもちで?」
持っているはずがない。
「いえ、持っていません。」
「それでは面会はできません。」
困ったな、なんでダメなんだろう。
少しの間考えると他の王族等は馬車や護衛を連れているが私はその身一つで来ているのを思い出した。
「ではこれならどうでしょうか。」
そう言って懐からテスカトル王国の紋章がある懐中時計を見せた。
これは大臣の案で紋章をつけた物を作りそれを身分証替わりにしようというものだ。
「な、これはテスカトル王国の紋章!?」
兵士は驚いている。
「あなたのお名前を聞いても?」
少し態度がかしこまった気がする。
「はい、私はシャルティア・テスカトルです。」
「テスカトル女王!?
か、確認のため少しお時間をください。」
そう言って兵士は門の向こうへ走っていった。
数分で兵士が戻ってきて入っていいと言われる。
「こちらになります。」
兵士の人が城の中の応接室と思われる場所に案内してくれて私はそこでアダムスタ女王を待つことにした。
これまた数分でアダムスタ女王がきた。
「これはテスカトル女王、本日は来ていただきありがとうございます。」
「いえ、私の方こそ急に来てしまい忙しいところすいません。」
そして今回の本題に入る。
「それでご要件はなんでしょう。」
「ただの挨拶ですよ。
一様、一国の女王なので他国に行くならまず王に挨拶はしようと思ったのです。
ちなみに今回ここに来た理由は冒険者ギルドのグランドマスターに話があってきました。」
「そうですか。それでは案内させましょう。」
「ありがとうございます。」
アダムスタ王国の冒険者ギルドに行く。
兵士には手前で帰ってもらった。
(いい兵士達ですね。)
心の中でアダムスタ帝国の評価を上げていた。
早速ギルドに入る。
ギルドの中の雰囲気はテスカトル王国とあまり変わらず、私のことを見て気持ち悪い視線を送るところまで一緒だ。
私はそれを無視して受付へ進む。
「ねーちゃんちょっと遊ばないかい?」
そう声をかけてきた人がいたが無視して空いている受付に転移する。
「すいません、グランドマスターに話があるんですけど、」
そう言って受付嬢にアダムスタ女王の紹介状を渡す。
その差出人を見た受付嬢が一瞬固まったがすぐに上の階に走り出した。
「おい無視すんなよ。」
先程無視した男が私の方に歩いてくる。
私は無詠唱でファイヤーボールを10個背中に展開する。
「すいません少し黙っててください。」
そう言いながらファイヤーボールを維持しつつ魔力を外に放出する。
それで男は怯えてしまったのか白目をむいて倒れてしまった。
「あら、大丈夫でしょうか。」
魔力の放出を止めてファイヤーボールも無くして男の方を見る。
邪魔だったので質量魔法で重さをなくして風魔法で男をどかす。
「ヒール」
回復魔法特有の淡い緑色の光が男を包む。
すると男は白目を戻して起き上がった。
「な、て、てめぇ!」
男は怒ったのかこちらに向かってくる。
「何をしてるのかな?」
突如、その室内に幼さを残した女性の声が響いた。
「あなたがグランドマスターですか?」
「うん。ボクがグランドマスターだよ。
君がボクに用があるっていうシャルティア様かな?」
「はい、シャルティア・テスカトル、テスカトル女王です。」
それを黙って聞いていた冒険者たちは驚き、頭を下げた。
(え?何でこうなったの?)
どうしてこうなったのかは全くわからないが、この状態は辛い。
「皆さん頭は下げなくていいですよ。
グランドマスター、話があるのでいいですか?」
「え?ま、まさか冒険者がシャルティア様に無礼な行いをしちゃったかな?」
「まあ、確かにそれもありますけど、そのことについてはまた今度にしておきます。」
「ふぅ、助かった。」
(助かったって私は恐怖の対象か?)
そう考えているとグラマスが応接室に案内してくれた。
「それでなんのお話かな?」
私はダンジョンと冒険者についてのことと、悪人の一掃のことについて話した。
「ふむ、それはとても魅力的な話だ。でも本当に出来るのかい?」
「あなたが手伝ってくれるのならば不可能ではないです。」
「わかったボクにできることなら何でもするよ。
あ、名前をまだ言ってなかったね。
ボクはシファよろしく。」
「こちらこそよろしく。」
こうして、会議の休憩中に一つ目の議題についてほぼ達成したと言える。
後はシファに今いる冒険者を集めてもらい、1度に確認するだけだ。
そう、ダンジョン入場テストという形で楽に冒険者を集めることができるようになった。
話を終えた私は空を飛びながら二つ目の議題について考えていた。




