激励とサンドイッチ
レノンとティアはルゥマという女性が営む飲食店へと入って行った。
店自体は小さいものの中には数人の男達がワイワイと楽しそうに会話をしながら食事をしていた。
「いらっしゃい! 待ってたよ! 空いてるとこ座んな!」
そう言われ2人はのどかな風景が見える窓の近くの席に座った。
「はぁ〜お腹すいたね〜。ティアは何食べる?」
「そうねぇ……。サンドイッチとミルクにするわ」
「わかった! ルゥマさん! ビーフシチューとサンドイッチ、あとミルクを2つお願い!」
レノンの注文に「わかったよ!」と答えルゥマは店の奥へと入って行った。
「よし、これからについて色々話そうか。フィルメーラの事はよくわかんないからティアの知ってること全部教えて?」
「いいわよ。まずフィルメーラっていうのは“騎士王ライオハート”が治める騎士国家よ。私の国より少し小さいかしら。あの国の治安は世界一ね!料理も美味しいし国民全てが笑顔で健康に過ごせる国だと私は感じたわ」
「私の国とフィルメーラは交流があってね、お爺様にはよく遊んでもらったわ。落とし子の回収もきっとスムーズに終わると思うわよ」
ティアは自慢気にフィルメーラの事を話す。
フィルメーラの国民の優しさだとか毎年開催されているお祭りの楽しさだとかそんな事を笑顔で嬉しそうに話している。
2人がそんな話をしていると注文した料理が運ばれてきた。
「はいよ! お二人さん! ゆっくり食べな!」
ルゥマはそういうとレノンの隣にドカッと座った。
「レノ〜ン。あんたいつのまにこんな可愛い子を嫁にもらったんだい? それにこんな大荷物、あんたら新婚旅行にでも行く気?」
ルゥマにからかわれてレノンは顔を赤くして必死に否定していた。
「そ、そんなのじゃないって! 少し事情があってこれから色んな所に行かなきゃならないんだ」
「そ、そうです! まだ結婚なんて考えてませんし、する予定もありません!」
2人のおどおどした様子を見てルゥマは楽しそうに笑い、隣に座っているレノンをグッと引き寄せ豪快に頭を撫でながら力強い声で2人に告げる。
「おばさんの軽い冗談だよ!‥‥まぁ、あんたらがこれから何をしようとしてるかは知らない。でもこれだけは約束しとくれ。無事に戻って“2人揃って”またご飯食べに来な」
レノンとティアは一瞬顔を見合わせ、ルゥマの強く優しさに溢れた言葉に笑顔で答えた。
「うん!」
「はい!」
「気をつけて行って来な!」
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2人は大きな荷物を持って村の出口に立つ。
ティアはルゥマが「途中で食べな」と持たせてくれたサンドイッチを潰れないように優しく抱えている。
「じゃあ行ってくるよ! ルゥマさん、帰ったら色んな話をするよ!」
「行って来ますね、おばさま。美味しい料理また作ってくださいね!」
そういって2人はルゥマに手を振り、背を向けてフィルメーラへと歩き出した。
そしてルゥマは2人に手を振り返し、姿が見えなくなるまで出口に立っていた。
ルゥマは笑顔で2人を送り出したが、なんだか少しだけ寂しそうにも見えた。
だいぶ遅くなりました・・・。趣味とはいえ流石に遅すぎですね。これから投稿スピードもあげていきたいと思います。