ノース視点
今話から2話続けてノース視点でお送りします。
マルクス君とのお出掛け(デート)をした次の日、私はミレイちゃんと試合の観戦に来ていた。ミレイちゃんとは実践授業をした後から、妙に気があった。魔法の練習では互いにいいライバルとして切磋琢磨し、それ以外ではシャルちゃんと一緒に街のスイーツの食べ歩きや、恋話をしたりしている。恋話の時のミレイちゃんの惚気具合と言ったら、それはもう、ホントに羨ましくなる。クラシャ王子と付き合っていて、王子はミレイちゃんに属魂だし、ミレイちゃんもミレイちゃんで呆れながらも、いつも嬉しそうにしている。私だってリオル君と付き合いたいなぁ〜。私はリオル君に一目惚れだった。入学式で1年生の主席として話していた時、胸が激しく脈打った。その時はまだ恋をしたことは気づいてなかった。でも同じクラスになって、実技のペアになって、バイクを一緒に作って、リオル君の優しさに惹かれていった。最初の日に好きな人がいるかって聞かれて、つい居ないって言っちゃったけど、もうあの時にはリオル君が好きになっていた。いつか気持ちをちゃんと伝えたいな。
それより今は試合の観戦をしないとね。ミレイちゃんはとても勉強熱心だ。さっきから頻りに色んな人の戦い方をメモしてる。
「ノースちゃん、あの戦い方はさっきの人と似てるね。僕にはまだ難しいけど、すぐにできるようになるから!」
「私だって負けないよ。ミレイちゃんが出来る頃には、私はもっとすごいことできるようになってるからね♪」
こんな感じで2人で勉強している。にしても今頃リオル君は何してるのかな?
「あ、ノースちゃんリオル君のこと考えてるでしょ?」
えっ!なんでバレたの!?
「ふふ、ノースちゃんてわかり易いね。今、なんで分かったの!?って顔してる。」
そんなに分かるのかな?
「残念、なんでバレたの!?って考えてたんだよ。」
悔しかったから言い返したら、
「同じじゃん。」
って言われちゃった…。
「今日はリオル君、シャルちゃんとお出かけなんだって。」
「知ってるよ。昨日、部屋でシャルさんが嬉しそうにしてたもん。」
相変わらずミレイちゃんはシャルちゃんをさん呼びしてるな。この前聞いたら、特に意味はないらしい。なんでだろ?シャルちゃんもミレイちゃんのことさんずけだし…。いや、今はそんなことより、
「う、嬉しそうにって、シャルちゃんって好きな人いないんだよね。確かに私も少し不安だったけど、リオル君のこと好きになったりしないよね。」
「さぁ〜、分からないよぉ〜。リオル君イケメンだし、優しい、強いからね。モテ要素三種の神器が揃ってるよ。」
だから不安なんだよおぉぉぉ〜!
「うぅ、シャルちゃんがリオル君のことを好きになっちゃっなら私は勝ち目ないよ。スタイルいいし、顔も綺麗だし、頭いいし、魔法のことだって私なんかより知ってるもん。」
「はは、大丈夫だよ。ノースちゃんも充分可愛いからさ。それにシャルさんが嬉しそうにしてたのは長年の夢が叶うからだよ。」
「夢?なにそれ?」
「それは自分で聞いてね。あ、でももしかしたらシャルさんがリオル君のこと好きになっちゃうかもね。1日デートなんでしょ?どうする?下の名前で呼び合うようになってたら。」
もう、ミレイちゃんはいつも私をからかってくる…。でももしそうなったらどうしよう。
「ま、今日は試合も終わったし、僕達は寮に戻ろう。」
「そうだね…。」
私は一抹の不安を抱えながら、重い足取りで寮に戻ったのだった。
残念ながらミレイの予想通りリオルとシャルはお互いに下の名前で呼び合うようになっていますね(´・ω・`)
次回はいよいよノースの身に何があったか明らかに!?