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更新遅くなりました。今回はシャル(エバンス)との1幕です!
翌朝、俺はエバンスとの待ち合わせの場所に来ていた。時間は5分前。服装はジャージ姿。別にノースが一緒じゃないから、動きやすい格好でいいよね。にしてもどこに行くんだろうか。
「すみません、マルクス。待たせてしまいましたか?」
エバンスが来た。時間通りだな。
「いや、俺が早く来すぎただけだ。にしても時間ピッタリだな?」
「もう少し早く来る予定だったんですけど、ミレイさんの着替人形にさせられまして。」
やりそうだな。ご愁傷様。でもま、さすがミレイだな。元々容姿は抜群のエバンスだか、母親譲りのスタイルのよさと、茶髪のロングヘアーによく合う服装だ。ノースリーブのシャツとジーパンを着ている。
「似合ってるからいいんじゃないか?」
一応思ったことを素直に伝えておく。
「ありがとうございます。それより今日は私のために時間を割かせてしまいすみません。」
「別に俺も暇だったから問題ないよ。で、結局どこに行くんだ?」
ようやく本題。
「えっと、笑わないでくださいよ。」
何を話す気だ?
「まぁ、内容によるが、多分大丈夫だ。」
「実は私、この学園を卒業したら冒険者になりたいんです。その、女のくせに冒険者なんて笑われて当然だと思うんですけど、私は本気で目指してるんです。それで今日はせっかくの休みなので、冒険者ギルドで登録を行おうかと…。」
ふむ、
「冒険者か。いい目標だと思うぞ。むしろ笑う要素なんてないだろ。女だからなんだよ。クルーナ先生は間違いなく、そこら辺の男より強いし、そもそも俺だって冒険者に憧れてんだ。だからその本気で目標を目指す気持ちは分かるぞ。」
少しキザったらしいか?まあいいや。
「あなたは変わってますね。私の周りの人はみんな冒険者は荒くれ者の集まりだとか、魔術の才能があるんだから宮廷勤めをすればいいと言いますから。」
「ま、人間やりたいことをやるのが一番なんだよ。それより、なんで俺なんだ?登録だけならなにも俺と行かなくてもいいだろ?」
「1つは正直怖いからです。自分でこうゆうことは言いたくないんですが、やはり冒険者ギルドは流れ者とかが多いですから、可愛い女の子を1人でそんなところに行かせるわけにはいけないでしょ?」
舌をペロッと出してウィンクするエバンス。なにこれデジャヴ。自分で可愛いとか言ってるところとか。
「その顔でウィンクはやめてくれ…。俺のトラウマが刺激される。」
「あ、ごめんなさい。悪気はなかったんです。」
あざとかわいかったから許す。
「大丈夫。それで2つ目は?」
「ミレイさんにマルクスも冒険者になりたいって言っていたって聞いたので、なんなら一緒に登録をしようかなと。」
俺、ミレイにそんなこと言ったっけ?ま、さっき自分でも言ったからいいか。
「なるほど。俺でいいなら付き合うぜ。」
「ありがとうございます。では早速行きましょう。」
「りょーかい。」
こうして俺達は街へ繰り出していった。
☆
今、目の前には3階建ての家がある。
「ここが王都の冒険者ギルドですね。」
エバンスが嬉しそうに言う。
「みたいだな。まさか王都で冒険者登録が出来るとは思ってなかったな。」
「私は登録をするなら絶対に王都でやるって決めてたんです。」
「そうなのか?確かにギルドカードが王都発行だったらかっこいいな。」
「はい!」
すごく興奮してるな。そんなに嬉しいのか。
「では、中に入りましょう。」
「おう。」
☆
ギルド館には大勢の冒険者がいた。重そうな鎧を着ていたり、杖を片手に持っていたりとそれぞれだ。
「受け付けはあそこですね。」
エバンスが指さす方に目を向けると、カウンターがあり、受付嬢がいた。俺達はそこに向かって歩く。
「おはようございます。本日はどのようなご要件でしょうか。」
「あのー冒険者登録をしたいんですけど…。」
「登録は2名でよろしいでしょうか。」
「はい、お願いします。」
「承りました。」
そう言うと受付嬢は2枚のステータスカードをカウンターに出した。ただ、学園の授業の時に使った銀のものではなく、黄色い塗装がしてある。
「それではこのカードに魔力を流してください。これは特別性のステータスカードですので、意図的に隠したい場所がある場合は、そこを隠そうとしたら表示されません。ただ、名前とギルドランクだけは隠すことができませんので、ご了承ください。」
そう言って俺達にカードを差し出す受付嬢。それを受取り、魔力を流す。さて、とりあえず魔力だけ隠すのもなんだから名前以外は全部隠しとくか。
ステータスカード
名前・・・リオル・マルクス
※その他隠蔽
ギルドランク・・・Dランク
名前・・・シャル・エバンス
種族・・・人族
魔力量・・・5000
使用可能属性・・・火、風、光
特殊保有能力・・・状態異常治癒
ギルドランク・・・Dランク
エバンスはとくに手は加えなかったみたいだな。そんで、ランクはDからか。
「それでは冒険者の説明を行います。」
曰く、ランクはSSS、SS、S、A、B、C、Dとありランクが上がるごとにカードの色が変わるらしい。上から金、白金、銀、黒、赤、青、黄だそうだ。また、冒険者は依頼を受けて、それを完遂することで、報酬がもらえるらしい。依頼内容は大きくわけて3つあり、手伝いと採集そして討伐だ。手伝いは街の中での仕事の手伝いや、迷子の猫探しなどでDランクの依頼はこれだけだ。
手伝いの依頼を10個クリアすると、Cランクに昇格。ここからが冒険者としての本格的な仕事の始まりだ。採集は街の外の薬草や、解毒草などを取りに行く依頼で、討伐は、魔獣や魔物の討伐である。魔獣は元ものが、魔力の暴走により暴れだしたものを指し、魔物はオークやオーガ、ゴブリンなどの亜種族と呼ばれるモンスターたちのことを指す。そして、高ランクになってくると、それ以外にも、迷宮探査の依頼が追加されるらしいが、それはなってから説明してくれるそうだ。ノルマなどはなく、自分のペースで依頼を受けていっていいそうだ。
「以上で説明を終わります。さらに詳しく知りたければ、あちらの本棚に冒険者の心得がありますので、ご自由にお読み下さい。それではお2人のご健闘をお祈りしております。」
「ありがとうございました。」
エバンスはそう言って受付嬢にお辞儀をした。ホクホク顔である。かく言う俺もちょっとワクワクしてたりする。
「エバンス、外に出るぞ。」
「は、はい!」
それを悟られまいと足早にギルドをあとにしたのだった。
シャルさんって意外とお茶目なところがあるんですね-w次回はマルクスの魔法練を中心に書いていきます。