脳内会議
扉を開けたその先にはただ広い空間が存在していた。
その中央には人型で剣を持った黒色で紅いオーラのようなものを纏っている、全身鎧姿の騎士がこちらに背中を向け立っていた。
そしてルークは気付かれないようにそっと扉を閉じた。
「なにこれ?どういうこと?なにあの黒い全身鎧めっちゃ強そうなんだけど。なに?ボス?いやいや無理でしょー」
もう一度扉を少し開けて姿を確認した。
やばり背中を向けているようでまだ気付かれていない。ついでなので鑑定してみた。
ジェノサイドブラックデュラハン
Lv.72
全身鎧 Lv.7
剣 Lv.7
霊剣 Lv.7
霊体化 Lv.7
一刀連斬 Lv.8
一刀烈斬 Lv.8
ボスの品格 Lv.4
注記
かなり強いボスモンスターです。
強いと言ってもボスとしてはランクは低いほうだ。
弱点は頭で、頭を吹き飛ばせば弱くなります。
首を飛ばした距離が遠いほど弱体化します。
視界は狭いです。首が取れるともっと狭くなります。
感知能力は低いです。
真正面から挑むことはオススメしません。
遠距離がおすすめです。
そっと扉を閉じた。
「いやいやいやいやいやいやいや流石にこれは無理でしょ!」
ボスに気づかれない限り扉の開け閉めは自由だ、だがしかしヤツを倒さないことには外には出られない。
今手持ちのスキルと状況をよく考えなんとかできるよう考えてみる。
「うーん、なぜやつは背を向けているのか・・・・・」
そしてルークは思い出した。自分は下から登ってきているのだと。
「そうか!こっちは表口じゃなく裏口なんだ!」
やつを倒すには奇襲で頭を取るしかない。
唯一の救いはこちらが裏口でやつはまだこちらには気付いていないということだ。
「・・・・うーん・・・」
ルークは考えた。
そして閃いた物を頭の中でシミュレーションしてみる。
案1
軽い気持ちでそのままいってみる。
扉を開ける。
デュラハンのもとへ全力でダッシュし頭を狙う。
足音で気付かれる。
振り向きざまにこっちが首を切られる。
これは駄目だな。まだデュラハンにはなりたくないから次。
案2
デュラハンの足元にちょうど頭だけ残るように泥濘を作成する。
そして、ダッシュで近付き頭を蹴飛ばす。
泥濘作成
ズブズブズブ
デュラハンは首だけになる。
ダッシュで近付く。
近付いてる間に気付かれ霊体化される。
泥濘から抜け出される。
首を切られる。
案3
かまいたちもしくは風魔法で吹き飛ばす。
吹き飛ぶ保証がないので却下だな
「うーんどれもいまいちピンとこない。そういえば手に入れたお宝でまだ調べてないのがあったな。なにかあるかもしれない調べてみるか。」
収納空間から手に入れたお宝を物色する。
合成の杯
レアリティ
レアユニーク
効果
杯の中に入れた物を合材できる。
説明
杯の中に入れた物を合成し、強化と最適化をし1つにする。
スキル
合成 Lv.MAX
「うーんこれはもしかして…」
ルークはとあることを試してみる。
とりあえず合成のスキルを取得しそれを試してみる。
それはスキルとスキルの合成だ。
「まずはあんまり使わないスキルからだな。」
剣と鎌乱舞を合成してみた。
舞連踏斬 Lv.1というスキルになった。
「こ、これは!」
凄い発見をしたとばかりに次々に良さそうな組み合わせでスキルを合成していった。
鬼の腕力+鬼の脚力=鬼の怪力Lv.1
豚の嗅覚+豚の腕力+豚の生命力=豚 Lv.1
物理耐性+衝撃耐性+物理軽減=物理抗性 Lv.1
泥濘作成+泥工作+泥針+泥硬化=泥操作 Lv.1
無呼吸連打+酸素供給=高速連打 Lv.1
硬さ+木なりの硬さ+頑丈+昆虫の甲殻=鉄甲壁 Lv.1
収納空間+物質収納+品質保存=保管空間 Lv.1
壁面移動+水中行動=水陸行動Lv.1
再生+成長+吸収=超回復Lv.1
こんな感じだろう。
使用したスキルはなくなるようだ。
しかしレベル1でありながら前よりも数値は上がっている。
これは凄い物を手に入れてしまった。
「これで勝てる!それとまた他の案を思いついた!」
案4
スキルさえ取れれば勝てると思う。
合成したスキル泥操作を使い前はスキルのレベルが足りなくてできなかったが、通る所だけを泥化させて水陸行動でヤツの背後まで忍び寄る。
ゆっくりと浮上し頭をしゃくりあげて舞連踏斬で連続で斬りつけ一気にスキルを取得する。
スキルさえあればなんとかなる。
あとは流れに任せる。
「完璧だ・・・スキルも取得できて、経験値も手に入って、外に出られる。」
自画自賛だ。
「これでヤツに勝てる!」
そうして扉をゆっくりと開いてさっそく行動へとうつる。
気付かれていないことを確認し、土の中に潜り泥状にした部分を進んでいった。
探知スキルでデュラハンの場所を確認しながら慎重に進んで行く。
進んで進んで、ついにやつの背後の足元まできた。
息を殺し、拳を構えた状態でゆっくりと地上へと出て行く。
やつの頭に手が届く所まできた。
そしてスキルを発動させる。
「おりゃあ!」
デュラハンの首をしゃくりあげた。
鬼の怪力のおかげでデュラハンの首は50メートルほど吹っ飛んでいった。
「しゃっ!」
喜んでいる暇はない、すぐさま次の行動へとうつる。
盗技剣にすぐさま持ち替え次のスキルを発動させる。
「舞連踏斬!!」
スキル名を叫ぶ必要もないのだが、ルークは歓びのあまり叫んだ。
これで勝てるとそう思ったからだ。
事実、舞連踏斬のお陰でデュラハンから反撃を受ける前にスキルを取得できた。
「よっしゃああ!!これで勝てる!」
ルークはすぐさま剣をしまい、畳み掛けるように高速連打で拳を叩き込んだ。
ドガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガッ!
「トドメだァ!」
そういい大きく振りかぶりラウンドハウスで殴りつけた。
バコォン・・・ ガシャーーンズササーー
デュラハンは3メートルほど吹き飛びしばらく地面の上を滑り静止した。
「やったか!?」
吹き飛んでいった辺りには砂埃が舞っていて様子が確認できない。
しばらく待つと砂埃が晴れてきて様子が確認できた。
「なんで・・・?なんでなんだ!」
そこには無傷のデュラハンが立ってこちらに向かって剣を構えジリジリとこちらに距離を詰めてきていた。
「なんで無傷なんだよ!!」
そういい地面を踏みつけ八つ当たりをする。
ルークが八つ当たりをしている間にもデュラハンは距離をジリジリと詰めてきている。
首がなくてもルークよりは強いデュラハン、ルークに残された選択とは。
名前 ルーク・オリファント 年 16
職業 冒険者 ランク C
称号 スキルプラッカー
レベル 29
hp 183(+150+200)
mp 90
atk 46(+100+80)
def 63(+600)
int 92
spd 100(+100)
luk 70
スキル
鑑定 Lv.Max
探知 Lv.6
鳥走り Lv.5
光合成 Lv.4
生命力 Lv.5
火耐性 Lv.2
石化攻撃 Lv.4
ラウンドハウス Lv.3
蜜ホルダー Lv.4
蜜精製 Lv.3
突進 Lv.2
毒攻撃 Lv.4
風魔法 Lv.4
複眼 Lv.4
鎌鼬 Lv.4
泥人形作成 Lv.4
しゃくり Lv.4
連携行動 Lv.4
酸 Lv.4
物理反撃 Lv.3
合成 Lv.MAX
舞連踏斬 Lv.1
鬼の怪力Lv.1
豚 Lv.1
物理抗性 Lv.1
泥操作 Lv.1
高速連打 Lv.1
鉄甲壁 Lv.1
保管空間 Lv.1
水陸行動 Lv.1
超回復 Lv.1




