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まぁ多少はね
目が覚める。手に触れる地面は、熱く、焼ける様だ。
さっきまでの暗い景色はもう無い。
巨人も、ナイフも、斧も無い。
そして全ての悪意は去った。
元の服に戻った自分をまじまじと見つめる。長く間闇の中に居たせいで、視界がはっきりしない。
それでも、体が稲荷に見える。
先輩達の方を見る。すっかり稲荷色だ。
先輩達も起き上がって言う。
「ンァァァ眩しスギィ」
「こりゃもう焼けたかわかんねぇな」
座して笑っていると、木村が目覚めた。
土下座をして来た。僕は何も言わずに、彼の体を指差した——。
すっかり稲荷色だ。
木村は偽りのない笑顔で自分の体を触った。ハリのある稲荷色の肌がぷるんと揺れる。鈴木先輩はニヤリと口角をあげた。
もう全ての人は日焼けサロンに行く必要は無い。日光アレルギーの者も、日焼けに憧れて命を削る必要は無い。
「グゥゥウウ!」
みんなの腹が同時に鳴った。
「先輩!この辺にぃ~、ウマいラーメン屋の屋台ぃ、来てるらしいんすよ!」
「そっかぁ行きてえなぁ!」
「行きましょうよ。じゃけん今いきましょうね~」
「ニンニク入れてイイっすか?」
先輩達は笑って答えた。
「まぁ多少はね!」
完
完結です。




