女子会③
お待たせしてすみません。
「――じゃあ、あとはクルちゃん次第よ。 私から言う事はもうないわ」
「……うん! ありがとう、おねーちゃん」
「がんばってね」
――こっちはこれでよしかな? イクルさんもちゃんと視てあげれば良かったのに……
「クルちゃんも一緒にお話しましょ。 おにーちゃんにもっと好きになってもらうように作戦を練るわよ!」
「うん!」
広いベッドの上をゴロゴロ移動するクルちゃんと、ふわふわ浮かんで移動する私――そんなに離れてもいないしね――が戻ってみれば、しーちゃんとぷーちゃんがお話してるみたいなんだけど、しーちゃんがわたわたしてる?
「あ、キリンちゃん」
「しーしーちゃん、あれ、どうしたの?」
「ぷーちゃんが、しーちゃんの傍が気持ちいいって話しててですね――」
――そういえば、あの2人が会うのって初めてだったわね。
「――そこでぷーちゃんが突然、ぷるが増えた!って言ったですよー」
「……は~ん」
「意味が分かるですか?」
「想像だけどね」
「それで、しー姉がどういうことか訊こうとしてるですが、あんな感じなのですよー」
「……しーしーちゃんが訊いた方が早いんじゃない?」
「言わないであげて下さいですよー」
「しーちゃん?」
わたわたしてるしーちゃんに声を掛ける。
「あ、キリンちゃん。 ぷーちゃんがボクの近くにいる事で、核になってる残滓が活性化するみたいで――」
「ぷーちゃんが自己増殖出来るようになったのかな?」
「そ、それですぅ。 上手い表現が出て来なくて困ってたですぅ」
――それでわたわたしてたのね。
「ぷーちゃん、おめでとう。 ぷーちゃんも大きくなれる方法を手に入れたみたいよ」
((うん、がんばるー。 でも、からだのなかみ、まだできてないから、そっちからー))
「その為にはしーちゃん――いえ、この場合は神気かしら?――が必要みたいね」
「だったら、しー姉ほどじゃないけど、ボクやクルちゃんも持ってるですよー」
しーしーちゃんは元々神様の分体だし――クルちゃんは確か亜神だったっけ? 神様に片足突っ込んでるのかしら。
「ぷーちゃん、クルちゃんの傍はどうかしら?」
((クルおねーちゃんのそばも、あったかいよー))
『わーい、あたしもぷーちゃんといっしょだと、うれしーよ』
((えへー))
『えへへー』
手を取り合ってはしゃぐ2人。 見た目の年齢差は大きいけど、中身の年齢は近いのよね。
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「けっこう遅い時間だけど、大丈夫? 眠たくない?」
『((うん))』
「ボクも大丈夫ですよー」
みんな大好きシュークリームをいただきながら確認する。
――明日はみんなでお寝坊さんだけど、許してもらおう。
「じゃあ、将来的には成長したぷーちゃんも可能性ありということで、本題」
みんなが真剣な顔で頷きます。
「の前に――」
みんながいっせいにベッドに倒れ伏す。 そこまで前のめりにならなくてもいいのよ?
「しーちゃん?」
「はいですぅ?」
「イクルさんにちゅーしたの?」
「え? や! あの…… しょのぅ……」
油断してたのか、てきめんにわたわたするしーちゃん。 答えを言ってるようなものよね。
「別に責めてるとかじゃないから。 私たちの中で一番進んでそうだから確認したいのよ」
「あう……いーくんが神域に来て――といっても分体ちゃんとしてですぅ――お話した後、帰り際に、そのぅ……感極まってつい……」
「ぶちゅっと?」
「ううう! とんでもないですぅ……おでこにチュッてしただけですぅ!」
――むう、おでこかあ…… まあ本当にキスしてたら、イクルさんがふつーでいられるはずないわよね。
「それと、お風呂に行くときに胸触らせてたわよね?」
「!! なんで知って――ってシー・シーがいたですぅ。 筒抜けだったですぅ」
「いやー、しー姉が意外と大胆でびっくりしたですよー」
「途中経過を無視しないで欲しいですぅ!」
「ともかく、終始紳士的だったイクルさんに、むしろ積極的だったのはしーちゃんだったのは間違いないわよね?」
「うう……結果は裏目に出ちゃったですぅ」
そう言って落ち込むしーちゃんなんだけど……
「背中を流してもらうという当初の目的はダメだったけど、結果的に2人きりの時間が増えたんだからよかったんじゃない? 2人でナニしてたの?」
「言い方と目つきがやらしいですぅ…… 介抱してもらって、背中を見せて、それから――」
――ん? 背中?
「しーちゃん、背中を見せたってどういうこと?」
「え? その、いーくんに背中を見せてくれって言われたですぅ。 それで普通に見せただけですぅ」
「イクルさん、何か言ってたの?」
「いえ、流すはずだった背中を見ておきたくて、なんて言ってたですぅ」
思いだしたのかくねくねしながら照れるしーちゃん。
――何か気になるものでも見つけたのかしら? ここで見せてとは言いづらいか。
「キリンちゃんに大きめのシャツ1枚だけ渡されてたの、いーくんすごく意識してたみたいですぅ」
「やっぱり男の子よね。 やり過ぎはダメだけど、適度なお色気はアリかな?」
『おとーさん、はずかしいとおもうことしないでって、いってるの。 いっしょにおふろ、はいれなくなっちゃうってー』
クルちゃんが心配そうに確認してきた。
「安心して。 おにーちゃんが嫌がるようなマネはしないから」
『ほんと?』
「というより、主役はむしろクルちゃんなのよね。 ここからの話題は今のクルちゃんにはムズカシイと思うけど、どうする?」
――イクルさんの一番がクルちゃんである以上、本人抜きで進める話でもない気がするのよね。
『おとーさんにはまだナイショでいーい?』
「乙女のヒミツね。 ただ、みんなのことちゃんと視てって忠告はするつもりだから、いずれ分かっちゃうわよ?」
『あたしからおはなしするよりさきだったら、ごめんなさいするー』
「いいこね。 みんなにもお願いしたいんだけど――」
おいてきぼりのしーちゃんたちにも説明してあげる。 話だけでも相当だけど、実際に見た時の驚きはそれ以上で……
――ついでだし、私もこの場で打ち明けちゃおう!
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あれやこれやと話し込んだ私たち――ほぼ寝落ち――が翌日目を覚ましたのは、お昼前だった。 おにーちゃん、ゴメン!




