ドジっ娘はいなかったようだ
土日でリカバリ出来ずorz
すっかり寝落ちクセが付いてしまった……
「で、みんなで出来そうなスポーツって事で考えてみたんだが――」
「それなら出来そうね。 怪我――は元々しそうな人が居ないけど――したりとかも無さそうだし」
「砂を敷いてもいいけど、足取られて疲れるから床を少し柔らかくしておくか」
『ぼーるってこれー?』
「ああ、それだよ。 余り強く押さえたり、引っ掻いたりしたら破裂しちゃうから、そーっとな」
『わかったー』
「ぷーちゃんは……そうだな、髪の毛使ってもいいことにしようか」
((ありがとー、ごしゅじん))
「じゃ、私も少しは飛んでもいいかしら?」
「身長低いからなあ。 いいぞ」
「しーしーちゃんは――」
「ボクは応援するですよー」
「ま、その衣装の時点で納得してるのか。 応援した方が必ず勝つとかしたりして?」
「その時は交互に応援するですよー」
そんなこんなで、「第1回イスルギ杯 ビーチボールバレー大会」を開催することになった。 ビーチボールを使ったビーチバレーのつもりだったんだが、キリンの話によると、ビーチボールバレーというそのまんまの名前のスポーツがあって、バドミントンのコートとビーチボールを使う4人制のバレーボールの事らしい。
まあ、人数も足りないし、名前だけ拝借して、まずはルールと感覚を掴むために、輪になって練習する。
・2vs2の2セット先取
・自コート内にボールが落ちたら相手の得点
・打ったボールが誰も触らずに相手コート外へ落ちたら相手の得点
・自コートに入ったボールを返すまでに5回触ると相手の得点
・ボールに触るのは体のどの部分を使ってもよい
・同じ人が続けてボールに触らない
・サーブはアンダートスで入れること
・魔法やスキルは使用禁止! これ大事!
初めてのクルやぷーちゃんの事を考えて、少しゆるめのルールにしてみた。 ラリーポイント制でポジションの縛りもない。
「組分けは――ってひとつしかないよなコレ?」
「そうね。 私とクルちゃんVSおにーちゃんとぷーちゃん、かしら」
「だよな。 あ、ぷーちゃん、ボールは捕まえたらダメだよ。 弾いて返すんだ」
((こー?))
「そうそう。 クルは出来そうか――って、……凄いな」
『えへへー』
動くたびにばいんばいん揺れるその胸が、ただただ凄い! くっ! 視線誘導で集中させない作戦でこの服を選んだのか?
「女の私でも思わず目で追っちゃうこの威力! この勝負、もらったかしら?」
「なんでキリンが得意げなんだよ? 分からんぞー?」
「じゃあ、最初はいく兄を応援するですよー」
ちなみに得点ボード係は人形だ。 もちろん骸骨じゃないバージョンな。 俺の分身でもいいんだが、ややこしくなるから止めてと却下された。
「では、皆さんよろしいですかー? いくですよー! はじめ!」
しーしーちゃんの合図でキリンがサーブを入れ、試合が始まった。
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「終わらねー」
「私の知ってるスポーツと違うわよ」
「こうなったらソフトボールにでも替えてみるかね――よっと!」
「あまり変わらない気がするわ」
俺が上げたボールをぷーちゃんがツーで返し、それを見てから文字通り飛び込んだキリンがレシーブすると、クルがジャンプして強烈なスパイクを打つ。 ボールがぶるんと3つに増えたように見えるけど、眼を奪われる訳にはいかない! それをぷーちゃんが髪を編んで作った腕を使って、地面すれすれで拾い上げ、すかさず俺がジャンプしてスパイク! といった具合だ。
『やー』とか ((えーい)) とか、掛け声だけはのんびりとしたクルやぷーちゃんだが、動きはキレッキレである。 ボールは高速で飛び交うが、コートに落ちる気配は一向にない。
結局、メンバーの身体能力が高すぎるようで、ビーチボールはすぐにバレーボールに替えられ、コートの広さは倍になった。 それでも全員軽々とついていけてしまう上に、1時間以上経つというのに疲れさえ見せないのだ。
「よっと」
『あー! ボールもったらダメなんだよー』
「いや、いつまで経っても終わらないし。 別に疲れてもいないけど、お菓子でも食べて休憩しようか」
「『((さんせーい!))』」
「しーしーちゃんは――ありゃ、寝てる?」
途中から静かになったと思ったら、応援に疲れて寝ちゃったみたいだ。
「おや? こんなところにシュークリームが――」
「どこ? どこです!?」
パッと飛び起きてそのまま飛び回るしーしーちゃん。 効果はばつぐんだ!
「しーしーちゃん、勝負つかないから休憩にしよう。 こっちおいで」
「うー。 まんまとつられちゃったですよー」
「ちゃんと用意してあるから安心して」
「わーいですよー」
 ̄l ̄
「結局勝負は引き分けかな?」
「そうね」
「今日はこの後自由時間にして、今度はゲームでもやろうか」
『げーむ?』
「今日は体を使って遊んだろ? 次は頭を使って遊ぶんだ」
「それって、トランプとかボードゲームみたいなの?」
「あとはパズルなんかかな?」
運動で勝負事は成立しそうにないからな。 サイコロみたいな運が絡むゲームとかだったら大丈夫だろう。
「その時は何か景品を用意したほうがいいかもね」
「たとえば?」
「おにーちゃんのだっこ権とか、肩ぐるま権とか――」
「俺が勝った時はどうすんだよ?」
「そうね……みんなにチューしてもらうとか、どう?」
「ち、チューってあのチューか?」
「どのチューがあるのよ? ていうかおにーちゃんテンパり過ぎよ?」
「そ、ソウカナー?」
「さてはしーちゃんと……?」
「お、俺はしてないぞ」
「語るに落ちたわね! そっかー、しーちゃんやるじゃない!」
――ぐっ! しまったー!
「しーちゃんに伝えといてね。 今夜はこっちに泊まりなさいって」
「ちょ? それってどういう……」
「ヘンな事考えてるんじゃないでしょうね……? 女子会よ、じょ・し・か・い!」
「議題は……」
「ナイショよ!」
〈――だそうだけど、どうする?〉
―〈もはや避けては通れないようですぅ。 でも、いーくんも挙動不審になるくらい意識してくれてたってことで、テンション上がったですぅ〉―
〈お泊りとか、【降臨】の制限時間なんかは大丈夫なのか?〉
―〈ある程度自分でコントロール出来るようになったですぅ〉―
〈じゃあ、そういうことで――〉
―〈よろしくですぅ〉―
「OKだってさ」
「ふふふ、楽しみだわ」
――こえーよ。
ぷーちゃんに至っては、2度打ち解禁すれば、残り全員相手しても平気。




