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やいのやいの


〈ちょっとちょっと、キリンさん? 何がどうなったら、みんな一緒に入る流れになっちゃってるの?〉

「えーっと……あ! ごめんなさい。 ヘンタイ発言は取り消します……」

〈いや、誤解が解けたなら俺はいいんだけど、だったら女の子だけで入ってくればいいんじゃないの?〉

「あの……その……」


 ――なぜそこで赤くなるんだ? なんか微妙に張り切ってるしーしーちゃんも気になるんだが……


〈しーちゃん?〉

 ―〈はいですぅ〉―

〈どうなってるの?〉

 ―〈えっとですね、最初にいーくんがクルちゃんに強請(ねだ)られて、仕方なく一緒にお風呂に入る羽目になった事と、背中が洗えないクルちゃんがいーくんの意識を自分で引っ張り込んで洗って貰おうとしたので不可抗力だっていう話をしたですぅ〉―

〈おかげで誤解は解けたようで、助かったよ。 ありがとう〉

 ―〈どういたしましてですぅ。 で、クルちゃんに改めて一緒にお風呂に入ろうって話をしたら、当然の如く『おとーさんは?』って訊かれたですぅ〉―

〈まあ、俺がその問いに答えようとしてたところだったからな〉


 ――聞きたいのはこっからだよ。


 ―〈普通男の人と女の人は別々に入るものよって説得しようとしたら、『かぞくだからいっしょがいいのー』って返されて〉―

〈まあな〉

 ―〈『おねーちゃんもかぞくでしょー? みんなでいっしょにはいろうよー』って言われちゃったですぅ〉―

〈クルのやつ、妙に攻めどころを心得てるな……〉

 ―〈で、男の人が一緒だとお互い恥ずかしいのよって説明しようとしたら――〉―

〈クルが『あたし、はずかしくないもん』って言ったんだろ〉

 ―〈さすがおとーさんですぅ! まさにそのまんまだったですぅ。 でですね……〉―


 そこまで言うと、急にしーちゃんが言い澱む。


〈で?〉

 ―〈うちのシー・シーが「あ、私も恥ずかしくなんてないですぅ」なんて言いだしちゃったんですぅ〉―


 …………


 ―〈ち、沈黙が痛いですぅ…… 分体ちゃんが全ての感性を受け継ぐ訳ではないって、ボクも今日知ったですぅ〉―

〈止めにクルが『おねーちゃんはかぞくなのにはずかしいの?』とか言ったんだろ?〉

 ―〈そう、それですぅ! それで、キリンちゃんが「恥ずかしくなんてないわよ!」って売り言葉に買い言葉で口走っちゃったですぅ〉―

〈それで自分を納得させる為に、俺を監視するという目的をこじつけたのか?〉


 最後のはキリンの方へ問いかける。


「だ、だったらおにーちゃんはどうやって説得するつもりだったのよ!」

〈俺か? クルは昨日1人で身体を洗えるように練習しただろ? 今日はお姉ちゃん達にも練習の成果を見せてあげような。 俺はお姉ちゃん達から、クルがちゃんと出来てたかどうか聞くから、頑張るんだぞ! って送り出すつもりだったぞ?〉

「うぐっ! か、完璧だわ……『うん! あたしがんばるー!』って張り切るクルちゃんが見えるわね」

〈どうする?〉


 ちらっとクルの方を見ながら訊く。

 クルは『わーい! みんなといっしょだー』とか言ってはしゃいでいるけど。


「あんなに喜んでるのに今更水を差せるわけないじゃないの……」

〈湯浴み着ぐらいは用意するけど、クルはたぶん着ないと思うなぁ〉

「一番ナイスバディなあの子が素っ裸なのに、幼女体形の私が着てるのもおかしいでしょ」

〈別にそれぐらいいいんじゃないか?〉

「それに……」


 ――なんだ?

 少し躊躇った後に、まっすぐこっちを見るキリン。


「正直言うと、私も全然恥ずかしくないのよ…… たぶん吸魔(サキュバス)って種族の影響が出てるんだと思うけど……むしろ男の人の裸を見たいなんて思っちゃうぐらいで……」

〈いきなりぶっちゃけたな…… で、そんな風になった自分が恥ずかしいと?〉

「ええ……」

〈いっそぷーちゃんBに離れてもらって、人形のままだったら……ってクルが悲しむな〉

「私たちが裸なんだから、おにーちゃんも裸で通しなさいよ!」

〈お、おう……って、さっきの話の後だと、キリンが見たいからって聞こえるぞ?〉


 …………


〈な、なんか言いかえしてくれよ。 調子が狂うじゃねーか〉

「よく考えたら私は幼女だし、見られてもどうってことないのよねー。 むしろじっくり見られると困るのはおにーちゃんの方か……」

〈なんか、考え方が変な方向に行ってませんか?〉

「私がちゃんと(・・・・)大きくなる為には色々と慣れる必要もあるって事よ!」


 ――いかん、思ったより肉食系だこの子。


〈まあ、アレはぷーちゃん担当なので反応はしない(はずだ)しな〉

「それはそれで悔しい……って何言わせるのよ!」


   ̄l ̄(__∞__)

       ̄l ̄(__∞__)


 ――せめて脱衣場ぐらいは仕切らないとな。

 俺は一足先に風呂場に着いて、脱衣場を1:2ぐらいの割合になるよう、葦簀の衝立のようなもので仕切った。


 女の子はみんなでお風呂上りに着る服やパジャマを選んでいる。 というのも、キリンを【サブマスター】に任命して、服飾関係の【メニュー】使用権限を与えたからだ。

 人が――女の子ばかり――増えて、ファッション的に自信が無い上に、毎回下着とかで注文を受けるのもアレだなぁって考えてたら、例によって【メニュー】さんが教えてくれました。

 DP管理は俺なので、無駄遣いは出来ないようになっているし、一応あまり刺激的な(趣味に走る)のは止めてくれとお願いしている。


 そうこうしてる内に、きゃいきゃいと女子組がやって来た。

 ――さて、どうなることやら……


一番渡してはいけない人に権限を与えちゃってます。

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