女神様のひみつ
少し短いです。
告知神様がお供えをご所望のようだ。
―〈おっそなえ! おっそなえ!……(無限ループ)〉―
〈端から威厳や尊厳なんてものは期待してませんけど、もうちょっと神様らしく出来ませんかねぇ?〉
―〈ピタッ〉―
――は~~~~っ(海よりも深い溜息)
いや、気分ですよ? 実際溜息吐くどころか息してませんから!
〈要約すると、「シュークリームが欲しい」でよいのかのう? 告知神様や〉
―〈そ、その通りでごぜえますぅ! でも「透けさん」はひどいですぅ……〉―
――あ、うっかり綽名で呼んじゃったけど、まさか「名付け」なんかにならないよな?
―〈“告知神”に個体名「透けさん」を定義――〉―
――え? ちょ! わーーーっ! なしなしなし!!
―〈――なんてことにはならないですぅ。 「名付け」しようという意思も必要ですし、相手の要請ないし受諾が無ければそもそも発動なんてしないですぅ〉―
…………
―〈あのぅ……〉―
……………………
―〈ご、ごめんなさいですぅ。 悪ふざけが過ぎたですぅ〉―
――なまじ“同じ声”だから余計紛らわしいんだよな――。
〈……いやまあ、可能性はあった話だから。 俺も迂闊なことしたんで、気を付ける切っ掛けを貰ったと思うことにするわ〉
―〈 〉―
〈今日1日、お前は「透けさん」な!〉
―〈……甘んじて受けるですぅ〉―
――さてと
俺は「DP交換」でシュークリームを出す。
〈ほれ、透けさんや! これで元気出してくれ〉
「お供え」と念じた途端、シュークリームが虚空に消えた。
―〈……はむっ〉―
――――?
―〈…………〉―
――おーい? 透けさん?
―〈…………〉―
――へんじがない……ただの~何だろう?
俺はもう1つシュークリームを出す。
〈クルー! おいでー!〉
『なーに? おとーさん』
〈いい子にしてたからもう1つあげるぞー〉
『わーい! おとーさん だいすきー!』
〈ははは、こいつめー〉
―〈……ハッ! ボクは今、何をしてたですか?〉―
…………
―〈……お供え!、しゅ、しゅーくりーむは……あ、あった!〉―
――しーちゃ……じゃなくて、透けさん……どうしてこんなになるまで放っておいたんだ!
―〈か――〉―
〈――か?〉
―〈感動したですぅーーー!! こ、こんなに美味しいものを口にしたのは生まれて初めてですぅ!! 感激の余り分体まで一斉にフリーズしちゃったですぅ!!〉―
――そこまで? てか分体?
―〈称号『世界ヲ停止セシ者』を獲得――スキル【思考加速】を取得しました〉―
―〈熟練度が規定値に到達――スキル【神託】が【降臨】に進化しました〉―
―〈神域のアクセス権限Ⅲが限定解除されました〉―
―〈スキル【知覚共有】を取得しました〉―
――へ?
【思考加速】……知覚情報の処理、演算、伝達速度を向上させ、思考を加速させるスキル。
【降臨】……依代を用いて「交神」中の神を顕現させるスキル。 「供物」を直接捧げることにより、恩恵を確実に得ることが出来る。 神域のアクセス権限Ⅲを得る。
【知覚共有】……配下、眷属等、自身の支配下にある者や、一定以上の信頼関係にある者と任意の知覚を共有するスキル。 五感全てを共有した場合は、対象の身体を操作出来る。(要受諾)
―〈ちょくちょくお仕事を挟まれるので忙しいですぅ――むしゃむしゃ〉―
――こら! そこの女神! 仕事中にむしゃむしゃするんじゃありません! 食べてる最中に「お仕事」が来たらどうするんですか!
―〈「お仕事」は分体を使ってるので文字通り「別口」ですぅ――むしゃむしゃ〉―
あ、分体ってそういう……考えたら世界中の人間にスキルや称号の告知をしてるんだもんな。 本体が俺とおしゃべりしてる間、お休みってわけにはいかんわな。
――ってさっき「分体まで一斉にフリーズ」とか言ってませんでしたっけ!? 『世界ヲ停止セシ者』ってそういう意味なの?
〈いや、どっちみちお行儀悪いですよ?〉
―〈むはー、美味しかったですぅ、これは病み付きになるですぅ〉―
――もはや手遅れ感が半端無いんですけど……【降臨】は封印しとこ。
―〈スキル【降臨】を〈封印〉しますか ハイ/イイエ〉―
――え、ちょ?
どうしよー、迷っちゃうなー(棒)
―〈そ、それを封印するなんてとんでもない! ですぅ〉―
【神託】→【降臨】に熟練度の抜けがあったのを修正。
しーちゃんのセリフで語尾がおかしかった箇所を修正。(「ですよー」→「ですぅ」)




