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鉛筆、温泉、五十音
私は今、どこに居るんだろう?
生まれた所は温泉街だった。
そこは閉ざされた場所の様な気がした。
だから、抜け出すために必死になった。
机にかじりつき、鉛筆をなめ、必死に勉強した。
そして、自分で選んだ世界に飛び出した。
その生き方は間違ってなんかいない。
けど、何かが足りない気がした。
学校で習った五十音は完璧に覚えた。
勉強だから、当然だ。
けど、いろは歌の心を感じる余裕があれば。
違う可能性を夢見たのだろうか……。
文学少女風三題噺作成からもらったお題です。私の場所はここじゃない、そんな思いで必死に勉強して、前を向いて、前だけを向いて生きてきた。けど、ふと振り返ったとき、それ以外の人生の可能性に関しても、つい考えてしまった。って感じでしょうか? それでも、彼女は、自分の人生を後悔なんかしてはいないんですけど、ね。(そんなの、書いた人のつもり、でしかないから、分からないですよねぇ……。 なんだか、よく分からないお話になってしまいました……)