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くつ下、絵筆、ジェットコースター
私の絵筆には魔法の力があった。
手に入れたのは幼い頃。 クリスマス、枕元のくつ下に入ってた。
『魔法の絵筆:取扱説明書』と一緒に。
その絵筆で、説明書通りに一生懸命に絵を描いた。
絵の評判はジェットコースターの様な勢いで上昇した。
魔法の力は圧倒的だと思った。
けど、お母さんが教えてくれた。
「魔法なんかないわ。 絵はあなたの力よ」
説明書をよく見ると、それはお父さんの字だった。
そう。 魔法は両親の優しい気持ちだった。
文学少女風三題噺作成からもらったお題です。 魔法のXX、いつものパターンとはちょっと変えてみました。 そうしてみたら、ちょっと優しいお話になったかも?