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物干し竿、推理、ぶらんこ その二
物干し台から少し離れた場所に、折れた物干し竿と夫がいた。
物干し竿には、紐をかけたあとがあり、そして夫はひどく恐縮していた。
まったく、何度やっても懲りないらしい。
周囲を見回すと、案の定、板も見つかった。
推理するまでもない。
そう。 「また」物干し竿に紐をかけて、ぶらんこをしたんだ。
もう何度、物干し竿を壊しただろう。
「このぶらんこで妻と出会ったんだ」
他のことは全て忘れたくせに、それだけは忘れないらしい…。
文学少女風三題噺作成からもらったお題です。 もう一個作ってしまいました。(っていうか、実はこちらの方が先に作ったんですけど)ちょっと変なラストですよね。 敢えて伏せてますけど、夫は認知症になってしまった、という設定です。 ちょっと重いですね。 で、別にこれはぶらんこシリーズ(って勝手に決めてる?)ではないつもりですけど…。