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第60話 新たな目的地を目指して

前回のあらすじ

アライアンスの初依頼でサイクロプスの討伐を決行したユーマ達は、それぞれのチームでサイクロプスを難なく討伐する。

そしてその中で、ユーマは新しく加入したクレイルにより、自分達の戦闘がより安定した事を確認する。

 アライアンスでの初依頼を終えてヴォルスガ王国に戻ってきた僕達は、ギルドで報告を済ませて報酬を受け取り、それぞれの宿に戻った。


 僕達は今、月の狐の僕達が泊っている部屋にいる。

 今は部屋が別だけど、今はクレイルが来ている。

 次の目的地をどうするか話し合っているからだ。


「んで、俺達は次に何処へ行くんだ?」


 クレイルの問いに僕はこう答えた。


「僕達は幸せに暮らせる場所を見つけるべく今は各国を回る旅をしているんだけど、実は、最近ある目的が出来たんだ」


「目的?」


「実は、ロストマジックを求めての旅もしようと思ってるの。クレイルくんが亜空間魔法を使える様に、あたし達もロストマジックの魔法書を探し出して身に着けようと思って」


 ロストマジックは、遥か古の時代に使う者がいなくなった古代の無属性魔法だ。

 だが、クレイルが覚えた亜空間魔法を記した様な、魔法書があるという事を知った僕達は、その魔法書を求めての旅をしようと思う。


『その様な魔法書が手に入るとしたら、やはり1番の策はダンジョン巡りでしょうか』


 アリアの言う通り、ロストマジックの魔法書が手に入る場所は、ダンジョンが有力候補だ。


 ダンジョンは魔力が集まってできた、大迷宮の事だ。

 その規模は集まった魔力の量で階層や大きさが変化するが、そこで発生する魔物は特殊で、倒して魔石を取り出したりして、死体を放置してもダンジョンの魔力として吸収されて消滅するという事だ。

 勿論死体を持ち帰って、ギルドで換金する事も出来る。


 また、ダンジョンの奥地にはボスとなる魔物が存在し、そのボスを倒すとアイテムがドロップされる。

 そのドロップが、マジックアイテムだったり、ポーションだったりとまちまちだが、極稀に魔法書がドロップされる事もあるという事がお母さんから教えて貰っている。


 因みに、僕達のマジックアイテムの大半は、昔お父さん達がダンジョンで手に入れたドロップアイテムだったりする。


 だから、確率は低いけど魔法書を手に入れるならそのダンジョンを巡って旅をするしかないかもしれない。


 僕達が話し合っていると、クレイルが口を開いた。


「それなら、エリアル王国に行ってみたらどうだ?」


「エリアル王国って確か、エルフ族の国だよね」


「ああ、そこの王都に俺の知り合いのハイエルフの冒険者がいるんだ。で、そいつが確かロストマジックの魔法書を2冊持ってた筈だ」


「本当に!?」


 なんと、意外にも手掛かりが身近にあった。


「でも、どうしてそんな事を知ってるの?」


「俺は、両親が死んでから冒険者になるまで、エリアル王国のそのハイエルフの元で暮らしていたんだ。そいつも冒険者で、俺はその間冒険者になる為の修業も兼ねて、魔物と戦ってギルドで換金していたんだ。登録していない奴が換金するには冒険者の同伴が必要だからな。それで、そいつの元で暮らしている時に、ロストマジックの魔法書を持ってるって聞いたんだ。だから、そいつに頼めばもしかしたら貰えるかもしれない」


「成程。なら、手掛かりがあるなら、そこに行ってみる価値はありそうだ。幸いな事に、エリアル王国の王都の場所はここから馬車で1ヶ月くらいだ。行けない距離じゃないから、行ってみよう」


 元々いつかはエリアル王国にも行く事になっていたから、そう考えると一石二鳥でもあるしね。


「うん。それに、クレイルくんの知り合いの冒険者とも友達になりたいし」


「それから、そのハイエルフは色んな意味で俺達と同じ境遇の奴だ。だから、仲良くなれる筈だ」


 僕達と同じ境遇?

 それって、まさか……。

 まあ、それは会ってからのお楽しみにしてみよう。


 だがこうして、僕達の次の目的地がエリアル王国に決定した。


――――――――――――――――――――


 ユーマ達が次の目的地を決めた後、アリアはクルスを連れて従魔小屋に行き、そこで休んでいた。


『どうやら、ユーマとラティは今夜も営んでいる様ですね。ふふふ。仲睦まじくて良い事です』


 アリアはその鋭い五感でユーマとラティが夜の営みをしている事を感じ取っていた。


 彼女にとって、ユーマは大切な主であり、友であり、姉弟も同然の存在である。

 そしてユーマの幸せは、アリアの幸せでもある。


 そしてラティもまた、そのユーマの幼馴染で婚約者であり、彼女もまたアリアには大切な存在である。


 そんな2人の幸せは、アリアにはこれ以上ないくらいの幸せなのである。


『それにしても、ユーマ達と同じ境遇の者……ですか……』


 アリアの脳裏には、先程のクレイルの言葉が過っていた。


 「ユーマ達と同じ境遇の者」、このワードで考えられる可能性がある物はただ1つ。


『間違いなく私達ですね』


 アリアは傍で寝ているクルスを見て、そう呟いた。


 アリアとレクスは世界に数種しか存在しない、最強ランクのEXランクの魔物だ。

 そしてクルスも本来はSランクのグリフォンだが、特異種である事によりランクが1つ上がってEXランクとなっている。


 そんな自分達と同じの存在がいる事が最大の可能性となっている。


『待ってください。そういえば、エリアル王国にはあの方がいましたよね? それに、あの方もハイエルフ……まさか、クレイルさんの知り合いのハイエルフの冒険者とは!?』


 その時アリアの頭には、あるハイエルフとその従魔の姿が浮かんできた。


『ですが、これは偶然なのでしょうか。ユーマ達と同じ境遇で、ハイエルフの冒険者、これらを合わせても、やはりあの方しか考えられません』


 アリアの中には、既にそのクレイルの知り合いのハイエルフの正体に確信が付き始めていた。


『ですが、まだ決めつけるのは早いかもしれませんが、これは私にとっても楽しみになってきましたね。もしそうなら、あの方達に会えるのが楽しみです』


 そんな期待に胸を膨らませながら、アリアは明日に備えて寝る事にした。


『またお会いできる時を楽しみにしています……お姉様……」


 そう言い、アリアは眠りについた。


――――――――――――――――――――


 翌日、僕達はギルドでバロンさん達と合流し、これからの事を話し合った。


「では、皆さんはこれからどうするんですか?」


「俺達は、ロマージュ共和国に向かう」


 バロンさん達はロマージュ共和国に向かうみたいだ。


「バロンの壊れた風斬剣を修理するには、鍛冶の国といわれるロマージュ共和国に行った方が、いろいろと効率がいいですからね」


 それを言われると、僕としては罪悪感が半端ない。


「重ね重ね申し訳ありません……」


 僕は誠意を込めて会心の出来とも言えるような綺麗な土下座をして謝った。


「いやいや、お前の所為な訳じゃねえから。元々、あれはそろそろ鍛冶屋に見てもらうつもりだったからな。その予定が来たと思えば、どうって事はねえよ。だから頭を上げてくれ」


 その言葉に救われますよ、本当に……。


「私達は、アルビラ王国に向かおうと思っている。冒険者として、武者修行の旅をしている身としては、様々な国や集落を見て回りたいからな」


 ゼノンさんとイリスさんの目的地は、なんと僕とラティの故郷のアルビラ王国らしい。


「アルビラ王国に! じゃあ、もしかしたら、パパ達にも会うかもしれませんね!」


 ラティがゼノンさん達の向かう場所を聞いて、喜んでいる。

 確かに、アルビラ王国に行く以上、もしかしたらお父さん達に会える可能性が高い。


「あら、ラティちゃん達の実家はアルビラ王国にあるのね。なら、アライアンスを結んでいる者として、挨拶に行くのが礼儀というものね。そうでしょ、ゼノン?」


「そうだな。ユーマ殿、ラティ殿、王国に着いたら、お主達の両親に挨拶をしたい。だから、両親の名前を教えてくれぬか?」


「勿論です」


 僕達は、ゼノンさん達に両親の名前を教えた。

 すると、クレイルを除く全員の表情が驚愕に包まれた。


「何と!? 2人の両親はあの有名な、暁の大地だったのか!」


「という事は、2人の師匠とはその人達だったんですね!」


「成程な。なら、あの強さにも納得だ。あの4人の下で10年も修業していたんなら、その年であの実力を身に着けたのも頷ける」


 皆、僕達の強さの根幹を知って納得したり、頷いたりしていた。


 どうやらお父さん達暁の大地は今の高ランク冒険者達にも有名な存在みたいだ。


「分かった。私もいつかはその者達にも会いたいと願っていたのだ。ユーマ殿、ラティ殿、アルビラ王国に着いたら、真っ先に暁の大地の方々に挨拶する事を約束しよう」


「お願いします」


 マッハストームと赤黒の魔竜の今後が分かり、話の矛先が僕達に向いた。


「んで、ユーマ達は何処に行くつもりなんだ?」


「僕達は、エリアル王国に向かおうと思っています。そこに、クレイルの知り合いの冒険者がいるそうなので、ロストマジックの情報を求めようと思っています」


「そうか。じゃあ、このメンバーが揃うのは当分なさそうだな。だが、アライアンスを結んでいる以上、互いの情報はいつでも手に入る。だから、俺達の繋がりは永遠だ。皆元気でやろうぜ」


 バロンさんが何だかやけにカッコいい事を言っている。

 その所為でバロンさんがとてもカッコよく映っている。


「バロン、カッコつけすぎですよ」


 トロスさんの突っ込みで、僕達のやり取りは本当にいつも通りとなった。


――――――――――――――――――――


 その翌日、僕達は月の狐の部屋を引き払い、旅立ちの用意に入った。

 昨日、ギルドで皆と別れた後に食料や必要品の補給は済ませてある。


 僕達は正門前でその皆と向き合っている。


「じゃあ、ここで一旦バイバイですね」


「ああ、旅の道中に気を付けるんだぞ」


「また何処かで会ったら、一緒に依頼を受けましょう」


「その時には、もっと強くなってるからな」


「君達にまた会える日を、楽しみにしているぞ」


「またね、ラティちゃん。また会ったら、また魔法勝負しましょう」


「はい、イリスさん」


「また会える日を楽しみにしています」


 挨拶を済ませて、僕はゼノンさんに封筒を差し出した。


「ゼノンさん、向こうでお父さん達に会ったら、この手紙を渡してください。それで皆さんの事を信じて貰える筈です」


「分かった。この手紙は、必ず届ける」


 そして僕達は馬車に乗り込み、出発した。


「じゃあ、また会いましょう!」


「元気でな!!」


 皆に見送られ、僕達はエリアル王国を目指して旅だった。

これで第4章は終わりです。

次回から第5章、「エリアル王国」になります。


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感想は、確認し次第返信する方針で行きますので、良かった所、気になった所とかがありましたら、是非感想を送ってみてください。

お待ちしております。


次回予告

エリアル王国を目指して旅をつづけるユーマ達。

そして、新しい仲間、クレイルとレクスとの新しい日々を楽しむ。


次回、新たな家族との日々


16時に幕間を更新します。

読み飛ばしに気を付けてください。

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