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第45話 白熱するトーナメント

前回のあらすじ

武闘大会が始まり、ユーマは初戦の相手チームを単独で圧勝する。

そしてクレイルもまた1人で出場し、相手チームを1分足らずで倒してしてしまう。

 僕達は武闘大会を順調に勝ち進んだ。

 2回戦は約束通りラティに譲ったが、その内容は彼女の圧勝だった。


 相手はエルフチームに勝った事で獣人チームになったが、ラティはその獣人達の機動性に対抗する為、まずは水魔法で発生させた津波で全員をびしょ濡れにし、すかさず氷魔法のブリザードで全身を凍り付かせて身動きを封じて、その頭上に巨大な岩塊を作り今にも落とそうとしたのだ。

 これにより相手はあっさりと降参して、その試合はあっという間に決着がついた。


 因みに、その人達の凍り付いた体はラティがちゃんと魔法を解除して、解放した。


 しかも、1回戦と2回戦ではそれぞれ片方ずつで勝利した事で、それも今大会に最年少で参加している事もあって僕達は他の参加者だけでなく、観戦に来ていた貴族などからも注目を浴びる事になった。


 貴族に関しては、この大会が終わった後、僕達を囲おうとかを画策していた。

 まあ、それに関しては僕にも考えがあるから、今は好きにさせていよう。


 そして今大会ではもう1人注目を集めている選手が、クレイルだ。

 彼は僕達と同じく今大会では最年少で参加しているが、彼の場合は1人で1つのチームなのだ。

 クレイルはその圧倒的な不利な状況の下、その類稀な格闘センスと身体能力で殆ど余力を残したまま勝ち進んでいる。


 そしてクレイルもまた、そういった貴族達のターゲットにされている様だった。


 こんな感じで、僕達とクレイルは順当に勝ち進み、現在は3日目の5回戦まで来ている。


 2日目で2回戦と3回戦、今日4回戦と5回戦を一気に行うつもりなのだ。

 僕達はさっき4回戦を勝利し、今5回戦の対戦チームとフィールドで向かい合っている。


 今回の僕の武器は2本の魔剣に加え、背中にジルドラスを差している。

 この武闘大会は収納魔法の使用が禁止されているから、使う武器は予め出して装備しておかなければならない。


 今回の相手は僕らと同じ2人のチームで、片方は竜人族の黒髪の男性、もう片方は魔族の赤髪の女性だった。


 竜人族の男性は前世でいう中国の武闘服の様な装束に身を包み、頭部の側面には竜の角があった。

 魔族の女性は悪魔族と呼ばれる、背中に蝙蝠の様な羽があり、頭部には羊の様な巻角があるという風貌だった。

 ついでに言うと、2人とも凄い偉丈夫と美女だ。

 竜人族の男性は服の上からでも分かるくらいに引き締まった体をしていて、その背丈も190はありそうだ。

 魔族の女性はスレンダーな体形にローブを纏った、ラティと同じ典型的な魔法使いの格好だった。


 装備は魔族の女性が魔法杖を持っていて、竜人族の男性は丸腰だった。

 おそらく格闘術なのだろう。


「君達と戦えるとは、私は嬉しいぞ。君達の様な強者と戦える事、誇りに思うぞ」


 竜人族の男性は一礼しながら、僕らにそう言ってきた。


「あらあら、ゼノンったら。でも、私も同感よ。強い者と戦えるのは、私達魔族にとっても1番の喜びだからね」


 魔族の女性も同意した。

 どうやら、彼らは僕達を強者として認めている様だ。


「ありがとうございます。僕達もあなた達のような人達と相まみえる事になって、凄く嬉しいです」


「だから、あたし達は全力でぶつかります。覚悟してください」


 僕達は魔剣と杖を抜いて構えた。


「無論だ。私達も持てる力を出して、君達を全力で打ち倒そう」


 そして、審判の開始の合図が来た。


「それでは、銀月の翼と赤黒(しゃっこく)魔竜(まりゅう)の試合を開始します!!」


 その掛け声で、相手の2人は構えだした。


「ゼノン・ウィンザルグ、いざ、参る!」


「イリス・ドルリアーナ、行くわよ!」


 ゼノンさんは僕に向かって突進し、イリスさんはラティに火球を放った。

 僕は黒薔薇で突き出された拳をガードし、ラティは水球で相殺させた。


「ぐっ……!?」


 だが、受け止めた際の衝撃が大きく、僕はラティと大きく離されてしまった。


「これで、心置きなく戦えるな」


「成程。僕達を上手く分断させて、それぞれで決着をつける気ですか」


「そうだ。見ての通り、私がリーダーだ。リーダー同士、思う存分暴れようぞ」


 ゼノンさんは左腕の赤い布を見せて言いながら、構えた。


「分かりました。これまでは手の内を明かさない様にしてきましたが、ここまで来たらいよいよ本気の本気でいかせてもらいます。ライトニングエンチャント!!」


 僕は複合身体強化を発動させて2本の魔剣を構えた。


「ほう。雷属性と身体強化の複合魔法とは、やはり私の目に狂いはなかった! 行くぞ、ユーマ殿!」


 ゼノンさんは全身に魔力を纏って再び突進して、僕も雷速で突っ込んだ。


――――――――――――――――――――


 一方、その頃のアリア達は、


「キュイ(どうやら、ユーマ達はここで強敵と当たった様ですね)」


「クルルゥ(大丈夫。あの2人は必ず勝つよ)」


「キュイ(そうですね。私達はあの2人の勝利を信じて、帰りを待ちましょう)」


 ユーマ達の状況をその鋭い五感で感じ取り、それでも主達の勝利を確信していた。

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お待ちしております。


次回予告

イリスとの魔法対決を持ち込まれたラティはそれを承諾する。

そして今、人族の美少女とと魔族美女の対決の火蓋が切って落とされる。


次回、ラティvsイリス

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