表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/26

13 人世を終わらせ神世へ戻すこと。人は神という絶対的な存在の前に管理されるべき

本日は、1時と8時に更新しています。

8時以降に最新話をご覧の方は、前話からお願いします。


 私は、メイド失格です……。

 まさか病気程度を治せないと思われていたとは。

 やはりもうちょっと出来るメイドアピールをした方が良いでしょうか。

 今までちょっと行動が控えめだった気がします。

 ここからは私の万能性をお嬢様に知って頂くために頑張りましょう!!

 一先ず、ちゃっちゃっと公爵家当主の病気を治しましょうか。


 千里眼で公爵家当主がいる寝室は把握済み。

 公爵家には、見張りの兵や執事やメイドが多数いますが、私の持つ光を自在に操るスキルを使用すれば、まるで透明人間のようになるのは容易いこと。

 大っぴらに歩いて寝室へ行けます。


「おっと、此処です。此処です」


 扉を無造作に開くと、そこは天空でした。

 開けた扉は消え、青空と雲があるだけの世界。

 これは、この気配は「神域」……。

 神々が戦うときは、その絶大な力を振るうと地上は瞬時に壊滅するため、遺憾なく発揮する領域を「神域」と名付け、その領域内では該当する神が戦いやすくなります。

 だからこそ私は、それに負けないぐらいの強さを欲してこうなつた訳ですが。


「罠に掛かったな。アザトール・オリジン! ここがお前の墓場だっ」


「……はぁ。デウス・エクス・マキナの模造品の分神程度が、私を此処で殺すとは冗談にしては笑えませんね。ステータス差が分からないぐらい能力低下してますか?」


 声がした方を見ると、そこに居たのは赤髪をした長身のメイド姿の女。

 一部違いはありますが、私の親友のデウス・エクス・マキナと酷似してます。

 私の親友であるデウス・エクス・マキナは、その性能から神に壊された後、似た模造品が生み出されました。

 とはいえ、オリジナルには及ばない性能でしたが。

 模造品は神世が終わるときに、全て破壊したと思ったのですが、どうやら見逃しがあったようですね。


「予想してましたが、貴女ですか。公爵家現当主に疫病神の権能を使い、病にしたのは……」


「ああ、そうだ。我らが本体の命により行った」


「では、その本体は今どこに? 色々と鬱陶しいので破壊しようと思うので、場所を教えてくれませんか?」


「はっ。知る必要はない! お前は此処で死ぬんだよ!!」


 がさつな分神体ですね。

 仮にも女性型なので、もう少し慎みを持つべきだと思いますが、言ってもしかたないでしょう。

 とりあえず視てみますか。



Name:デウス・エクス・マキナ≒■■■■≡ヴァージア

Class:■■■■の分神体

Level:5200

HP:8,219,459,900   SP:9,475,012,540

ATK:695,128,210   DEF:998,124,222

INT:7,568,120,000   RES:8,158,789,560

HIT:9,875,910,520  SPD:1,150,580,000



 ……私を殺すと吠えた割には、パッとしないとステータスですね。

 いえ、私から視たらそうですが、今の世界では最高レベルのステータス。

 ギルドに向けて私の分身達は、全ステータスを90,000,000以下に設定してますし、ジャンヌの護衛は例外です。


 問題は、模造品の名前は隠蔽されていて分からないのが悔しいです。

 名前さえ分かれば、後は居場所を見つけるのは簡単ですが、そう簡単には行きませんか。


「三千大千世界武神嵐撃!!」


 上空に浮かぶのは数多の武器。

 剣、刀、斧、鏃、槍などなど。武具と言われる物が勢揃い。

 暇なときに鑑賞したいほど見事です。

 残念な事に、今はそういう暇はなさそうですね。


 私に向けて放たされる武具の数々。

 懐かしいですね。ある武神の権能。あらゆる世界のあらゆる武器を喚び出す事が可能、でしたっけ。

 初めて戦ったときは苦戦したものです。

 武器破壊しても次々と喚び出される高威力の武器と防具達。

 私はその時に悟りました。


 打ち合って壊したり壊されたり面倒なので、さっさと虚無に消し去ろう、と。


「魔法陣展開。オールレンジ・ゼロ」


 大凡で100ほどの掌程度の大きさの魔法陣。

 例え大量の武器が私目掛けて来たとしても、当たるのは十数本だけ。

 後は目くらまし程度に捉えていて問題ありません。たまに厄介な力を持つ武器がありますが、それはその時に対処しましょう。

 魔法陣から黒い魔力の塊が、私を狙う武器に向けて放射される。

 武器は黒い魔力に当たると砂のように溶けて消え去った。

 あの黒い塊に当たった武器は、虚無へと消え去ります。

 権能で召喚された武器は、あくまで同等の力を有するレプリカ。とはいえ、再度召喚されるのには少々時間がありますが。


 さて、終わらせましょうか。

 ヴァージアの正面に移動して、空間から取り出しておいた、私の愛剣にして殺神剣・エヴァンライオスで斬るつもりで振り下ろしましたが、あの剣により防がれました。


「護神剣・ルーヴァグライアス……。権能で贋作を作りましたか」


「オリジナルは、お前が、奪ったからな!」


 ヴァージアと目と目が合った。

 ああ、これはだいぶ恨まれてますね。

 神が最高傑作であるデウス・エクス・マキナを壊す原因を作ったのは私ですからね。怨まれても致し方ないですけど……。

 なら少しだけ満足させてあげましょうか。例え模造品の劣化品とはいえ、デスウ・エクス・マキナ。私の親友の従姉妹みたいな存在ですからね。


 ヴァージアが持つ護神剣と、私が持つ殺神剣が数合打ち合う。

 神を護る剣。神を殺す剣。

 真逆の存在である剣が、まさかもう一度打ち合う羽目になるとは思わなかったです。

 さすがステータスは劣っているとはいえ、剣技に関しては剣神の権能を持っているので、流石に強敵です。

 ステータス差がかなりあるので負けはしませんが、同じステータスなら苦戦はしたことでしょう。ま、つまりヴァージアの実力はその程度ということ。


 ヴァージアの腹を思いっ切り蹴り飛ばした。

 幾つもの雲を突き抜けて落下していく。私はそれを追いかけるように高スピードで降下する。

 背後からは再び無数の武具が私目掛けて降り注いでくる。

 ……一つ一つ能力解放しながら放てば、私でも対処するのは難しいのに、このパターンのみ。

 デウス・エクス・マキナならば、全ての武器の能力を十二全解放して出来ましたけどね。

 模造品の劣化品に、そのレベルを求めるのは間違ってるのでしょう。


 雲の中に突入し、蹴り飛ばしたヴァージアに追いつき、斬りかかります。

 それに対応してくるヴァージア。

 流石に雲の中で、一撃を受けるほど軟弱ではないようですね。

 ま、別に構いませんが。雲の中に蹴り飛ばしたのは、別の理由です。

 雲を突き抜け、空へと戻る。

 「神域」は丸い空間。下にずっと降りていけば上に戻る、一種のループ空間となっています。


「――あああぁぁ! 九縊断(キュウエイダン)


「模技・九縊断(キュウエイダン)


 九カ所で鋼がぶつかる音が響いた。

 この業は、単純で九カ所を空間を操り同時に斬る。ただそれだけ。

 元々は9つ頭のある邪竜の頸を同時に切り落とすために生み出された業だとかなんとか。

 デウス・エクス・マキナも使っていたので、使われている内に覚えました。

 初見は死にかけましたね。私の身体に同時に9つの斬撃が来るわけですから。まあ死にかけました。

 ルーヴァグライアスには空間を操る力があるので、ルドラ様も頑張れば使える業です。

 帰ったら伝授してあげましょうか。


 と、言う事で、あまりお嬢様をお待たせするのも悪いのでケリをつけましょう。

 殺神剣・エヴァンライオスを上段の構えを取り、ヴァージアを斬ろうとした瞬間。


「まってたぜ。この瞬間を!」


 両肩が一瞬で切断されました。


「な、に……ぐっ。はぁ、ぁっ」


 また空間を歪ませ上空から『神槍』が、私の心臓を貫いた。

 これは、一体――。


「ここは「神域」。我々の領域だっ。ある一定の行動をすると、自動的に攻撃がされるようなシステムにしてあったのさ!」


 なる、ほど。

 一定の行動とは、たぶん殺神剣・エヴァンライオスを振り上げ、上段から兜割りをしようとした瞬間。敵の肩を切断するようにしてたんでしょう。

 流石の私も両肩が一瞬で切断されれば、隙が出来ます。

 更に無数の武器は目眩まし。真の一撃は、これの為ですか。

 こういう小賢しい事をする神々はいなかったので失念してました。まさか「神域」でこんな事ができるとは、ね。


「――これ、ほどですか」


「ハッーハッハッハッ。我の、我々の勝ちだ! アザトール・オリジン。貴様が奪った、我らが原型(アーキタイプ)の名前「デウス・エクス・マキナ」を還して貰うぞ!!」


 勝ちを確信してあるヴァージアは、掌に魔力を集中させる。

 原子崩壊させて魂も虚無へ消え去るつもりですか。


「これで、終わりだ――! 死んで消え去れ、大罪の神殺しっ」


「本当、これで――終わりですね」


 ああ、本当に貴重な体験が出来ました。

 こんな風に敗北する映像を見られるなんて、本当、久しぶりです

 私の視界が歪み。元に戻る


「な、に――。なんで、なんで、なんでなんで我の両肩が」


「目と目が合わさったときに、視界を入れ替えるように術式を仕込みました。で、視界を完全に入れ替えたのは、雲に突入して斬り合ったときです。武器に関しては、幻術だとバレたら困るので視界を入れ替える時に交換しておきました。神を護る剣を振るうかと思うと鳥肌が立ちましたよ」


「――!」


「認識対象は幻術で誤魔化すぐらいしか出来なかったです。ただどんな風に私を負けさすのか。少しは楽しめましたが」


「ふざけるなぁ! 我を、我を玩んだのか!」


「人聞きが悪い。貴女は私を殺したかった。私は慢心を戒めるため負けたかった。互いが視てた映像では、そうなってたじゃないですか。正にwin-winな勝負でした」


 本当、慢心は駄目です。メイドたる者、謙虚で行動しないと。

 しかし罠はこの程度だったのは、少々不満です。

 私を殺すのに両肩を切り落とし、神槍で心臓を貫いた程度で殺せると思われてたのでしょうか?

 ま、模造品本体が来てない時点で、またその劣化品が1体しかいなかった時点で、私がどれぐらい出来るか視たかっただけでしょう。

 所詮は、目の前に居るヴァージアは捨て駒、ですか。

 どちらにしてろ神を殺すという楔がある以上、哀れには感じますが、模造品の劣化品とは言え神。

 私は、汎用掃除専用魔法を放ち、ヴァージアをこの世界から消しました。


 主を失った「神域」は陽炎のように揺らめき消え去り、私は元の公爵家屋敷へ戻りました。

 寝台で寝ている筋肉隆々で髭をライオンのように生やした当主。寝たっきりで無ければ、暑苦しそうな御仁です。

 ……どうやらヴァージアを斃したことで、疫病神の権能は消えてますね。

 そうでなければ、殺神剣・エヴァンライオスの効果で、どうにでもなりましたが。


『ヴァージアでは、貴女に傷1つ付けられなかったみたいですね』


 壁に置かれている少女の人形。

 形からして公爵令嬢を模して作られた人形でしょう。


「デウス・エクス・マキナの模造品。貴女に一度会いたいので時間を作って貰えませんか?」


『拒否します。我が主の本願の為に、私は死ねませんので』


「主の本願?」


『――人世を終わらせ神世へ戻すこと。人は神という絶対的な存在の前に管理されるべきだという考えです』


「はっ。冗談にしては笑えませんね。デウス・エクス・マキナの模造品。貴女が管理する神になるつもりですか」


『違います。我が主が神となります。それに必要な道具が不明でしたが、ついに見つけました。我が原型たるデウス・エクス・マキナの心臓の在処。そう、トワ・ロイヤル・バアルナイトの、――』


 思わず人形を木っ端微塵にしてしまいました。

 ……これは仕方ない。主すら知らない秘密を言おうとしたのだから。

 カナタと私しか知り得ない情報を何処から――。

 ギルドに潜ませた分身たちからも、模造品の居所の連絡はないですし。

 どうやら、もうしばらくは後手後手に回るしかなさそうですね。


「どうせ視るでしょうから言いますが、私の親友、カナタ・オールドワンの最愛の娘の命を狙うようなら――殺す。ただの、神を殺す者として、神々が創り出した機械神の模造神。お前の存在自体を消す。覚悟しろ」

すみません。

次からは今までと同じく隔日更新となります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ