表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
どうせなら異世界で最強目指します  作者: DAX
第二章【羅刹と夜叉】
40/318

失敗と吸血鬼



 あれから半日が過ぎ、迷宮攻略も現在【36階層】。


 俺達は順調だった。

 前衛は変わらずサラとルキが担当し、俺とガオウは後衛にて援護をしていたが、特に必要もなかった。

 最初は神器【森羅万象】による能力【付加】で2人とも苦労したが、ちょっとずつ慣らしていった。

 結果的にはちょっと疲れる程度には慣れていったのでこれなら問題ない。


 1つ気になるのは、未だにBランクまでの魔物しか出てこず、Aランクの魔物が出てきてないことだ。

 進行する分には凄く助かるが、ここまで出てこないと、かえって不気味に感じる。


 後、半日もすれば迷宮はSランクになる。

 それまでにAランクの魔物とも戦っておきたいのが正直な理由だ。

 いきなりSランクと戦うよりかは順を追って戦いところだ。

 まぁ出てこないのなら仕方ないが、これがフラグにならないことを祈るばかりだ。



 階段前に陣取る4体の魔物。


(オーガ)

属性【炎】

所持【棍棒】

弱点【水】

ランク【B】


 頭からは2本の長く鋭い角が生えており、体は筋骨隆々。

 腰布1枚に全身は赤く染め上げていた。



 珍しく俺達はそれぞれ一対一の形で対峙した。

 ルキは神器【ドラゴンテイル】を発動させ、一気にオーガを貫いた。

 弱点も水だし相性の良い相手と言える。


 ガオウも鉄球の神器【グランドバスター】で一気にオーガを粉砕した。

 流石パワータイプはやることが派手だった。

 ちなみにガオウは未だに新たに創造したSランクの神器を使っていなかった。

 結構出し惜しみするタイプだった。


 サラも難なくオーガの攻撃を躱して、神器【百花繚乱】を発動させるが属性が【風】で相性は良くなかった。

 ランク的には問題なかったのだが、俺は試してみたかった【森羅万象】の裏奥義をサラの神器で試してみた。


【風属性】+【水属性】



「!?」

 サラの神器【百花繚乱】に2つの異なる属性がぶつかり合った。


「くぅぅ……!」

 サラは百花繚乱を両手で握りしめ、必死に魔力をコントロールしようとしている。



 ゆっくりと魔力が溶け合うのを感じた。


 いけるか!?

 俺も集中するが、突如魔力が弾けた。

 全員が巨大な魔力の渦に吹き飛ばされた。


「がはっ!」

 俺は襖毎吹き飛ばされ、畳の上を転げていった。


「くっ……!」

 ルキは少し離れていた為、なんとかその場に留まることが出来たようだ。


 ガオウは吹き飛ばされたサラを瞬時に支えていた。

 いつの間に……


 魔力の衝撃で、残っていたオーガ2体も吹き飛ばされ息絶えていた。

 体にはうっすらと凍った跡があるように感じたが、すぐに消えていったので確認出来なかった。



「ご、ごめんサラ……大丈夫?」

 俺は体を引きずるようにしてサラの元に歩み寄った。


「え、ええ……なんとか……ガオウさんが支えてくれたので……」


「相変わらず無茶をする」

 俺はガオウに(たしな)められた。


「ホントごめん……」

 俺は謝り倒した。



 サラは胸当の神器【花樹園】を発動させた。

 花樹園は属性【風】、能力【治癒】の神器で、辺りに暖かく優しい風が俺たちを包んだ。

 ゆっくりだが傷が癒えていった。


 よくみるとサラの腕は軽い凍傷にかかっている感じで、俺はサラから【アクエリアス】の神器を外して自分に装着して発動させた。

 サラの凍傷した腕はゆっくりだが元に戻っていった。



「……結構、治癒の神器は扱いが難しいな」

 ランクで考えたら問題ないが、スキルにないと結構難儀した。


「ですね。私も治癒の神器を所持してますが、スキルにないとやはり早くは治療できませんね。スキルがないと……」

 サラにネチネチと責められた……


「うっ……ごめん……次は【嵐属性】にしてみるよ」

 風属性と雷属性ならいけるか……?


「……いいですけど、出来たらランクがSになってからお願いします。現状ただの【付加】でさえ厳しいので属性を融合されては今の私では……」

 珍しくサラから弱気な発言を聞いた気がする。



「いてっ!?」

 突如俺は後頭部を軽く小突かれた。

 2ヶ所……


「全く、迷宮の魔物より竜斗の方が危険とはな」

 ルキからも窘められた。


「お主、段々姫様に似てきておるぞ」

 ガオウに言われて自分でもそんな気がしてきた。


「すみません……反省してます……」

 俺は頭を押さえた。

 若干、涙目になったことは内緒で。



 でもあと少しだった気がする。

 サラのランクがSになればいけるかも知れない。

 それとも属性の融合はスキルにない属性は無理なのか?

 俺はスキル【五光】があるから【魔名宝空】を【嵐属性】に出来たけど、他人は無理なのか?

 いや俺が先に【森羅万象】で属性を融合させてから、誰かに【付加】させてみるのは?


 検証したいことが出来た。


 アルカディア国に帰ったら、試してみなくちゃ!

 俺は目を輝かせた。

 実験た……手伝ってもらうのはガオウかゼノがいいな(笑)


 ちなみに俺はこの時、「反省してないな」と言う3人の視線に気づかなかった。





 暫く休憩してから上の階を目指すことにしたので、4人で階段の前で座って休んだ。



「……いるな」

 俺は小さく呟いた。


「ああ、気づいたか竜斗」

 ガオウも気配を感じていた。


「どこにいるか分かるか?」

 ルキも気づいており辺りの警戒に入っていた。


「恐らくこの階ではなく、上の階です」

 サラは占術眼で既に察知していた。


「……覗かれてるのか?」

 俺は尋ねた。


「いやそれはない」

 ガオウは否定した。


「わかるのか?」

「ああ、奴に千里眼のスキルはない」


「奴?」

「我がこの迷宮を躊躇った理由だ」


「一体何なんだ? てっきり【百鬼夜行】の事かと思ってたけど……」

「いや、まぁ……あれも厄介だったが、奴はそれ以上だ」


「……奴って?」

 俺は恐る恐る尋ねた。



「…………【吸血鬼(ヴァンパイア)】だ!」




 うわ~

 うわ~

 うわ~

 遂に出ちゃったか……



 漫画、アニメ、ゲーム、小説のファンタジー物で必ずと言っていい程出てくる……


 ザ・中ボス


 こいつが出ないと物語が進まない的な……

 いや、寧ろこいつが出なくて何が出てくるんだ的な……



「どうする? Aランクなら、俺が戦ってもいいけど……」

「そうだな、それがいいかもしれん。奴にはスキル【再生】、【吸血鬼化】がある。単純な物理攻撃は効かず、以前も属性による攻撃で3人がかりでなんとか倒したのだ」


「弱点属性は分かるか?」

「すまん、それは分からん。ただ、【光、闇、炎、地】は大して効いてない感じだった」


「神眼で視ないとなんとも言えないな……」

「それに奴のスキル【吸血鬼化】は血を吸った相手を洗脳する。ルルの状態異常解除がなければどうなっていたことか……」


「……よし、ならサラには後衛で【アクエリアス】だな。ガオウも後衛でサラの護衛だ」


「分かりました」

「了解だ」


「前衛は俺とルキだ。相手の弱点にもよるけど、水なら俺とルキで挟み撃ちだ。雷か風なら俺がメインでルキは俺のサポートをしてくれ」

「了解した」



 俺は神器【絶刀・天魔】、【森羅万象】。

 ルキは【ドラゴンテイル】、【薔薇の盾】。

 サラは【花樹園】、【アクエリアス】。

 ガオウは【黒鎧武】に、斧の神器【グラヴィトンバスター】……属性【地】能力【重力】ランク【S】を発動させた。


 ガオウの新神器はかなり派手だった。

 以前使用していたレギオンバスターより少し大きく装飾も派手だった。



「……1つ思ったんだけど、スキルに【重力操作】があるのに、神器の能力【重力】っていらなくね?」

 前々から疑問に思っていた。


「そんなことはない。治癒と一緒だ。スキルに重力操作があれば、能力に重力がある神器を効率的に使用できる。消費魔力も抑えられるし、効果も増大するだろう」

 ガオウに否定された。


「へ~……中々奥が深いな」

 俺は感心した。



 ガオウの説明を聞くと、以前オークスが能力【重力】のある神器で皆の動きを封じていたが、あれは間違った創造の仕方らしい。

 能力とは本来神器そのものにあるもので、他人に対して行っても効果は半減するらしい。


 治癒などがそうで、俺やサラが上手く扱えない理由がこれだ。それを補助するのがスキルみたいだ。


 ガオウのグラヴィトンバスターも斧自体の重さを変化させる神器らしい。

 別の対象に行うのはスキルの方みたいだ。



 そしてスキルにも、それ単体で発動できるものや、神器を介して発動が可能になるものもあるそうだ。


 前者は特殊スキルや、肉体強化系、飛翔や王気など。

 後者は復元や治癒、捕縛、服従等のスキル。

 属性系は後者だが、属性耐性は前者らしい。

 スキルと神器の能力が合致すれば効果は増大するらしい。


 ルキの話だと、ゼータが竜種ハクラを服従させようとしていたらしいが、今の話を聞く限りだと神器に【服従】の能力がない為どのみち失敗に終わってたみたいだ。



 多分ゼータも色々試そうとしたんだな……

 ルキの話だと覚えたてだったみたいだし。



 話が済むと俺達は階段の先を見つめた。

 そしてゆっくりと階段を昇っていった。



迷宮【城】、階層【37】、【庭園の間】



 迷宮内なのに中は庭園みたいになっていた。

 日本庭園にある枯山水みたいな感じだった。

 一面真っ白で白砂などが用いられており、大小様々な石が置いてあった。



 俺達はゆっくりとその上に足を踏み入れた。



「ああぁぁ、穢らわしい! 私の華麗な庭に土足で踏み込むなんて!!」


「!?」

 突如、どす黒い怨念の塊みたいな声が聞こえ、全員で身構えた。



 すると庭の真ん中にある他より大きな石の上に1つの黒い塊が姿を現した。

 丸い塊がゆっくり起き上がると、可憐な少女が鋭くこちらを睨んでいた。

 俺は神眼で睨み返した。



吸血鬼(ヴァンパイア)


クラス

【真祖】

所持

【刺突剣】

スキル

【自己再生】【吸血鬼化】【剣才】【枯渇】

弱点

【水】

ランク

【A】 潜在ランク【S】



 今までとはレベルが違うな……

 それとも神眼が解放されたから視えるようになったのか?

 自分で視たいステータスだけとか調整出来るのかな?

 また1つ試したいことが出来たが今は目の前の敵に集中だ。



 てか、あいつ喋った……?




 はい、毎話思いつきと勢いで書いてるツケが回ってきました。

 後半説明になりましたが大丈夫かな……?

 スキルや能力についてですけど多分、補正出来たかなと……


 おかしなところ指摘して頂ければ助かります……

 直せる範囲でお願いします。

 直せそうになければ放置します。

 雰囲気と勢いで読んでください(笑)


※ルルがAランクになれば後天スキルに【解呪】のスキルを追加させます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ