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第九話 ハンターとの対峙

「はぁ~。ミスったな~。」

さて、今日二回目の依頼をこなしている俺だが、この仕事を選んだことを非常に後悔している。なぜって?俺は人とコミュニケーションを取るのが大が付くほどの苦手なんだよ!!!

「まさか会計をやらされるとは……あ、いらっしゃいませ!」

「おう」

「あ」

うわあああああ!!!!龍族のオッチャンじゃ~ん!!!

「……どうした?」

「な、何をお探しですか?」

頼むオッチャン!!早く出てってくれ!!

「いや、木材が少し足りなくてな。これ売ってくれ。」

そういって渡されたのは200×73センチの木材だった。

「ありがとうございます。5400マニーになります。」

「……少し高いな。まあいいか。ほらよ。」

オッチャンが俺にお金をくれた。メイナにお金のことを聞いててよかったな。

「ちょうどですね。ありがとうございました!」

「おう。仕事がんばれよ。」

オッチャンが店から出て行った。何とか峠は乗り越えた感じかな。さて、会計を続けるか。










「おつかれ!これは報告書だ!ほれ!」

「ありがとうございます。」

所要時間6時間。外はもう真っ暗……いや、もともと真っ暗だ。魔界には昼と夜がないのだ。ただし、時間はちゃんとあって、寝る時刻、仕事をする時刻など決められている。だから俺にも問題は全くないんだ。





 俺は依頼の報告をしにギルドへ戻る。

「……!………………ろ…………。」

ん?かすかだが何か聞こえる。

「………おい……………ぜ!」

「向こうのほうだ!!!」

俺は声が聞こえるほうへ向かう。何かいやな予感がしたのだ。



嫌な予感は的中していた。暗い路地の中で女の子が二人の男につかまっていたのだ。

「よし!あとはこいつをどこに売り飛ばそうかな!!」

「コイツなかなかかわいいし、高く売れそうだな!!!!」

俺にはこの世界のことがよくわからない。だが、俺は一瞬でわかった。こいつらが、オッチャンの言ってたハンターだと。

「おい。」

「ああ!?何かようか!?」

「ああ。お前たちハンターだろ?」

「そうだぜ。お前も入りたいのか?歓迎す……」

俺は最後まで言わさずにその男を殴る。男は顔面を壁にぶつけられ、そのまま倒れる。

「なっ!?お前人間じゃないのか!?」

「人間さ。」

「だったらなぜおれたちを襲う!!」

「なぜ?そりゃあ……」

俺は最後まで言わずに男の腹を殴る。

「ガハッ……」

「お前たちが悪いことをしてるようにしか見えないからな。」

さて、二人の男は気絶したな。死んでないよな。死んでたらシャレになんないぞ。

「大丈夫か?」

俺は女の子に聞く。よく見ると顔は人間のままだが足だけ違う。足は龍族そのものの足だった。なるほど、魔人か。

「……………ねえ、なぜ助けたの?」

「え?そりゃあ、あいつたちが悪いことをしてるようにしか見えなかったからだけど……。」

「……………。」

この子無口なのか?

「それよりも君、名前は?」

「……………。」

無口確定っと。

「まあいいや、親とかはいるのか?」

その子は何も言わずに首を横に振った。

「家は?どこかにあるの?」

今度は首を縦に振った。

「じゃあ帰りな。もう危ない目にあうなよ。」

っと話を区切って俺は改めてギルドに戻る。その少女は最後まで無口だった。




「ただいま~終わったよメイナ。」

「おかえりなさい。報告書をお願いできますか?」

俺は報告書を渡す。このやり取りももう慣れたな。

「はい、けっこうです。報酬の20000マニーです。25%差し引かせてもらいまして15000マニーです。受け取ってください。」

「さんきゅ。今日も勉強頼むよ。」

俺はそういって昨日と同じように風呂に入り、飯を食べた。


「さあ、始めますか。」

「おう。」

今日も文字について学んだ。どうやら文法は英語と同じようだな。文字の種類も30種類ぐらいだし、英語に近い感覚だな。

「じゃあ、この文、読んでください。」

「え~と?『すまないが狂暴バーサクモンスターをたおしてくれ。―魔王より。』ってええ!?どういうこと!?メイナ!?」

「申し訳ございません。最近妙に狂暴モンスターが多く、被害が後を絶たないんですよ。だから、やってもらえないか?という魔王様直々の依頼です。」

いきなりだな。どうせやらなきゃなんねえし、やってやるよ。

「わかりました。明日でいいですか?」

「もちろんです。あと……」

渡されたのは腕時計みたいな機械だった。

「これはなんですか?」

「これは狂暴モンスターと魔物を区別する装置のようです。やっと出来上がったから真平君に渡してくれ!と言われまして……。」

やっと?ということは初めてできたのか?だったらなぜおれに?

「なぜおれなんだ?アネルさんのほうがいいじゃないか。」

「さあ……?それほど魔王様が安田様に期待しているからではないでしょうか?」

へえ……まあそうとらえておくか。

「じゃあ、ありがたくいただきます。」

俺はミサンガを右手首に付け替え、新しく腕時計みたいな機械を左手首に着ける。

「これ、名前はなんていうんだ?」

「えーと、魔王様が言うには『真平君専用!狂暴モンスター識別装置!!』だそうです。」

………魔王よ。ネーミングセンス悪すぎだろ。

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