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おい!今度の行き先はサッカー漫画だってよ!?  作者: 赤星べお(※完全なPNにしました)
2章 スーペルゴレアドール!
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38話 スコアメモという黒歴史 ~くすのきもつかってね~

説教はしないよ。僕が貰ったアドバイスを繰り返すだけ。真面目にやること、他人を尊重すること、それから楽しむこと。でも、この僕の3つのキーワードで遠くまで行けるよ。本当に遠くまで。

by ジネディーヌ・ジ〇ン


 そういや、どうやら俺はしばらく怪我人扱いになるらしい。

 全治どの位、といった訳では無いけど、無理はしない様にと洋二先生からお達しを受けたからだ。


 とりあえず2.3日ぐらいは大人しくしているようにと、厳しめの忠告だった。

 そのまま、それを監督に伝えところ、

 『だったら決勝のビデオでも見るといい』と言われ、8ミリビデオテープを渡された。


「ついでだからお前に付き合わされた二人にも声をかけてやれ」


 という訳で今現在、芝浦と紺野を従えての両手に花状態となったのだが……。


 うーん。まさかの楠。ハーレムルートまで実装してるとは。恐るべし!


 視聴覚室に向かおうとすると森山が上機嫌で寄ってくる。


「俺様の活躍を堪能してくれ! なんなら一緒に行って解説もしてやるぞ?」

  

「うーん、いらないかな?」

「私も……、結構です」


 あっさり2人ともに冷たく返され、肩を落としながら去って行く森山。

 ホント様式美の見本みたいな奴だな。

 例えば、ここで俺が『ぜひお願いしたい!』って言ったら、コイツはどんな反応するんだろうか。

 いや、絶対言わないけど。


 ビデオテープをセットし、まずは自分たちが知らない場面まで早送りをしていく。

 結果がわかってる分、精神的にはだいぶ余裕がある。


 そのままくだんの場所にたどり着き再生に切り替える。

 俺が不破に電気アンマされたシーンからのスタートだ。


『あぁ!』とか『今のヤバくねーか?』とかの音声が入っている。

 途中『……先輩?』という声も聞こえた。芝浦だろうか?


 芝浦に視線を向けるたが、一瞬目が合った後すぐに逸らされてしまった。


 モニターではベンチから部長や芝浦が、俺のところへ慌てて走って行く後ろ姿が映されている。

 

 うーん。これは実際より映像の方が派手に見えるかも。

 遠くで撮影している分、吹っ飛んだ俺が悪目立ちしている印象を受ける。


 あー、でも確かに……。

 これで動けなくなってうずくまったら、ドクターストップも納得かもしれない。


 瞬間を思い出して、股間にヒュンとした冷たさを錯覚する。


 それにしても――、潰れないで済んでホント良かった。

 

「もう少し進めよっか?」


「そうだな。プレー再開までお願い」


 もしかしたら俺の顔色も悪かったのかもしれない。

 気を使ってくれたのか紺野によって、映像は先へと進められていく。


 その後、何でもない山なりのクロスを西と桜井がお見合いしてしまいヘディングで決められるシーンが流れる。

 西の『キーパー』って言うのがもう少し早かったら。又は桜井が『クリアー』とか叫んでいたら防げた可能性も高い。

 続いて裏のスペースに飛び出したボールに飛び出した桜井がかわされ、不破が後ろから吹っ飛ばすシーン。

 この辺までは聞いてた通りだ。


 結果的にはミスから生まれたモノだが、桜井だけを責めるのは酷すぎるな。

 むしろ桜井だって試合にずっと出ていれば、この辺の連携は無理なくこなせたはずだし。

 まあ、急に出て普通にやれって言うのがリザーブの仕事とはいえ、難しい部分だな。 

 

 さて、問題はここからだ。

 

 PKを決められた後に、4バックに戻して安定を取り戻そうとする中でのゴールラッシュ。


 森山の一点目は司の鬼キープから生まれていた。

 バイタルを斜めにドリブルで切れ込み、3人ほど釣りだした後にヒールで氷高にスイッチ。

 それを氷高がミドルで狙ったのが森山に当たってコースが変わりゴール。


「ああ、森山邪魔! 氷高君のゴールじゃない、コレ?」


 紺野が正直な感想を上げる。


 ……うん。まあ、確かにいなくても入ったぽいな、これ。


 その直後、訪れる失点シーン。

 中盤でボールを受けた八神が二人掛かりでボールを奪われてショートカウンターのような形。

 スルーパスに対してオフサイドを狙うも失敗し、一対一になりあえなく失点。


 八神の疲労がアリアリと出過ぎている。流石に無理させすぎだろ、これは……。

 前半から何回『Box to Box』全力でやらされてんだよ。


 あとの二点に関しては、八割がた司のお膳立てが生んだゴールだった。

 司としても全国の前に、森山の復調を期待したんだろう。FWにとってゴールが一番の薬だろうしな。

 

 なんというか……『ガスレンジから熱いミルクを持ってきて、一息吹いて冷ましてやれば、ほらお前ならもう飲めるだろう? というゴールでしたね』というフレーズが頭によぎる。


 倉〇さんの言いたいことが初めて共感できた瞬間だった。


「……なんか森山先輩のゴール、八割ぐらい皇先輩のゴールじゃないですか?」


「あ、私もそう思った。むしろ、アイツはこれで『俺様の活躍』の何を解説したかったのか逆に気になるんだけど」


 コメンテーター達の冷静な分析、いや駄目だしが始まる。


「そもそもさぁ、あそこまで準備されないとシュート打てないFWってどうかと思うのよ!」


「あ、同感です。それに、うちって結構中盤揃ってるじゃないですか? 他より絶対チャンスだって多いはずですよね?」

 

「そうそう! コイツの決定力の無さ……、つうか判断力の遅さがチームのブレーキになってんじゃないの? そりゃ望月モッチーに蹴られるわ!」


 まさかの言いたい放題。森山来なくて正解だったな。

 つか、通しで見て一番目を引いたのは残念ながらゴールシーンでは無く……。


「あ、思い出した! さっきんトコ、もう一回見ようよ? 森山が蹴られてるとこ!」


「ええー?」


 と、言いながら芝浦も楽しそうだ。


 映像が巻き戻しされ、二点目のゴールの後が映し出される。


『見たか!! 楠と不破! オ・レ・が! お前らを全国に連れてってやる! だから今すぐスカウトに森山君と一緒じゃないと嫌です! って連絡するんだ! 全国に連れてく代わりに俺をプロに連れてってくれー!!』


 ガシッ!


『イタッ?』


 ガシ!


『ちょ? もう止めて?』


 一時停止。


「マジ、もう無理。モッチーさりげなく二回蹴ってるし!」


 すでに紺野は笑い転げている。


「『ちょ? もう止めて?』んトコ森山先輩、少し泣きそうじゃないですか?」


「ウケるー!!」


 紺野の爆笑がひとしきり終わった後……、小さな反省会が行われる。


「いや、ちょっと私も笑いすぎたわ」


「私も悪ノリしちゃって……、すいません」


 冷静さを取り戻した2人が、ここにいない森山への謝罪を行う。


 まあ、アレでも一生懸命やってるんだから、個人攻撃は良くないぞ、うん。

 性格的なモノや性癖的なモノなら、俺も何も言うつもりはないけどな。


「そういや凄い上手い一年生いるじゃない? 新人戦の結果次第ではいけるんじゃない?」


 気づけば森山の代役探しへとトピックは移っていく。

 これはある意味、森山も追い込まれてきたかもしれないな。是が非でも実力でスタメンを勝ち取って欲しい所だ。


 桜井に関して感じたのは一つ。


 ――あれは以前の俺にソックリだということ。


 松永の陰に隠れて『いざ自分が! 』って場面でチョンボを犯してしまう勝負運の無さ。

 急に試合に入れなくてオドオドしていて、自信の無さげなところも全て……。


 俺が松永クオリティになったとは思えないが、穴埋めとしての配役に桜井が当てられてしまった様な気がしてならない。

 前にも思ったが、すでにここは俺の知ってる『太陽のストライカー』ではない事は実感している。

 全国大会中も、何かのアクシデントで桜井に出番が回ることだってあるかもしれない。


 試合鑑賞を早々に切り上げ、俺はグラウンドへ向かい練習の終了を待つ。


 司と桜井を呼び止め、2人にある提案をする。


「なあ司? 今まで俺が受けてた特訓だけど、出来れば桜井も一緒に受けさせてくれないか?」

 


 


 

 なかなか時間が取れず定期的が難しくなってきてしまいました。落ち着いてストックが出来る環境になるまで、0時更新では無く、更正完了次第上げていきたいと思います。吸いませんが、ご理解よろしくお願いします。

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