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第7章その4
棒付きキャンディーは、とても美味しかった。キャンディーをペロペロ舐めながら、トムはハジメに質問した。
「もし光るのが少なかったら、お買い物が出来ないの?」
「そういう事になるね。どうしても欲しい場合は、別の物と交換するとかしないと」
「困っちゃう人は、いないの?」
「ハハハ、この世界に住む人にとって、『感謝をする』という行為は、息をするのと同じなんだよ。考えなくても、ごく自然に出来ると言えば分かるかな?」
「受け取った光はどうなるの。どうやって貯めておくの?」
「・・・やっぱり君は、頭が良いね。外の世界から来た人は、なかなか気が付かないものだけどね」
ハジメが感心したように言った。
「自分の中に・・・ここに貯めておくんだよ」
自分の胸元を指差しながら、ハジメは答えた。
「皆、自分の中には小宇宙を持っている。そこに光を貯めたり、そこから光を引き出したりする」
ハジメの話は難しく、トムにはよく理解出来なかった。トムは自分の胸に手を当ててみた。ほんのりと暖かいような気がした。




