地下鉄
—地下鉄—
怪力男を裏返した後
第二区画の入り口、階段の右側
売店の一つが動いている。
シュルルルッッッ
下へ流れている、残像を作りながら
その売店だけが動いている、
やがて止まり看板が…
[Yo☆Gen☆Sobaya☆]
[ぴちぴち幼女♡そばやはじめました]
[陰陽占いもやるかも]
[追伸ぴちぴちおててでこねてる]
……店の扉へと歩く
カン…
カン…
駅のタイルが義足の足音を
空間に反響させる
扉の前についた
ガチャ…
「レ〜♩」
「レーレ♩」
「レ〜♩」
妖幻の店の扉を開けると
店内は蓄音機が鳴り響き
ズゥゥゥルル
受付の席に一人、
スーツの男が受付前の席に座り
そばを啜っていた。
妖幻は受付の中で腕を組み、
そばを啜るスーツの男と話している。
「妖幻ちゃんこれ髪の毛入ってるよ」
そばを啜りながらスーツの男は
妖幻に話しかけた
「黙って食え」
「はい…」
スーツの男は髪の毛を避けながら
そばを箸で食べている
「ん…来たか木偶の坊」
妖幻が腕を組みながらこちらを見て
そう言った
「そのそば持って帰れ」
「はい…」
スーツの男はそばを丼ごと抱え
ズゥゥゥルル
ガチャ
パタン…
そのまま扉を開け、出て行った。
「なかなかやるな木偶の坊!」
ビュンッ
妖幻は腕を組むのをやめ
受付を飛んでこちら側へ来た
「怪力男、奴の理を裏返すことができた」
背負っている、バックをあさる
エンジニアからもらった緑のカプセル、
栄養剤を手に取る。
カチャ…
首の右の付け根部分、開口部を開ける
「式神はどうじゃ!?面白かったじゃろ…
面白いッッ!!」
カチッ
栄養剤がはまった
チュゥゥゥ……
チューブをつたり後頭部から脳へ
栄養剤が注入される
妖幻の方へレンズをやると
なぜかこちらの頭部を
青筋を浮かべながら睨んでいた。
「ぎぎぎぃぃぃ…ふぅ…」
妖幻の青筋がおさまった
「あと少しで出るとこじゃった」
「グーが」
なぜだ
「うッッッふん」
チリン…
チリ…
妖幻が咳払いをした、風鈴が鳴る
店内の空気が微かに
変わったような気がする
「次の話じゃ、お主の目的地への道
そこはわしの道でもある」
「お主はスパークカード、わしは光点」
「それに変わりはない」
妖幻は交互にこちらの義体と妖幻自身の
身体を指差して話した
「この先の第二区画には怪魔、
小人が待ち受けておる」
「奴は…第三区画の入り口、
図書館を封じた」
「そしてこの第二区画は今、
魔境と化しておる」
「北安、怪魔、装甲師団この三つ巴じゃ」
「おんしはこれより紛争地帯へ
その木偶の足で踏み入れることとなるぞ」
「お前の…忘れたい場所か…?ここは」
「それとも…」




