第十四話 もう足元なんか見ない
それから何度か練習試合もあった。
私もちょくちょく試合に出してもらえるようになっていた。
左利きだし、少しは期待してくれているのかもしれない。
そう思うと嬉しかった。
その分、絶対に足を引っ張りたくなかった。
とにかく必死に練習した。
それからしばらくして、今度の試合へ向けてユニフォームが配られることになった。
私は十二人の中に選ばれるだろうか。
ドキドキしていた。
先生が一人ずつ名前を呼んでいく。
私は十一番目に名前を呼ばれた。
思わず顔を上げる。
良かった。
心の中で何度もそう思った。
ユニフォームを受け取った瞬間、胸が熱くなった。
高校へ入って初めてもらうユニフォーム。
嬉しかった。
これで少しでも試合に出られれば――。
そんな事を考えながら、私はさらに練習を頑張った。
そして試合当日。
高校に入ってから初めての大会だった。
会場へ入ると、他の高校の選手達が練習をしていた。
その姿を見て、私は思わず言葉を失った。
……すごい。
体育館に響くスパイクの音に、思わず肩が跳ねる。
みんな体も大きい。
空気が違う。
本当にここで戦うんだ。
急に心臓がうるさくなった。
試合が始まる。
私はレギュラーにはなれなかった。
悔しかった。
だけど今の自分に出来ることをやるしかない。
ベンチから必死に声を出した。
私が今やるべき事は、応援してチームを盛り上げることだ。
すると先生に呼ばれた。
「試合に出てもらうぞ」
ドキッとした。
試合に出られる。
嬉しい。
だけど、それ以上に緊張していた。
でも、もう弱い自分は見せたくなかった。
気持ちで負けたくない。
もう足元なんか見ない。
心臓はずっとバクバクしていた。
だけど私は前を向いた。
そう思いながら、コートへ足を踏み入れた。
ここまで読んでくださりありがとうございます。
高校で初めてユニフォームをもらった時は、本当に嬉しかったのを覚えています。
試合会場へ行くと、他校の選手達がみんな大人っぽく見えて、「高校バレーってすごい世界だな」と圧倒されていました。
この頃はまだベンチにいる時間の方が長かったですが、それでも試合に出られるかもしれないというだけで毎日必死でした。
高校へ入ってから、バレーへの気持ちはますます強くなっていった気がします。




