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【01】 デビューからの苦難

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【あらまし】(ボートレースフライングエピソード)


 新人ボートレーサー速水爽香のこれまでの成績(着順)、

第1節『結果、6・6・6・6・5・6・欠・6』

第2節『結果、6・6・6・6・6・失』

 そして第3節が始まり、最終日。今日まで成績は、

第3節『●登場人結果、6・6・6・6・6・6・6・今日』


 爽香は最後のレースでフライングを犯してしまう。すると、埼玉支部の先輩、A1級レーサー里見千鶴から「一緒に帰ろう」と誘われるのだった。

 爽香は愛知県蒲郡から埼玉県まで、先輩の息子が運転する車に乗って帰ることになった。その車中で、爽香は先輩レーサー千鶴から次々と興味のある話を聞くのだった……

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【主な登場人物】

速水爽香 20歳女 女子ボートレーサー

里見千鶴 48歳女 女子ボートレーサー、その後爽香の師匠となる

里見拓也 19歳男 千鶴の息子

ボートレース場係員

選手A~C

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【前書き】

●この小説には多くの数字が出てきます。そこで読者の皆様が読み易いように横書きとなっております

●多人数での会話も多いことから、誰が話しているのか、すぐにわかるよう会話の頭に台本形式で、氏または名を付けて表現しました

●本文の推敲・校正、登場人物の整理、後書きにつきましてAIを利用しております

●この物語はフィクションです。実在の個人・団体、実際のレースとは一切関係ありません。ボートレーサーと市役所職員をモデルに、フィクションとして制作されたものです

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ボートレーサーとしての速水爽香の歩みは、惨憺さんたんたるものだった。


第1節(デビュー戦・ボートレース戸田)

結果:6・6・6・6・5(実質最下位)・6・欠(転覆)・6


第2節(2場所目・ボートレース戸田)

結果:6・6・6・6・6・失(違反により即日帰郷)


第3節(3場所目・ボートレース蒲郡)

結果:6・6・6・6・6・6・6・?


初日から5日目まで、7乗艇すべてが6コースからの発走で、結果は全レース6着。

そして迎えた最終日。蒲郡の夜を飾るナイターレースだった。


午後3時から夜9時まで行われるナイター戦は、朝が苦手な爽香にとって集中しやすい時間帯だ。おまけに「ナイター手当」もつく。帰宅が遅くなりホテル前泊が必要になる新人に向けたささやかな手当だったが、無収入に近い爽香には貴重な糧だった。


最終日、爽香の出番は第8レース。5号艇、予選の男女混合戦だ。


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ボートレース蒲郡 第8R(男女混合一般戦)


【出走表】

1号艇:南田 利貴(28歳/A2)勝率5.55[モーターー:前走53424542]


2号艇:土田 孝之(59歳/A1)勝率6.17[モーター◎:5 5 6 4 2 5 2]


3号艇:岡安 健梧(30歳/A2)勝率5.87[モーター×:6 1 5 4 5 5 4 1]


4号艇:向川 美有(33歳/A2)勝率5.57[モーター△:4 2 1 5 3 2 1 3]


5号艇:速水 爽香(20歳/B2)勝率0.00[モーター○:6 6 6 6 6 6 6]


6号艇:尾田 雅実(40歳/B1)勝率4.48[モーターー:6 5 6 5 6 6 2]


====================


展示航走を終え、爽香は緊張の面持ちで本番待機室の中にいた。

直前のスタート展示では、6コースからコンマ06のトップスタートを決めていた。


【スタート展示】

ST:.13 / .11 / .16 / .12 / .09 / .06(爽香)


【展示タイム】(直線150m)

1号艇: 6.65 / 2号艇: 6.64 / 3号艇: 6.68 / 4号艇: 6.69 / 5号艇: 6.72 / 6号艇: 6.70


本番待機室には、出場する男女6人のレーサーが沈黙を守っていた。重苦しい空気の中、爽香は固く拳を握りしめる。


爽香(さぁ、最後だ……。今度こそ、最低でも5着に入ってみせる!)


締め切り5分前を告げるけたたましいブザーが鳴り響いた。

6人が一斉に動き出し、自前のヘルメットのシールドを下ろす。


ピットへ移動し、ボートの前に整列。係員の「事故なく完走するように」という号令に敬礼で応え、艇へと乗り込む。


爽香(6コースから普通に回っても勝ち目はない。あたしにあるのはスタートだけ。一気に捲って勝負する!)


ピットのランプが「始動」を告げた。スターターロープを全力で引き抜く。

爆音とともにエンジンが目覚め、「出走」のランプで蒲郡の水面へ滑り出していった。


新人はデビューからしばらくの間、安全確保のために外枠(5・6コース)に入るのが暗黙の了解だ。1マークで未熟な新人が失速し、他艇を巻き込む大事故を防ぐためのルールである。


ファンファーレが場内に轟く。


天候:晴れ / 気温:27℃ / 水温:21℃ / 風向:追い風3m / 波高:1cm


爽香は大きく外へ開いた。イン取り合戦には加わらず、最初から大外を見据える。


『実況:進入はインから、1・2・3・4・6・5!』


大時計の針が動き出す。

スタートライン手前85メートル。爽香はレバーを握り込み、全速でボートを加速させた。頭上の小旗を通過した瞬間、勝負のカウントダウンが始まる。




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